太陽から始まる月粉砕《ムーンデモリッション》
「で如何だ?調子の方は?」
鎌はアルカナの状態に戻さず構えたままで訊ねる。
「そうね、少なくとも魔刀を持って出て来たのにも拘らずいつの間にか消えたのは驚かされたわ。」
とナギの談。
「魔刀デスイーターが此処にあると言う点が非常に気になるわ。まるで地球における全ての出来事を網羅している人が製作に携わっているかって程に裏の事情を知り過ぎている。」
とひどく扇情的な格好で(巫女装束が所々すれている)団扇絵を扇ぎながらそう話す。
「・・・何故に巫女装束?」
一之宮家が神道系なのは確かだが次女である唯はそれなりに和服を着る機会があるのだが着物の事が多く巫女装束は七五三の時以外は来て無かったはずだけど。
「あぁコレね。薙刀が手に入ったから衣装も変えてみただけよ。良かったら貴方も如何?」
「取り敢えず着替えろ。後何故女装させたがるんだ?」
「吸血鬼のお姫様スタイルが見たいだけ。夜を重ねれば重ねるほど成長するのが見たいだけだから。」
「TSしてもコウはコウだから愛でるだけ。」
と何食わぬ顔で言う2人。貞節が無いお嬢様とバーサーカーな末っ子は扱うのが難しいが今日に限っては一段とひどいぞ。
っとこんなことしている場合じゃなかった。鎌をハンマーに変形させ星のアルカナを槍に創造する。
「そらよっ。2人とも得物が酷い事になっているからそれを使え。」
二つの武器をそれぞれの手で30m離れた2人に投げ渡す。
「コウちゃん?」
「星もなの?」
と驚いていながらも離れつつ感触を確かめている。おいこら、ブンブン言わせるな!
「WAKE UP DEATH EATER」
「何故に英語?」
「気分でだ。それよりも月の世界を粉々にでもしない?物理で」
魔刀を鞘に収めながら聞くと
「OK.鬱憤晴らしもしたいから。」
と死を内包するハンマーを肩に担ぎながらサブで持つバールなようなものを片手で槍のように扱う姉御は返して来た。で
「コレ私専用のアルカナね。それが条件。」
と理不尽がお好きなお嬢様は理不尽なレベルの武器を理不尽に奪取を条件に協力してくれるらしい。
大丈夫か?このデスゲーム。