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わたしの水着姿で士気を高めなさい!(八)

キター美鳴ちゃんの特殊能力発動!

SのSだ!

(くそ!このままではマズイぞ)


 さすがにこちらの戦力も厳しくなっている。右翼の吉乃ちゃん、雪之ちゃん、舞さん、瑠璃千代の軍勢は有利に戦っていたが、まだ、決着はついていない。俺はここに来て、舞さんの戦力を向こうに配分しすぎたと反省した。


(今、ここで舞さんの1000の兵力があれば…)


俺は他に手がないか思案する。イライラして足を踏み鳴らす。


「左近、あれを使うわ!」


突然、美鳴が言い出した。


「何を?」

「<激励>よ」


(何をいまさら…)


 この展開で<激励>して攻撃力が上がったところで、大して戦局に影響があるとは思えない。


「ただの激励じゃないわ!<激励S>よ。このSはスペシャルのS,スーパーのS」

「ちょっと、待て、何が起こるか分からないんだ。そんなリスクは!」


「うるさい、うるさい、うるさい!主君はわたしなんだからね!」


美鳴は軍配を振りかざし、高らかに叫ぶ!


「激励S、発動します!」


じゃじゃじゃ、じゃあああああああああん・・・・

音楽が突然流れる。


戦場全体が光に包まれる。


(な、なんだ!まぶしいぞ!)


思わず目をつむった俺は、再び目を開けると目を疑った。


赤いヒールに太ももまであるボンテージのショートパンツにジャケット。しかも肌着も付けてない、ブラなし。だから、隙間から見える見える…見えそう~。ドイツの将校がかぶってそうな帽子をつけた美鳴が、先程持っていた軍配がムチに変わったことも気づかず、キョトンとしている。


(わ、わかったぞ!激励SのSが…)


自分の姿を見て、美鳴の奴、きゃあ~とか言うかと思ったら、まだ、特殊能力発動中であった。なぜか、足軽が一人、美鳴の前に土下座している。それを右足で踏みつけて、ムチで地面をバチバチと叩いて、


「この薄汚い、下僕どもおおおおっ~」


石田隊全軍が一瞬凍りつく。


「このご主人様に、無様な姿を見せるか、このタコ、ブタ、イヌ~」


(おいおい、タコさん、ブタさん、イヌさんに謝れ)


「もし、ビビって逃げるようなヘタレは、この女王様、美鳴が~」


おおおおおおっ・・・・石田隊全軍が赤い光に包まれるるるるるう~


「お仕置きしちゃうぞ?」


俺は思いっきりコケた。最後にそんな可愛く言わないで欲しい。


だが、美鳴の演技力に関わらず、配下の軍勢の攻撃力、そして防御力まで数倍UPする。しかも、凶悪なのは敵の防御力まで下げてやがる!


(マジかよ~)


しかも、石田隊の部隊が半狂乱状態で俺たちの指示無視で動き始める。7000の敵がわずか2000程度の軍にボコボコにされていく。武将が、足軽が赤い光に包まれ、点滅しているのだ。この状態だと敵に斬られようが、鉄砲で撃たれようがおかまいなしだ。


まるでスターをゲットしたマ○オみたい。つまり、無敵だ。


よくよく見ると画面上にカウントダウン表示がされている。30秒間無敵モードだ。


 数字が0になった時、戦場で立っているのは石田隊だけ。敵は倒れているか、はるか後方で小さくなっているか…である。


(おいおい、こんな勝ち方あるかよ?)


俺が美鳴を見たとき、あの女王様スタイルは解除されて、あの黒い具足の女の子武将の姿に戻っていた。


「このような負け方は認めん!」


水牛の角をあしらった金色の鎧を身に付けた鬼のような武将が進み出た。


「我は島津豊久なり~尋常に勝負せよ!」


一騎打ちの申し出だ。この状態で受けるメリットはあまりないが、俺としては美鳴の特殊能力がちょっとチートだったので、受けなければ相手に失礼だと感じた。


「島左近、お相手いたす!」


一騎打ちは多彩なアクションが要求される。正直、俺はあまり得意な方ではなかった。ところが、相手の大将、島津豊久はかなりの使い手であった。振りかざす大剣を一文字槍で弾き、俺は


(これは、瑠璃千代じゃないと立ち打ちできないぞ)


と思った。最悪、自分が討たれても美鳴の勝利はかなり濃厚ではあるが、負けることをあのじゃじゃ馬姫は許さないだろう。その証拠に、美鳴の奴、次の手を使いやがった!


「左近、そんな筋肉男に負けるのは許さないわ!これを受けなさい!」

「わ、ま、待て!また、何かわからんものを使うな!」


「左近個人に、激励LS発動!」


「激励LS」個人に対しても発動できる。その場合、軍勢全体よりも効果が高い。


なんの効果って?


発動したとたん、美鳴の奴のコスチュームが変わる。


鎧から、ふわふわしたシフォンミニスカに生足姿。(なんで?この格好?)


突然、突風が吹く。しかも下から上へ…当然、短いスカートはめくれて


俺は見た!


美鳴のセクシーパンツ?いや、格好とはギャップがある「白のレース、赤いリボン付き」


萌ええええ・・・


 慌ててスカートを抑えたから、見えたのは一瞬。だが、このシュチュエーションが絶妙だ。


俺は理解した。


LSはつまり、ラッキー(LUCKY)スケベ(SUKEBE)。



ラッキースケベで戦に勝つなんて・・・。相手もやるせないに違いない。

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