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押しかけ女房なんて許さないんだからね!(六)

強引な瑠璃千代ちゃんを一晩泊めることになった主人ですが、こんな積極的な女の子と過ごして何もなしとは、鉄の意志を持つ男だ!

 その晩は、瑠璃千代を泊めることになったが、瑠璃千代の奴、お嫁さんして欲しいと言うだけあって、料理がうまい。自分が買ってきた食材に俺のアパートにあった食材を足して、あっという間に純和風のご馳走を並べやがった。


一口食べるとこれが超うまい!さらに、部屋の掃除から、お風呂までテキパキ動いて、あっという間に俺の狭い部屋が別空間に変わってしまう。さすがに風呂に入っていたらお背中を流しましょうとタオル一枚で入ってこられた時には、慌てて飛び出してしまったが…。


という具合で昨晩は早々に寝たのだが、今はまたもや、俺に部屋に無断乱入してきた美鳴が、寝ている俺に馬乗りになって胸ぐらを掴んでいる。


(そう言えば、また鍵を壊されるのが嫌で、コイツに部屋の合鍵渡していたっけ)


「大介!これはどういうこと!」


俺はいい気持ちで寝ていたところを胸ぐら掴まれているので、何が何だか分からない。美鳴の奴がまたまた短いスカートにもかかわらず、マウント姿勢なのでチラリとパンツが見える。朝からラッキーなものを拝ませてもらう。


(今日はピンクのフリルか…)


俺はゆっくりと左横に首を傾けると、あろうことか、そこにはスヤスヤ眠る美少女が…。


「うああああっ!」


思わず叫ぶ俺。


「大介、私がちょっと目を離したすきに、他の女を連れ込んで!あなた、そんなに軽い男だったかしら?美鳴は、幻滅です!」


「いや、これは何かの間違いで…」


確か昨晩寝るとき、俺のベッドに瑠璃千代を寝かして、俺はその下で寝ることにしたのだが、瑠璃千代の奴、寝相が悪いのか、それともワザと俺の隣に来たのか、掛け布団と共に俺にぴとっとくっついて寝ているではないか。知らないうちにやっちゃったのか?と自問してみたが、そういう記憶は一切ない。ということは、美鳴の奴に弁解しないと誤解される。


(別にコイツに誤解されるのはいいが、愛しの吉乃ちゃんに吹き込まれたらヤバイ)


「美鳴、誤解だ!この娘は一昨日の甲斐姫で…」

「甲斐姫?敵じゃない?大介は敵と寝たの?」


「寝てないって!おい、瑠璃千代、起きて説明してくれ!」


俺は瑠璃千代を起こす。瑠璃千代は、白い和服の寝巻き姿で起き上がった。


「はふう~おはようございます。旦那様。瑠璃千代は何だか昨日の疲れが取れません。腰が痛いです」

そう言って、トントンと腰を叩く。


(そりゃあ、堅い床で寝れば痛いわ!でも、そのセリフは誤解を呼ぶぞ)


美鳴が(じと~)という目で俺を見ている。完全に疑っている。とにかく、俺は必死で説明した。どうして美鳴の奴に必死にならなければならないか、後で考えると不思議だが、とにかく必死に説明した。


「なるほどねえ。まあ、動機はともかく、天下に聞こえる勇猛な九州兵が手に入るなら、わたしには損はないわ。大介、いや、左近、でかしたわ…カッカッカカ…」


両腕を腰に当てて高笑いする美鳴。こういうところはお嬢様らしくない。だが、


「でも、その娘が大介の嫁になると言って同棲するのは許せないわ!べ、別にこれは主君として言ってるだけで、わたし個人は大介がどんな女の子と、つ、付き合おうとかまわないけれど…。こ、これはホントだからね!」


何だか美鳴の顔が赤くなる。(どうして赤くなる美鳴?)俺は寝巻き姿の瑠璃千代を見て、


「でも、この子、家から出てしまってるし、家族の了承もあると言ってるし…」


というと、瑠璃千代も自分の存在をアピールするかのように、


「そうです。わたくしと左近様は親も認める仲なのです!」


と断言する。


(いや、少なくとも俺の親は知らないし…)


修羅場に石田美鳴、見参!

でも、言動を見る限り、この娘、無自覚で主人公のことが・・・。

いや、ただのカン違いかも?

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