わたしの究極のおもてなしを受けなさい!(弐)
このエピソードは石田三成の有名な話をモチーフにしています。たかが、ゲームではなさそうな展開ですから、関ヶ原ともう一つの戦いへの布石?です。
石田三成がまだ子供で「佐吉と呼ばれで近江の寺で小僧をやっていたときのことだ。領内で鷹狩りをしていた豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉であったが)が、その寺に立ち寄った。夏の暑い盛りだ。秀吉は茶を所望した。佐吉は最初にぬるいお茶を大きな茶碗でたっぷり持ってきた。
秀吉はそれをぐぐっと飲んだ。もう一パイと二杯目を所望した秀吉は、次に少し小さめの茶碗に少し熱めのお茶をもってきたこの小僧を面白いと思った。そして、三杯目を所望した。
かなりの確信をもって。
そしてその確信が現実となり、舌も焼けるような熱いお茶を小さな器で少量運んできた小僧をすぐ家来にしたのだ。三成の立身出世はこのエピソードから始まるのだ。
「美鳴ちゃん。実は君に佐和山19万石の領地を授けようとは思っていた。君がゲーム上で戦うための最低条件だ。だが、それだけではゲームでも現実でも君はあの男には勝てないだろう。例え、島君のような軍師がいたとしてもだ。どうだろう。もう一人、気難しいじーさんを紹介する。その人物は君の窮地を救ってくれるかもしれない。君がその人と私にご馳走をもてなしてくれないか?」
「ご馳走をもてなす?」
「そうだ。このゲームもビジネスもつまるところ、人間の魅力が大事だ。それをおもてなしで判断する
ということだ。美鳴ちゃんは、我々に君の人間力を魅せる必要がある」
そう太閤殿下はそう言って席を立った。
「なあ、美鳴、どういうことなんだ?」
俺はデザートのアイスクリームと選んだフルーツ(もちろん、メロンを選択)を食べながら、美鳴に聞く。
「あの太閤殿下は、太平洋銀行の頭取よ」
「え?」
太平洋銀行といえば、日本有数のメガバンクである。そんな銀行の最高責任者がこんな小娘と貧乏学生と会食していたなんて。ネットゲームと取り持つ縁である。だが、さっきのじいさんのセリフは疑問だ。
(ゲームでも現実でもとあの人は言った…)
「美鳴、どういうことだ?ゲーム相手とはゲーム以外で争っているのか?」
「大介には関係ないわ。現実は私だけの問題。それもゲームに勝てばだいたい解決するの。でも、もう一人の人物と接触するのは悪くない話だわ。見たこともない贅沢なおもてなしで、度肝を抜いてやるわ!大介も手伝いなさい!」
げげげ・・・何がうれしくてそんなじいさんの接待をしなくてはいけないのだ?
わたしのおもてなし・・・とかいうタイトルなので、ちょっとエロい展開か?と思われた方、すみません。じじいをもてなす展開です。でも、途中で新キャラもからませていきますが。