西軍が集結するまで岐阜城は死守するわ!(弐)
会津攻めに向かう東軍はわざとゆっくり江戸を出て、野洲小山(今の栃木県小山市)に陣を構えている時に、三成挙兵の報を聞き、東軍参加の豊臣恩顧の大名を一気に自分の私兵にすることになります。
東宮院は、美鳴ちゃんの挙兵にどう対処するでしょうか?
東宮院は徳川家康として、5万5千の大軍を指揮して会津征伐に向かっている。彼としては、これはあくまでもシナリオ上の形式の進行であり、大阪で西軍が決起したら、一気に軍を返して、これを撃つという基本戦略をもっていた。これは、史実と同じであり、東軍の必勝パターンであった。
「会津の守りは固いな。これでは、攻め滅ぼすのに1年以上はかかる」
「是清様、先鋒はあたい、福島帆稀に任せて」
福島帆稀(福島正則)が、軍議の席で叫ぶ。相手はあの憎い、石田美鳴の一派だ。例え、ゲームでもギったギタにしてやらないと気が収まらない。愛する東宮院のために帆希は、先頭に立って戦うつもりであった。
(相変わらず、この女はバカだ)
この女を会津攻めの先鋒にしたら、それこそ泥沼の戦いに突入してしまう。考えもなしに攻めまくり、相手の作戦にまんまとはまることは間違いないであろう。
是清は内心早くこの女(帆稀)とは手を切りたいと思っていたが、まだ、この帆希は利用価値があるので気分を害さないように配慮しなければならなかった。
「先鋒は僕が行う。会津の守りは固い。君たちのような可愛い子達を失いたくないからな」
そう是清は、自分が東軍に加えた諸将の女の子たちを見回す。東軍主力となる、黒田メイサ、細川ルシア珠希、福島帆稀、藤堂魅兎蘭とその仲間たちである。あと、ネットで公募した者数人と、東宮院ファンドの社員もいる。
(だが、そろそろだよな…)
東宮院は待っていた。
西軍が旗揚げをするのを…。
西で挙兵すれば、軍を返してこれを撃つ。
このゲームの勝利条件は、西軍首謀者である石田美鳴を倒せば、ほぼ達成である。
会津攻めなど、彼の予定にはない。
ピロリン…ピロリン…
着信音が鳴った。
石田三成(美鳴)が、毛利輝元(元輝社長)を旗頭に
大阪で挙兵。
伏見城を陥落させました。
西軍の総数およそ8万
「ふふふ…始まったな。ここからスタートだ」
みんなが是清を見つめる。
「会津攻めは一旦中止する。ここに守りの人数をおき、各人は急ぎ、美濃へ向かえ。帆稀、お前に先鋒を任せる。存分に働け!」
「はい!是清様」
まずは、彼女を中心とした部隊4万を美濃に派遣し、西軍の勢いを止める必要があった。自分は江戸で戦力を整えた後に東進する。その数、およそ7万。会津の抑えに2万ほど残すので、これが遠征軍として自分が出せる兵力であった。圧倒的である。
(いざとなれば、自分の一手だけでも戦えるが…)
是清の悩みは、自分の軍勢をすべて自分が動かせないところにあった。他に真似できない自分の技でも動かせるのは3軍までで、東軍の3万ってところであった。残りは自分の指示に忠実に動く社員を活用するしかない。公募で集めたり、スカウトして集めた外様大名は、いざという時には信用がおけないこともあった。
帆稀の操る、福島正則を中心とする東軍4万が美濃に向かう。
東軍四万が急進します。美鳴ちゃんとの決戦が始まる?




