疲労から始まる無限槍
「何だろうかさっきの悪寒は?あいつらは・・・大丈夫だなエンゲージパスは通っているし女帝のアルカナが戻って来ている訳でもないから何とかなるか。」
と状況が理解できたためか婚約者の安全が確認できたか分からないがフゥ~とため息をつきそのまま地面に倒れ込む。
ここまで疲れたのは竜山の一件以来か。唯と婚約する事になり知られてはいけない事が世間へと知られた日。
偶然修学旅行中だった僕と唯の共闘によりなんとかなったが最終攻撃で落ちた場所が場所で後は語るまい。精神がゴリゴリにすり減るだろうし。
よし!
僕は武装し立ち上がる。そして下段に構える。少し丈があっていないが大丈夫だろう。
カパラカパラカパラ。と軽快に走る馬の音が聞こえる。その異形が見えた瞬間鎌を振り上げVの逆字になるように振り下ろす。案外しっくりくるな。
だがこのままでは倒れない。
が何も役割は脳筋では無い。
「デスサンダー」
左手で照準を合わせ穿つ。
黒色の雷が部屋を駆けまわる。
が閃光を生みだし無力化される。
「アースフィンガーブラスト」
ほぼ間を置くことなく力が集結して指弾により自然の砲弾が放たれる。
しかし、精確過ぎる狙撃が仇となり高跳びの要領で逃げられる。
「ヴァルキュリオンリパー」
鎌の石突で頭を突き丁度いい高さに来た首を狩る。そして跳び上がり刃を首に突き付きける。
漸くだが光の粒子となりて消え去る。直後星のアルカナが光り徐々に収まる。
でワープポイントが出現する。その瞬間死の可能性が過る。
急ごう。アイツ等の元へ。
レーナ視点
「此処は?」
光が納まったと気付くと私は何もない21面体の水晶に閉じ込められていた。ユメと共に。
『ここは私の月界。何人たりとも逃がしわしないわ。』
え!
声のする方を向いてそう思った。あれは前にコウちゃんが言っていた女性アバターの姿。ということはアルティアはコウの深層心理かな。それともウラの全力か戦闘能力は未知数だけど体が異性であると言えども世界最強の暗殺一族柴葉の死の剪定者。私たち後衛組で如何闘う?
ユーナ視点
「来なさい、無限槍」
何らかの強者の気配がして咄嗟にスキルに登録してある槍を手元に引き寄せる。
「ユーナちゃん多分この塔自体が敵だよ。そして物理職では難しい。」
「え!ナギさん如何言う事ですか?」
「そのままの意味ですね。多分、コウと戦う必要がありそうね。」
「槌の面をコウくんに向けるの・・・コウ君?」
ナギさんのもつ槌の面がコウ君に向いている。しかもあの人フル武装の魔刀もある。・・これ造ったの本当に誰何だろう?あれは竜山の件のみで使用された武装。
『始めましょうか?お嬢さんたち。太陽の塔でのパーティーを』
私たちが知る限りこの世界で最強の男と如何闘えば。