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伏見城は三日で落とすのよ!(参)幕間 男の戦い(笑)その1

おいおい、歴史物のシリアスバージョン開始と言いながら、拉致された主人公の話に戻るのかよ~っと突っ込まれそうです。でも、この二人が早く解放されないと、関ヶ原の戦いも進まないので、がんばって脱出してもらいましょう。

(そのために、伏見城は三日で落とすって、言ったのに…)


美鳴は二日目の結果報告を聞いて愕然としていた。


「どうしよう、このままじゃ、伏見城は落ちないわ。4万もの大軍をさし向けたのに」


 史実と違って、伏見城に籠るのは、東宮院に金で雇われた人物たちで、ゲーム上で戦死するとキャラがロストするキャンペーンゲームのルールの特徴から、死ぬよりは降伏という道を選択しやすいはずだ。


「美鳴お姉ちゃん、織田麻里さんから、軍議の要請が来ているよ」


 そう家老のさとくん(蒲生郷家を演じる蒲生聡)が美鳴に連絡してきた。美鳴ははっと我に返った。そうそう、さとくんは、小学二年生だから、そろそろ、寝ないとお母さんに叱られる。彼のおかげで、今日はこの大垣城を開場させて、西軍本拠地にできていたのだ。


「さとくんは、今日はログアウトしていいわ」

「うん。美鳴お姉ちゃんお休みなさい」


 そうさとしは言ってログアウトした。いくら夏休み中とはいえ、二年生では夜10時以降はキツイだろう。


 キャンペーンは、戦闘は夜の7時から10時と決められていたが、自軍での軍議や相手への工作行為はいつ行ってもよかった。10時以降と昼の間はそれぞれの陣営内での作戦タイムの時間ではあった。


 現在、ゲーム上では自分は大垣城にいるが、岐阜城に君臨する織田麻里と連携することが、勝利のワンピースでもあったのだ。美鳴は岐阜城へ、織田麻里との軍議に出かけた。


(もう、大介ったら、どこにいるの!わたしを早く助けてくれないと、許さないんだから)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


(はあ…ここは一体どこだよ~)


 俺は泣きたい気持ちになった。拉致されて目覚めれば、六畳一間の窓のない部屋であった。部屋の中央には作り付けの小さな座卓、壁に引き出しのような取っ手が三つあるだけ。トイレとシャワー室はあるが、ここにも窓はない。電気を消せば真っ暗だ。さらに壁にはまるでカプセルホテルみたいなベッドルームが内蔵されている。


(ここには小さなテレビが内蔵されている)


そして、一番驚いたのは、そのベッドにブラジャーとパンツ1枚の露わな姿の舞さんが横たわっていたことだ。


(俺自身もTシャツにパンツ一枚という姿)


「ま、舞さん、だ、大丈夫ですか!」


 俺はズキズキと痛みが出てきた頭を抑えて、そっと舞さんの足を揺すった。


(カプセルベッドが狭くて、入口からは足しか触れないのだ)


「う、ううう…」


舞さんが意識を取り戻した。うっすらと目を開ける。


「だ、大介、ここは?うっ!」


 慌てて体を起こそうとして天井に頭をぶつける舞さん。ちなみにいつもの赤いメガネは付けていない。それはベッドの頭側の棚に置いてある。


「イタタタ…」

「狭いから、気をつけて」


 俺は体を反対側に向けて言った。なぜなら、舞さんのブラの肩紐がいつ外れて、エロい姿に拍車をかけていたからだ。


「大介、なぜ、そんな方を見ている?」


と舞さんは俺に言ったが、すぐ、


「きゃ、何、コレ!」


自分のHな姿を見て驚いて叫んだ。

舞さんにしては可愛い声を上げたので、俺は思わず振り返ると、


「バカ!見るな」


と枕が飛んできた。慌てて振り返る俺。


「何か、着るものはないか、探して!」


と言うので壁の取っ手を引っ張って中を見ると、


一段目。


Hな女性用下着がぎっしり


二段目


なぜかエプロン

いや、俺の趣味ではない?(ごめん!美鳴)


三段目


水着 なぜか水着 女性用 


スクール水着

ハイレグビキニ

シースルービキニ

貝殻?


いや、俺の趣味ではありません。(ごめん!美鳴)


 仕方がないので、俺は自分が着ているTシャツを脱いで渡す。自分はトランクス一つだがやむ得ない。だが、俺はその行為の失敗を1分後に痛感する。


下着パンツに大きめのTシャツを着た女子?


キタ― である。


 舞さんはそんなエロ度30%増しの格好でベッドルーム(カプセル)から出てきた。


「ここはどこだ?」

「俺にも分からない。あの黒スーツの連中に拉致されたみたいだが」


「拉致されて時間はあまり立っていないようだなあ…」


 確かに俺の右腕に残された腕時計(裸に腕時計は何か変だが)を見ると、夜の七時。拉致されてから四時間が経過しているに過ぎなかった。


「とにかく、お前と二人きりでこんな狭い部屋にいたら、何されそうか分からないからな」


そう言って舞さんは壁をどんどん叩く。どこかに隠し扉がないかのチェックだ。


(確かに、あんな格好の舞さんを見続けたら、俺の鉄の理性が…)


 Tシャツからチラチラ見える純白の下着。襟元から見えるブラの肩紐。瑠璃千代や愛ちゃんみたいにダイナマイトな胸ではないが、「ない」のもこれはこれでいいに違いない。


はだかエプロンに、スク水・・・すみません。主人公の趣味がバレてるということにしておきましょう。その割には制服がないじゃないか!という突っ込みもあるでしょうが。

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