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わたしの水着姿で士気を高めなさい!(七)

美鳴と二人で戦線を支える主人公ですが、敵も無能ではありません。数で優勢と見て手堅い戦法をとってきます。どうする、島左近?

 だが、敵はこちらよりも数が多い。倍以上である。すかさず、攻勢に移る。鉄砲や弓を放ち、槍兵で追いすがり、撃退されると退いて、次の部隊が同じことを繰り返すのだ。


「マズイな、敵も腹をくくったようだ。犠牲を恐れず、消耗戦を選択したようだ」


 この展開は予想できたが、敵も思い切ったことをする。できるようでなかなかできないことだ。SLGにおいてこういう地味な展開は、敬遠されるのだが、上級者ほど、こういう戦いを制して勝ち星を上げる、突撃して敵を全滅、全面敗走などという展開は気持ちいいが、リスクなしにそうそうできるものではない。


「左近、吉乃たちは有利そうだけど、このままではマズイはね」


素人の美鳴にもこの状況はわかるらしい。分単位でこちらの兵数がジリジリと減ってきているからである。


「あ~ん、あの長谷家部って勘違いマヌ吉は、まだ戦場に来ないの?」

(ああ、そろそろだと思う。奴の5000が戦場に現れれば楽勝なんだが。あとは愛ちゃんが、駆けつけてくれれば…)


 だが、その頃、俺や美鳴の期待に反して、長谷家部の奴、ミーティングが終わってスマホでゲームに参加しようとしたところを先輩達に見つかり、誰と何するんだと白状させられていた。


「おい、長谷家部、お前、女か、それ」

「いや、先輩、彼女というか、その…」


「またゲームじゃないのか?戦国ばとるとか言うゲーム」

「長谷家部、合宿中はゲームは禁止だ!」


「そ、そんなキャプテン、勘弁してくださいよ~彼女に頼まれてんですから」

「お、コイツ、今、彼女って言ったな。おい、長谷家部、その女のこと教えろよ」


「教えないとゲームは禁止ですよね、キャプテン」

「そうだな。自分ひとりだけ、いい思いをするのも癪だ」


「いやあ~」


 長谷家部の奴、何だか顔がにやけている。話したくないと言うより、話して自慢する気満々である。


「どうせ、お前のことだ。50点の女で妥協したんだろ!もしくはゲーム好きの腐女子か?」


馬鹿にする先輩にカチンときて、長谷家部のやつ、俺を隠し撮りした画像をスマホで見せやがった。


「うお~みんな見てくれ!コイツ、アナスタシアのJKと付き合ってるぞ」

「おいおい、こりゃあ、上玉じゃないか!お前にはもったいないぞ」


 ラグビー部の先輩たちが集まってくる。みんな俺の女装姿「左近ちゃん」に感嘆の声が上がっている。


「お前、こんな美少女とどうやって知り合ったんだ?」

「いや、その一目惚れでアタックしたんですよ」


「おお、お前のあのタックルで仕留めたんか!」

「はははっ…そりゃいい。長谷家部のタックルは思いっきりがいいからな。俺もあやかりたいぜ!」


「それでお前、この左近ちゃんとどこまで行ったんだ?」

「白状しないと合宿中、女との連絡を禁止する!」


「そんなあ~勘弁してくださいよ」

「言えよ、まさか、お前、何もしてないわけじゃあないよな」


 長谷家部は困った。何もしていないどころか、冷静に考えると付き合ってもいない。だが、そんなこと話しては、自分がヘタレということになる。


「そ、そりゃあ、キスくらいはしてますよ」

「うひょひょ~こんな美少女とキスしたんか?やるな、お前!」


(長谷家部の奴、てめえ~首締めるぞ!)


「じゃあ、当然、今年の夏中には、行くところまで行くんだろ」

「そりゃあ、もちろんですよ。先輩。俺、このと夏休み終わるまでにエッチしてやりますよ」


(ぞああああああ~)こんなこと聞いたら俺は卒倒しそうだ。幸い、いくさに夢中で自分が夏休み中に長谷家部の奴にヤられちゃうなんて宣言されているとは思いもしなかったが。


「言うね。勇者、長谷家部くんをみんなで応援しよう。それで、このカワイコちゃんとゲームとどう関係があるのだ?」


 根掘り葉掘り聞かれて、調子こいてしゃべった長谷家部は、アナスタシア高等部の歴研の女の子たちとゲームしてることがバレて、合コンを企画するように命令されたのだった。


こんなわけで、長谷家部の参戦が予定よりも大幅に遅れている。


女左近ちゃんにメロメロな長谷家部くんですが、美鳴からは勘違いマヌ○くんと呼ばれて、犬状態です。なんでもいいから、早く助けに来い!

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