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わたしの旗の下に集まらないといけないんだからね!(六)

この物語、ヒロイン美鳴の味方もいますが、敵もいます。このお嬢さん、敵が多そうですから・・・。はっきりした性格だと無用のトラブルをひきつけます。

「美鳴がどうしたって?」


 大手ハンバーガーショップのカウンターでだらしなく足を広げて、その女子高生は声をかけてきた若い男に怒り口調で聞き返した。金のネックレスにTシャツ、ジーパンの軽装にサングラスといつものナンパ野郎とは思ったが、腕に巻かれた高級腕時計を見て、ちょいと話を聞いてやろうと思ったのだが、どうやら目論見が違ったようだった。


「いや、あなた福島帆稀ふくしまほまれさんでしょ」


(こいつ…キモ。顔はイケてるのにストーカーか?)


 福島帆稀はかんでいたガムをくちゃくちゃし、プーっとふくらませながら、この男をつま先から頭のてっぺんまで見る。帆稀は、アナスタシア高等部の2年生だが、お嬢様学校の清楚な制服も彼女にかかれば、あっという間にお下品な卑猥さを増す装備に変わり果てていた。


スカートはパンツが今にも見えそうな超ミニで、生足。胸元もはだけて胸の谷間を見せつけている。髪は金髪に染めていて、髪も盛っていた。校則が自由なアナスタシア高等部は、お嬢様が多いこともあってここまで、派手な生徒はいなかったのだが、それを逆手にとって帆稀は、ド派手にしていた。


 最初は少々、浮いていたが、今は仲間も増えて気ままに高校生活を送っている。親は何件かのパチンコ店やカラオケ店を経営しており、金には不自由なかったが、帆稀は親からもらう金よりも自分で稼ぐことに生きがいを感じていた。援交で体を売るところまではいかないが、ちょっとカラオケの個室で○○○を手で触ってやったり、自分のパン○を売ったりと、男から1万円、2万円…と上手に巻き上げていたのだ。


 今日も上客っと思って誘いに乗ってやったのに、相手は自分の名前を知っているというキモイ展開であった。


「お金の話でないなら、用はないわ!あっちへ行け!た~こ」


若い男は仕事でないなら、こんな下品な女子高生とは関わりにはなりたくないと思ったが、今は与えられた任務に集中することにした。店から出ようとする帆稀に、


「その美鳴に復讐したと思いませんか?」


派手な女子高生は歩みを止めた。


「今、なんてった?」

「だから、石田美鳴を困らせたくはないですか?と言ったのです」


「お兄さん、それを早くいってよねえ。あの高慢な上品ぶってる女を貶めることができるなら、あたい、何でもするよ。どうするの?最後まではだめだけど、あなたなら、FかPだったらOKだよ」


男は首を左右に振った。よく見れば帆稀はそれなりに綺麗な顔をしているが、このタイプは嫌いであった。


「いえ、報酬はいりません。まずは会っていただきたい方がありますので」


そういうと、男は名刺を取り出した。


SLK探偵社 本田アギト…と書かれてあった。


「探偵さん?きゃ、しぶい~」


帆稀は探偵という職業の20代後半に見える青年を見て、ちょっとはしゃいだ。蓮っ葉な態度をとっていてもまだ、17歳の子供なのだ。


アギトと名乗る探偵は、携帯を取り出すと何やら電話をする。するとすぐさま、黒の高級なセダンがやってきた。そのドアを開けてアギトは帆稀を後ろ座席に案内した。家が金持ちだけに堂々と乗り込み、足を組んだ帆稀であったが、アギトが一緒に乗らないので、不審に思った。


「探偵さんは乗らないの~」

「私はもう一人会う人がいますので…」


「ふ~ん。そいつも美鳴の敵ってわけだ」

(この娘、バカだと思ったがカンは鋭いみたいだな)


アギトはそう思ったが、この娘を入れた3人のアナスタシアの生徒を本日、主人である東宮院に引き合わせるのが任務であった。


(石田美鳴…という女の子も気の毒に)


アギトは帆稀よりも百倍も好みな容姿の美鳴のことが気の毒に思えたが、彼女も性格の悪さで敵を作っていることは調査で分かっていた。そういう敵をこちらの陣営に引き込む雇い主の作戦にそこまでしなくても…とは思ったが、たかがゲームでも徹底して活用に手を打つ雇い主の姿勢には感嘆するしかない。


さすがは、ビジネスで成功した人間は違う。アギトは雇い主のプロフィールを頭に浮かべた。


本多アギト・・・少ない男キャラの中でも渋い味を出してもらいます。コイツには

いろいろと影で動いてもらいます。風魔忍者みたいにですね!

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