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幕間 男の戦い(笑)その2

すみません。今回もラブコメです。主人公、かなり美味しい状況になってますが、

美鳴ちゃんのために必死です。

「ふう~おかしい。どこにも扉がない」


 舞さんは叩くのを止めた。どこにもないというのは絶対におかしい。ありえない。なぜなら、俺たちがどうやって入れられたかということになるからだ。


「これは美鳴の敵の東宮院の仕業だろうか?俺たち、美鳴の家老二人を拉致して、美鳴を困らせようという企てじゃあないか?」


 俺は至極当たり前の意見を述べた。どう考えてもそれしか心当たりがない。

だが、舞さんはそれには返事をしない。何か深刻そうな表情をしている。彼女には心当たりがあったのだ。


そして、その心当たりが現実になる。


「あ~あ~聞こえます?舞?」


突然、部屋に女性の声が響いた。どこかで聞いたことがある声だ。


「お、お母様!」

「え?舞さんのお母さん?」


俺は驚いて舞さんの顔を見る。彼女は怒りで体をプルプル震わしている。


「舞、あなた、せっかく子種に提供にふさわしい殿方を連れてきたのに、ちっとも行動しないので、こちらから場所を提供しましたわ」


「お、お母様!余計なお世話です。こういうことは、二人の気持ちが大切っていうか!」

「バカね、舞は。子種をもらうのに気持ちなんて関係ないの」


「お、お母様のバカ!バカ!」

「舞ちゃん」


 今度は別の声だ。この声も俺は聞いたことがあった。舞さんの婆さんの声だ。あの上品だが言っていることは下品な単語を連発する婆さん。


「舞ちゃん、その部屋は狩野家伝統の子作り部屋です。今から5日間、そこでその男と過ごしなさい」


(5日間だって…)


 俺は話の中身よりも5日間ここから出られないことの方が衝撃的であった。5日間といえば、関ヶ原の戦いのスタートが明後日である。完全に間に合わない。序盤の5日間という重要な日を美鳴一人で行わなければならないのだ。


「そんなの嫌です!それに無駄ですわ!大介さんは、こんな強制的な状況で私にそんなことする人じゃありません!」


(舞さん、俺のこと信じてくれるのか~)


 俺はちょっと嬉しくなったが、立ち上がった舞さんのパンツがTシャツからちらほら見えて、トランクスにテントをたててしまいそうで立てない。それで下から見上げるから余計、テントが…。


(ごめん、舞さん、俺、絶対5日間なんてもちません!)


「ふふふ…舞は、本当に可愛いわね。男がこの状況で平静を保てるはずがありませんことよ。あなたのお父さんなんて、それこそ、もう、すごかったんだから。思い出すと、じ~んと来ちゃいますわ」


「不潔よ!不潔!こんな状況で、見られながらそんな行為できるわけないわ!」


(おお!舞さんその通りだ。こんな部屋だ。どこかに隠しカメラや盗聴器でこちらの行動を監視しているに違いない。そんな状況で子作りができるか!)



いや、子作りする気はありません。


少なくとも今はありません。


テントたててますが、島左近の名に誓って!



「ほほほ…そんな無粋なことはしませんことよ。舞ちゃん。でもね、5日後、あなたはたっぷり子種をもらってその部屋を出ることは間違いないです。男はね、そう言う生き物なんです」


あの婆さんめ! 

勝手に男を決め付けている。


「子どもを作っても責任取らなくていいなんて条件で、舞ちゃんのようなピチピチの若い娘が裸同然でいるのに、手を出さない男がいるわけがありません。狩野家の歴史の中で一度もないですわ。だから、遠慮なく舞ちゃん、その男の子種をたっぷりいただきなさい」


「島さんでしたっけ?舞をよろしく。たっぷり可愛がってやってくださいね。この子、意地っ張りだけど、怖がりなので最初は優しくしてあげてね」


そう舞さんのお母さんは言うと一方的に通信を切った。



おいおい、親が娘を据え膳にして、どうぞ食べてくださいなんて言うか?


ひどい親がいたものだ。いくら、昔から続く家柄で、そういうのがしきたりとはいえ、これは人権無視だ。


舞さんも目に涙をたっぷり浮かべている。よほどのショックに違いない。


「舞さん、どうやら監視もないようだし、子作りしました!ってウソいえばいいんじゃないか?」

「ば、馬鹿!そんな恥ずかしこと言えるか!」


「だけど、そう言わないとここに5日間も閉じ込めれるんだぜ」

「それは分かっているが…。嘘は言えないし、すぐバレル」


「いや、バレないって」

「ばれる!」


舞さんの顔が真っ赤だ。必死の言葉。


「なぜです!」

「わ、わたしがこの数日間、危険日だからだ!バカ!」


危険日と言われて俺も真っ赤になる。


「そういう行為をすれば、100%妊娠。狩野家は、一発必中の家計なんだ。しなければ、2、3ヶ月後に子作りの嘘がばれて、また、ここへ閉じ込められる。それに…」


「それに?」

「おばあ様のことだ。絶対5日間出さないつもりだ」


「それは困るぞ!5日間も閉じ込められたら、美鳴の方が…」


 それは狩野舞も思っていた。5日間閉じ込められるということは、関ヶ原の戦いの序盤の重要なイベントがいくつも経過する。自分はともかく、この島大介がいなければ、勝利はありえない。



危険日はまずいでしょ!それ何?っと聞かないでくださいね。

15禁になっちゃうので。

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