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わたしの旗の下に集まらないといけないんだからね!(弐)

今回はヒロイン美鳴の友人たちが登場します。美鳴が作った歴史研究会のメンバーですが、部員は少なし。主人公は否応なしにメンバーにされていましますが…。

 美鳴に連れて行かれたのは、校舎端にある歴史研究会の部室。かなり伝統ある部室らしく、看板が年代物の木製で墨で黒々と書かれてある。

(それには詩吟部などと書かれていたが…大きく✖が。横にマジックで歴史研究会と記述。)


「お待たせ~」

「お姉ちゃん」

「先輩」

「美鳴!」


 部室のドアを開けると、中には3人の女の子が待っていた。一人はアナスタシアの制服っぽいが、若干、デザインが違う。襟のラインが一本で名札に1Bって書いてある。そして、その娘はかなり小さく、身長も140あるかないか。見た目は小学生だが、制服からするとアナスタシアの中等部と思われた。


もう1人は美鳴と同じ制服だ。先輩と呼んだ子は、美鳴の後輩と思われるが、髪は肩までの短髪で、チアガールの衣装を着せれば似合うだろうという健康的な女の子だ。体型は美鳴よりも小柄ではあるが、バイン、キュ、バインのよく育ってます的な生意気ボディだ。


もう一人はかなり長身でスレンダー美人。服装は制服ではなくて、ブラウスに地味なスカートと女子大生にしては、ずいぶん華やかさがないが、赤い眼鏡がよく似合う知的な感じがする女の子だ。


「こちらが私が話していた、島大介さん。今は左近ちゃんだけど」

「可愛いアル~」


そうロリ娘が俺のスカートをつんつん引っ張った。


「この子が真田雪之ちゃん、中等部の1年生、短い黒髪の子が直江愛さん。高等部の1年。私の後輩。赤い眼鏡の人は先輩の狩野舞さんよ」


「俺は島大輔、アナスタシア大の2年だ」

「2年てことは20歳だよなあ…男だから偏差値高いし」


そういって赤い眼鏡の長身スレンダーが俺の体をじろじろ見てくる。


(確か、狩野舞かりのまいっていったけ。美鳴の先輩ということは、アナスタシア大1年か?女子だから、推薦組か...)


 アナスタシアの推薦組女子と聞いて、俺は嫌な予感がした。俺を振りまくったのは推薦組女子たちである。だが、この赤い眼鏡ちゃんは、俺を軽蔑した目でこう言い放った。


「20にもなった大の大人が女装して女子高に忍びこむか?あっはは…」

「ちょ…ちょっと声がでかい」


俺は思わず、赤い眼鏡ちゃんの口を抑える。


「う~う~…ぷっはあ…やめろ、触るな!子供ができる!」


俺の手をびしっと叩く。


「子どもができるって…そんなわけないだろ。子どもってのはなあ…」

「よせ、変態、それ以上言うな!」


「もう、舞さん、それ以上、騒がないで。せっかく、大介を変身させてきたのに意味がないじゃない」

美鳴が割って入る。どうも赤い眼鏡ちゃんは、俺のことが嫌いらしい。


「大介、舞さんはちょっと男嫌いなところがあるから気にしないで…」


(男嫌いって…。そりゃ、幼稚園から男に触れてなければ嫌いにもなるだろう)


 アナスタシアの元高等部生ということは、幼稚園から女子だけで過ごしてきたわけだ。男子と机を並べるのは大学生になってからだ。


「お兄ちゃんは、どうしてお姉ちゃんの格好をしているアルか?」


一番小さい、真田雪之ちゃんが俺を見上げてそう言った。この子はこの子で言葉じりがおかしい。アルってなんだ?出来の悪い中国人描写か?


「雪之ちゃんは、去年までお父様の仕事の都合で中国で暮らしていたから、日本語少しおかしいの」


(いや、語尾だけだから…)


「先輩の彼氏、超美形ジャン。いいなあ…愛も愛に生きたいわ~」


と目をうるうるさせている、直江愛ちゃん。


 3人とも美鳴が部長の歴史研究会の部員らしい。部員といってもこれだけであるし、歴史研究といっても歴女ぽくない構成だ。唯一、赤い眼鏡ちゃん(狩野さん)だけが、歴女の匂いを出している。なにしろ、片手に持っている本が司馬遼太郎である。うんちく語り出したら止まらない感じだ。


「みんな、私に協力してくれてるの。3人とも戦国ばとる2はまったく経験がないのだけど、私のためにがんばってくれるって!」


(美鳴の奴、俺が友達から探せ…といったことを忠実に守り、自分の知り合いに声をかけたらしい。それにしても、声をかけて、後輩に、中学生に大学生って…美鳴の奴、同級生の友達がいないじゃないか!)


「みんな、一応聞くけれど…。戦国ばとる2の経験は、まったくないの?」

「はーい!」「はーい」


と直江さんと真田ちゃんが声を合わせる。舞さんはうなずいた。


(マジかよ...今からキャラの役割決めて、レベルを上げるのかよ?いくら友人でも、一からじゃきついが...)


そう思った俺ではあったが、ネットでの募集状況がはかばかしくないのだから、仕方がないといえば仕方がない。


「それじゃあ、みなさん、演じるキャラは決めましたか?」


俺は大体予想できたが、一応聞いてみた。だが、自信満々で手を上げた高1と中1の様子を見て、その予想は確信に変わった。


「あっ…待て!直江さんのキャラを当てるから…」


「うあ~当てて!当てて!」


ぴょんぴょん跳ねる愛ちゃん。跳ねると豊かなところもバインバインする。そんな光景にクギ付けになって思わず沈黙したが、これは分かるでしょう。


「苗字が直江で、美鳴の友人なら、ズバリ、直江兼続でしょう?」

「あたり~」


巨乳がうれしそうにブルンブルンしている。さすが、愛の文字の前立て兜をかぶっている武将だ。愛にあふれている。


「そして、雪之ちゃんは、真田幸村」

「さすがお兄ちゃん!アル」


「舞さんは、石田三成の家老、舞兵庫」

「ちっ…定番というか、おもしろくもなんともない」


赤い眼鏡ちゃんは、あいかわらずぶっきらぼうである。


(一応、重要人物の一部は知り合いで固められたが)


確かに舞兵庫は、石田三成の重要な家老だし、真田幸村は信州上田城で、徳川方の軍勢の足止めをして、関ヶ原の戦いの勝敗を左右する働きをするし、直江兼続は会津で旗を上げて東西から徳川家康を挟み打ちにするという壮大な戦略の一端を担う重要人物である。


それを美鳴の友人で固められるなら申し分ない。だが、3人とも未経験であり、直江兼続に至っては、上杉景勝の家令であるので、上杉役の人物に仕えて、その人物を美鳴の味方にしないと使えないキャラであった。


(う~ん。事態は好転したとは言い難い….)


そして、俺の心に浮かんだ大きな不安…。


中1、高1、大1の1年生トリオ登場。ロリに巨乳にインテリ男嫌いとスペックも定番ですが、手堅いですね。この3人、この先、どう貢献していくか?いや、どう主人公と絡んでくるか?

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