幸せな日々
家族なんていない、親戚も、友達も。
辛いなら辞めたらいい、学校も、友達も。
その快感が欲しいなら求めたらいい。
立場も、自分も、身体も全部投げ出して。
自由になればいい。
退屈な毎日から抜け出して。
あなたはなんだってできる。
もちろん、私も。
人間みんな。
むかしむかし、あるところに、幼いきょうだいがいました。
たよりがいのあるお兄ちゃんと、いつも静かな妹とのきょうだいでした。
それはお兄ちゃんが外に遊びに行ったときのことでした。
妹は家にいました。
お父さんは仕事に行っていて、お母さんは家で家事をしていました。
その日、村にこわい大人たちがやってきてどんどん村の人たちを殺しました。
その時外にいたお父さんは遊んでいるお兄ちゃんの目の前で殺されてしまいました。
お兄ちゃんは殺されかけましたが、どうにか逃げ切り、そのまま走って家に逃げました。
「お母さん!!大変だよ!!お父さんが、お父さんが!!」
お兄ちゃんは必死でお母さんと妹に伝えようとしましたが、「なにいってるの、変な冗談やめてよ」と言われ、信じてもらえません。
すると、その時。
ドンドンドン!!!
ドアを強く叩く音がしました。
「あら、きっとお父さんよ、最初から嘘だってバレバレなのよ、お兄ちゃんは、はーい、いまいきます」
と言って、お母さんはドアに向かった。
「お母さん!!開けちゃダメだよ!!お父さんじゃないよ!!」
瞬間。
お母さんは大量の真っ赤な液体を流して倒れました。
こわい大人が斧でお母さんの頭をうったのです。
「ああっ…お母さん……お母さんまで…」
お兄ちゃんは怯えました。
「おい、坊や、この女坊やのお母さんだったのか?かわいそうに、死んじゃったよぉー」
こわい大人の男が汚い笑みを浮かべて言った。
「人殺し!!」
叫んで石を投げたのは妹だった。
「あぁ?お嬢ちゃん、あんま調子のった態度とってるとお母さんとおんなじように殺しちゃうよ?死にたいの?」
こわい大人が妹に近づいた。
「やめろ!!僕の家族を殺すな!!」
お兄ちゃんはそう言ったけど、こわい大人は斧を妹に振りかざして…
バン!!
銃声が鳴り響いた。
妹が撃ったのだ。
こわい大人はそのまま倒れてただの大人になりました。
「おわった」と、妹が言いました。
「そうだな。こんなにたくさんとれたんだ、今日はご馳走だな」
「うん」
家の中にあった女と男の服を脱がせ、部位ずつに切り分ける。
「げっ、この男、結構剛毛だな、しょうがない、皮は諦めよう、これの皮はぐのちょっと手伝えよ」
「汚いよ、そんなこと言うなら、私があんたをたべるときが来たときの為にあんたはちゃんと手入れしといてよ」
「なんだよ、くわれるのはお前の方だからな、俺がお前をミンチにしてハンバーグにするんだから、若いやつのミンチはうまいんだよ、死ぬんなら早く死ねよ」
「チッ、クソが。お前が死ね」
そういって、女の目玉を指でほじくり出して投げつけた。
数十分後、ふたりは女と男をたべた。
さっきの話をしていたこのふたりも、あなたと同じ、人間です。
自由の次は何を求める?
私は人の全ての感情を奪って、遊びたい。
喜び、悲しみ、怒り、楽しみ、苦しみ、痛み、嫉妬、嫌悪。
何もかも忘れて、頭を空っぽにして、いつかあなたに会いたい。
あの快感を教えてくれたあなたに。
あの愛しさを教えてくれたあなたに。
さみしさはいつもいなくなってから気づくものだって覚えさせてくれたあなたに。
私の一部となった、いまはいないあなたに。