世界守護
3話目は世界のシステムの説明です!!
意味不明なこのシステムは一体何の為にあるのか!?
そんな感じです〜‹‹(´ω` )/››‹‹( ´)/››‹‹( ´ω`)/››
「世界守護」なんて今どき幼稚園児でも知ってる話だ。
もういつからか分からないくらい昔からの文献に載っているし、その現象が残した爪痕は日常のすぐ傍にある。
俺達が生きているこの世界では15年から20年の周期で「空割れ」と呼ばれる現象が起こる。地震の際に起こる地割れと様子が似ているからそう名付けられたらしい。
ある日突然空に亀裂が走り空が割れる。割れた空間からは何も見えないし聞こえないそうだ。
ただ、そこから「何か黒い人型をしたもの」が溢れ出てくる。そして地上を蹂躙する。
教科書にも載っているし実際に見ることも出来るが50階建て程の高層ビルが薙ぎ倒され多数の死傷者が出たこともある。
勿論何もしなければ人類含め地球上の生物は皆仲良く自分の命に別れを告げることになる。
ここで登場するのが「守護者」と呼ばれる存在である。
それは空割れが起こると必ず現れ「黒い何か」と戦い、破壊して行く。そして全ての「黒い何か」を破壊し終えるとまるで光の粒子に分解されるかのように消えて行くそうだ。
この「守護者」と呼ばれる存在は別名で「天使」とも呼ばれている。逆に「黒い何か」は「悪魔」である。
守護者は恐らく人型で、背中に翼のような物があることから天使と言われている。何故「恐らく」などと曖昧な表現をするのかと言うと、空割れが起こると現象が終わるまでの数時間の間、全ての電子機器が全く使えなくなるからである。さらにインスタントカメラ等のフィルムも天使の方へかざすと途端に焼き切れるという謎の現象が発生するため、写真や動画に残すこともできず、はっきりとした姿はわかってないのだとか。
因みに空割れが終わるまでの間、全人類には地下のシェルターに逃げる事が義務付けられている。いくら天使がいるとはいえ、危険なことに変わりはないからだ。
更に、空割れは必ず二ヶ所で同時に起こる。例えば日本の空で起きている時に、また別の国で起きている、という具合にだ。悪魔は両方から溢れ出てくるが、それに伴って天使も二人いる様なので空割れという事態は必ず終わりが来る。空割れの起きている空の範囲の大きさは時によってまちまちらしく、測定は出来ていないが、最低でも縦幅1km以上はあるらしい。それが唐突に閉じるそうだ。
世界守護とは 簡単に言えば、悪魔にやられそうな俺達を天使が助けに来てくれる、ということだ。
ただ、天使や悪魔と呼んでいる存在が本当は何なのかはまだ誰にもわかってないし、何故天使が助けてくれるのかも分からない。俺達を助ける事が目的で戦ってるのかすら分からないのだ。
だから、また空割れが起きた時に決して油断したりしないようにする、これが四月の世界史の授業の定番である。
それに今年は前回の空割れから17年目である。時期的にそろそろ来てもおかしくないと言われているため、注意喚起にも気合いが入っている。
先生方、ご苦労さまです
などとぼんやりしていたら一限が終わった。知ってることをまた聞かなきゃいけないってやっぱりしんどいよなぁ…