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第2次関ヶ原の決戦~愛が勝つに決まってます~(四)

ついに清正との戦いに決着が!大激戦です!

「織田麻里さん!私に(三法師の守り)を発動させて!」


 瑠璃千代は身構えてそう後方の織田麻里に叫ぶ。(三法師の守り)とは、織田麻里が動かすキャラ(岐阜中納言織田秀信)の固有の特殊能力で一度だけ、特殊な防護壁で敵からの攻撃を受けることができるのだ。一合戦に一度だけ、しかも一度の攻撃だけにしか効かない、使いどころの難しい技なのだ。


(だが、使うのはここしかない。この瞬間だけ耐えられれば!)


そして自分は特殊能力発動のための呪文を唱える。立花宗茂の特殊能力、(道雪の閃き)である。


「猛虎退散!おりゃあああああああああああああああああああああっ…」


清正の攻撃が衝撃波となって瑠璃千代たちに襲いかかる。


「三法師の守り!」


 織田麻里が両手を突き出し、特殊能力が発動される。丹羽長秀の巨大な亡霊が現れて手を広げる。だが、衝撃波はその亡霊を四散させる。次に柴田勝家の亡霊が立ちふさがるが、それも突破される。最後は羽柴秀吉が立ちふさがる。衝撃波を受け止める。グググ…と押される。


「ぐおおおおおおっつ…」

「耐えて!羽柴秀吉!」

「無駄無駄無駄…」


 清正の雄叫びと共に、羽柴秀吉の亡霊が吹き飛んだ。瑠璃千代は手をクロスさせて衝撃波に耐える。鎧が引きちぎれ、肌着も敗れて露わな姿になってヒットポイントも1を残すのみで、画面が真っ赤になった。


「さすがは、特殊能力(三法師の守り)一撃であの世行きのはずが、生き残ったか!」


 清正は槍を立てて、そう勝ち誇った。一撃では決まらなかったがこの戦いは完全に自分が勝ったと思ったのだ。


「ふふふ。ここまでは計算のうちよ!この瞬間を待っていたわ!」


 清正の渾身の攻撃を受けるのだ。計算はしていたとはいえ、例え、織田麻里の特殊能力があったとしても、自分のヒットポイントが1ポイント残ったのは大きな賭けであった。


「何?」


 清正が真顔になった。この女が負け惜しみを言う女ではないことを理解していたのだ。


「受けよ!立花瑠璃千代の奥義!道雪の閃き!」


 雷のごとく瞬間移動し、雷を帯びた槍で清正を突き刺す!凄まじい雷撃で清正を攻撃する。


清正はとっさに持った槍の柄で瑠璃千代の矛先を受けたが、柄は砕け散り、自分の鎧にそれが到達する。鎧に触れると一瞬、弾き返すと見せたがヒビが入り、鎧が砕け散った。


だが、清正は突き刺さった槍の柄を両手でわし掴み、その攻撃を止めた。


「なるほど!立花道雪が娘、立花誾千代の奥義、しかと見た」

「ば、馬鹿な!私の奥義を受けて耐える者なんか!」


「ここにいる!」


 清正は瑠璃千代の槍を抜き取ると右足で瑠璃千代を蹴り飛ばす。


「きゃあああ」


 瑠璃千代は転がる。服装のところどころが破れて色っぽい姿である。この姿に思わず、清正は気が緩んだ。折れた槍の代わりに刀を抜くとその先で瑠璃千代の豊かな胸をツンツンと突っつく。


「このまま、ここで殺すのは惜しい女だが、油断をすると首をかかれかねんからな!」

「ふん、残念ね。こんな姿、旦那様以外には見せたことないのに!冥土の土産に目に焼き付けておきなさい!」


「なんだと!」

「今よ!長谷家部さん!」


 瑠璃千代が叫んだ!清正がはっと我に返る。いつの間には長宗我部勢が突撃しており、その中から馬に乗った武者が突撃してくるのが見えた。


「長宗我部盛親見参!見ていてよ!英美里ちゃん!おりゃああ!奥義、南海の怒り!」


長宗我部盛親…長谷壁守人の槍が金色の輝きを放ち、バックに黒潮の潮流から巨体を現した鯨が演出される。槍が加藤清正の分厚い胸板を貫こうとする。


「馬鹿な!」


 清正も絶体絶命と悟った。瑠璃千代の奥義で防具は全て吹き飛んでおり、また、すばやくかわす力も残っていない。


「うおおおおおっ!僕はここで英雄に…な、な、なる?あれ?」


その時だ!長谷家部の馬が石につまずいて、思わず槍の穂先がブレた。清正が突き刺さる槍の先の根元を拳で殴りつけ、それを逸した!


「あああああん!長谷壁さんのバカ~!」


 瑠璃千代は思わず天を仰いだ!この瞬間を逃してはもはや清正は倒せない。


(この男、最後まで役に立たないじゃない!)


 だが、天は瑠璃千代を、いや、長谷家部くんを見捨てていなかった。彼にはこの数日間で見事にゲットした彼女がいたからである。


「守人さん、まだよ!3秒前巻き戻し!」


 後方にいた長束英美里ちゃんが、そろばんを取り出し珠を弾く!計算で出した答えから、もう一度元に戻す動作をする。長束正家の固有の奥義、「計算のやり直し」が発動する。


これは計算のやり直しをすることで3秒前に時間を巻き戻すのだ!(1日1回しか使えない)馬が石につまずく前に戻る!長谷家部くんは、馬がつまずくのをみこし、馬から清正めがけて飛びかかる!槍は

一直線に加藤清正の無防備な体へ!


「ぐおおおおおおっ!馬鹿な!この清正が!こんな男に!」


体を貫かれて絶命した。キャラロストだ。


「やった!やった!英美里ちゃん!長宗我部盛親こと、長谷家部守人!東軍、加藤清正を討ち取ったり~」

「やったわね!守人さん!」

「英美里ちゃん、約束だからね、来週の日曜は僕とデート…」


「長谷家部さん!」


 瑠璃千代が浮かれる長谷家部を怒鳴りつける。


「まだ戦いは終わっていません!英美里ちゃんとデレデレする前にこの方面の東軍を殲滅すること!」

「りょ、了解」


 瑠璃千代は(ふーっ)と息を吐いた。結果オーライとはいえ危なかった。だが、状況は好転した。加藤清正を撃破したことは、西軍に勝利を引き寄せることにつながることは間違いない。


「私は本隊の救援に向かいます!長谷家部さんと織田さんは、浮竹さんと共にこの方面の東軍をお願いします」


 立花瑠璃千代は最終局面を迎える関ヶ原中央へ移動する。この方面は3人に任せておけば大丈夫だ。特に長谷家部率いる長宗我部勢は戦いが決まったあとでの追撃戦には定評がある。


(あまり、嬉しくない定評だが…)


ついに美味しいところ?を持っていった長谷家部くん。この戦い、まるでパチンコの大当たりが決まる演出のイメージ!

(清正の強攻撃から始まり、三法師の守りから瑠璃千代の反撃、外し、発展、長谷家部くんの乱入、まさかの外し、英美里ちゃんの救援で復活大当たり、777みたいな展開)パチンコファンなら、想像してみてください!

なんちゃって・・・。

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