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第五話:リベンジ

 

『毎度あり!』


 村に良くありそうな商店から、HPとMP回復のポーションを四つずつ買った。


「うう…まさかMP切れだったとは…」


 もうすぐで夜が明けかのように、空がオレンジ色になってきている。実は言うと、このゲームは三十分で一日が経過する仕組みになっているのだ。

 ウインドウを開き、涙目になりながらも、能力の一覧を見る。

 私が今まで使っていた魔法は前に説明した通り、百条あるのだが、簡単なものから、初級、中級、上級、神級とあり、それぞれに下、中、上とある。神級の場合はブレスと召喚の二つ。

 見てみると、一番最初に使っていた初級の下に当たる魔法はMPを3消費するようだ。因みに、初級の中はMP6を消費。

 そして、次に私のステータスを見た。

 レベル2 リリット

 HP:56/56

 MP:88/88

 経験値122

 とあった。

 つまり、回復せずにやると、初級の下なら二十九回。中なら十四回、上なら六回が限度。そして、レベルアップをすると、自動的に全て回復するようだ。


「行くか。」


 ウインドウのログアウトボタンの横のリアルタイムを見ると、あと一時間とちょっとで夕飯だ。

 私は駆け足でハイリンに向かった。



 ~ケペナの森~


「だぁ!しつこい!」


 やはり、夜は少し厄介なのだろうか。前まで沢山いたプレイヤーはいない。そのせいで、一度の戦闘で三匹は相手にしている。

 そのおかげか、経験値は2097に。


「だからと言っても多すぎ!面倒くさい!(ジェロ)(グラン)(カタラ)如く(モコ)降れ(ネヴィ)(ジェグラ)!」


 初級の上に当たる魔法を発動。すると、MPが四分の三までに減る。が、目の前にいるモンスターは子鴨(チルダク)が二匹に風鶏(タルド)が一匹。それに対してあと22でレベル3にギリギリでレベルアップ出来る。

 すると、パリンという音と共に戦闘が終了。

 そしてレベルアップした。


「はぁ…疲れた。」


 ウインドウを開き、ステータスを見ると、オルフレン村から出る前より、だいぶステータスは上がった。


「ん?なんか光ってるし…」


 ウインドウを閉じようとすると、スキルの項目が青白く光っていた。

 タッチすると、現在のスキルポイントが表示され、体術、剣術、回復の欄が点滅していた。

 順番にそれらを見ていくと、体術では気合いが、剣術では抜刀、回復はMP自動回復があった。

 はっきり言って、私が使う詠唱魔法はMPの消費が半端ない。

 ので、躊躇なくMP自動回復を選択。

 すると、またもやウインドウが出て来て、確認のボタンをタッチ。その瞬間、青白い光が体を包み、『MP自動回復スキルを獲得しました。』という声か響いた。


「これでMPの消費は心配無くなったかな?……うおい。」


 MP自動回復スキルについての説明を見ると、『MPはレベルに相当した速度で回復します。なお、レベルが上がると回復速度も上がります。』と書いてあった。


「面倒くさっ。はぁ……まぁいっか。」


 ウインドウをマップだけ残して閉じ、ハイリンへ急いだ。



「あ~あ。やっぱり時間かかったし。」


 ハイリンまで後少しというところで、夜になってしまった。

 実はあの後、プレイヤーが来て、モンスターと遭遇しなかったものの、やはり草原の方で手間取ってしまった。

 いつ、あれが来てもいいように、氷結(テタール)を詠唱。来た瞬間に放つつもりだ。

 そのまま、周囲を警戒しながら歩くと、ハッハッとまるで獣のような息が聞こえた。

 いたのだ。

 ハイリンまで後少しというところで私を倒した刃狼(ソドル)が。

 しかし、刃狼(ソドル)はまだこちらの存在に気づいていなかった。

 ので、奇襲をすることにした。

 抜き足差し足でゆっくりと近づき、小さく氷結(テタール)と言った。

 すると、刃狼(ソドル)の足元は凍り、動けなくなった。


「さ、て、と……鬱憤晴らしに一丁中級魔法でもやるかな。」


 多分、端から見たら、ドン引きしそうだなという感じに刃狼(ソドル)を見下ろす。

 そして、中級魔法の下、剣舞(エスサール)を詠唱した。


我が(メウ)名に(ミノ)おいて(ディシャ)神よ(デウ)聞け(オヴィル)全て(トゥド)(セア)(エスパ)()ここに(キア)!」


 長い詠唱を終え、刃狼(ソドル)を見る。この場を脱しようと、忙しなく動くも、氷った足はビクともしない。そして、上空には約十本の剣が空中で止まっている。剣舞(エスサール)は属性で言えばノーマルなのだが、いい所が剣が沢山出てくる事だ。予想としては数十本は出て来るかと思ったが、まぁ、レベルがレベル。上がっていけば、いつかは見れるはずだ。


「じゃ、剣舞(エスサール)


 空中に止まっている剣達を刃狼(ソドル)に目掛けて放ち、身動きの取れない、言わば動かない的を刺し、同時に消滅した。

 こうして私はリベンジを成功させた。


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