わたしの水着姿で士気を高めなさい!(壱)
ヒロイン美鳴の鶴の一声でリゾート地へ行くことになった歴研メンバーたち。南国リゾートといえば、水着!可愛い女子の水着です。士気が高まるう~!
翌日、俺は美鳴たちの荷物係として、大量の荷物を運んでいた。近い海かと思ったら、飛行機で2時間、フェリーで2時間という行程。南のリゾートアイランドであった。どうやら、あの島津維新入道のじいさんが大株主のホテルらしい。
この前のおもてなしの時にちゃっかり、おねだりして招待してもらったのだとこのちゃっかり娘は教えてくれた。
「1時間後にホテルのプライベートビーチに集合よ。大介、海に行く荷物を準備しておいてよ!」
ホテルに着くと疲れも見せずに美鳴がみんなに宣言する。
「おいおい、歴研の合宿じゃないのか!」
雪之ちゃんも、愛ちゃんも美鳴とはしゃいで俺の言うことを聞いてない。
「ふふふ…あの子はこうなると元気いっぱいだから…」
白いワンピース。胸元と袖口、スカートの裾がレースで覆われた上品なワンピースが俺の目を奪う。つばの大きな帽子をかぶった令嬢は…。仮退院したばかりの吉乃ちゃんだ。
「よ、吉乃ちゃん。体は大丈夫?」
「ええ。激しい運動はダメだけど、ビーチには行ってみたいわ」
「お、お供します」
「旦那様、荷物は私も持ちます。着替えてくるまで、しばしお待ちを」
瑠璃千代も俺を気遣ってくれる。う~。この二人は俺にとってオアシスである。
そしてビーチ。白い砂浜、海風にゆれる木々、透明な水。人はほとんどいない。そこに4人の水着美少女が…。
まずは直江愛ちゃん。ダイナマイトボディを包むのはやはり、というか、期待通りのブルー地にマリン柄のビキニ。推定88センチのおっぱいがはみ出しそう!
次はがらっと変わって、真田雪之ちゃん。彼女は当然ながらのワンピ。スカート付きのひまわり柄で、これまた可愛い。活発な彼女にぴったりである。
さらに、自称「俺のヨメ」を主張する立花瑠璃千代。彼女はホルターネックのビキニ。胸は一度見たから(ゲーム上で)大きい方だと思っていたが、水着で見ると愛ちゃん級である。どうも着物姿で着痩せするのか、意外とグラマーだ。合気道で投げる時にあの胸は邪魔にならないのだろうか?
そして、石田美鳴は、ドット柄のタンキニ。馬子に衣装とはいうが、これが超キュート。いつも命令ばかりしている憎らしいやつだが、こういう姿を見るとすべて許せる
(かもしれない)
小谷吉乃ちゃんは、白いひらひらワンピースのまま、日傘を持って木陰に座っている。病み上がりでは、さすがに水着にはなれないのだろう。(残念)
俺があんまり見とれているものだから、美鳴が、
「ちょっと、大介!エロい目で見ないでね」
と皮肉を言う。
「エ、エロいって、失礼な!」
「ふふん、どうだか…。どうせ、愛ちゃんや瑠璃千代の水着でも見て興奮してるんでしょ?
まあ、雪之ちゃんに興奮するのは犯罪者だけど」
「バカ言うな!俺はその、お前の水着がちょっと…」
「ち、ちょっと、なによ。わたしの水着姿がどうしたのよ」
美鳴の顔がかあ~っと赤くなってくる。
「いや、可愛いというか、キュートというか…」
いや、俺としたことが。あまりに可愛い水着姿につい口を滑らせてしまった。美鳴の奴、急にそっぽを向いて、
「あ、当たり前よ。わたしはあなたの主君ですもの。水着で家来の士気を高めるのは、主君の努めだわ」
と言い放った。
(はいはい、せっかく誉めたのに)
若干、がっかりな反応に現実に戻された俺は、目の保養に愛ちゃんと瑠璃千代の姿を目で追う。すると俺のTシャツの裾を美鳴が軽く引っ張った。なぜか顔が赤い。目線を下にして、いつもとは違う小さな声で、
「あ、ありがとう。可愛いって言ってくれて」
「へ?」
そう言うと、美鳴は愛ちゃんたちのところへ走っていった。俺は呆然とたたずんだ。あの美鳴がありがとうとお礼を言ったなんて…。
美鳴ちゃんも可愛いところありますね。ツンデレの面目躍如ってところですかね。




