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わたしと約束(プロミス)してね!

前半は伏見城落城の後日談。後半は、美鳴ちゃんのプロポーズ?そんなわけないか?

実は落城後、私(長束英美里)は大将の浮竹さんからひどく叱責される。


「長束さん!勝手に敵将の降伏を許すとは何ですか!」

「だって、降伏したいって言うから…」


「あいつら、特に彦右衛門の方は大将なの。責任があるの!そういう場合は、捕らえて、身の振り方を総大将である私に聞くべきよ!」

「だって、そんなこと知らないだもん…」


「あいつらは金で雇われた奴らよ。今後の見せしめにキャラロストさせなきゃ、丸儲けじゃないの!バカね」


浮竹さんにバカと言われて、私はちょっと腹が立つ。


「戦国ばとる2」のシステムで、敗将の運命は次の通りである。


討ち死に・・・ゲーム中に戦死する。

逃亡・・・ゲーム中に逃げおおせる。

降伏・・・敵に次の選択権 切腹もしくは、処刑

             無罪放免(条件を付ける場合が多い)


 降伏の場合、通常は選択権を行使し、無罪放免でも身代金なり、島流しなり、何らかのペナルティを課すのが普通だ。味方にスカウトするなどのメリットがなければ、条件なし無罪放免はありえないといっていい。しかも、一度、それが選択されると、降伏プレーヤーはさっさとログアウトし、二度と捕まえられない。


 あの2人は、英美里ちゃんが素人と見破り、降伏後、無罪放免を選択させたのだ。



「まあまあ、浮竹さん、英美里ちゃん、知らなかったんだし」


そう長谷家部さんが、私のことをかばってくれる。この人、戦いでは役に立たなかったのに、いいこと言うじゃない。おかげで、冷たい目で彼を見る気持ちが少しだけ和らいだ。

「もう、そんなこと言うなら、長宗我部さん、その子の面倒を今後も見ること!」

浮竹さんが、そう会を締めくくった。


まあ、俺的には浮竹さんが最初に言った、「見せしめ」効果ができなかったことは痛いのだが、ここで西軍の結束を乱してはいけないことも重要であった。戦後のこの会には俺は出席していない。長谷家部の奴に喝を入れたあと、美鳴と美濃に戻っていたのだ。


伏見城落城のあと、西軍諸将は伊勢路に、近江路に、畿内周辺に鎮圧に移動することになっていた。これは当初の作戦通りである。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 俺は美鳴と二人で馬を走らせ、美濃の国の関ヶ原を通過していた。ここで、東西合わせて20万の軍勢が雌雄を決するはずである。

        

 美鳴は突然、馬の移動を止めた。馬がいななき、関ヶ原の荒野に響く。ひらりと美鳴は馬を降りる。俺も馬から降りた。


月明かりに照らされた美鳴の顔がゆっくり俺の方を向く。


「島左近、いや、島大介!」

「な、なんだ?あらたまって?」


「い、いいから、返事をしなさい!場の空気を読みなさいよ!」

(なんの空気だ?)


そう思ったが、素直に返事をする。


「はっ!姫、石田治部少輔美鳴いしだじぶしょうゆうみなりさま」

「あなたは、わたしを守り、この関ヶ原で勝利をわたしにくださいますか?」


 美鳴がそう言って、右手を差し出した。

月明かりに浮かんだ美鳴は、少々やつれた感じであったが、それがさらに彼女の端正な姿を雅なものにしていた。俺はひざまずき、その手を取った。


「はい。誓って勝利をあなたに捧げます。マイ、ハイネス」


そう言い彼女の手の甲にキスをした。


物語はいよいよ、関ヶ原の決戦へと続く。


石田美鳴ちゃんの旗の下に集まった主人公。そして、ヒロインと主人公を取り巻く人物たちの運命は・・・。(第一部 完・・・笑)


と言っても、お話は続きますが。



第一部完・・・なんて、ここで終わってどうする?ですから、終わりません。ここからが本番です。ふう~ものすごい長編になりそうです。「まお嫁」級かな?

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