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追放商人の探し物  作者: モパ
混沌の樹海
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契約(後編)

「つまり、元の世界に戻る為には、

姉さんに、あんたの所持者になって貰い、

他の欠片を全部、見つけないといけない。って事かい?」


ゼロヒトは賢き者のようじゃのう。



じゃが……必ずしも、そうとも言えぬ。


主達以外の者に、妾以外の欠片が助力を求めており、その者達が、この世界を開こうと考え、

その者が妾を含めた、全ての欠片を見つけれたとすれば、


主達が、望めば、元の世界に戻れるやも知れぬ。



じゃが……事が、事じゃからのう……


管理人の権限を取り戻した妾と相方が取りなしたとしても、

大事おおごとにしたくない管理者どもが、

この世界を開く手伝いをしなかった者までを、元の世界へ戻す事は認めぬやも知れぬ。



とはいえ……

先刻も申したが、妾や相方の欠片を集める事を良しとせぬ者達がるのも事実。


運が悪ければ、妾や相方の欠片を集めきる前に、その不届き者達に捕縛され、

志半ばに嬲り殺しにされてしまう可能性も否定する事は出来ぬがな。」


幼女が、淡々とした口調で、彼女と相方さんの欠片を探すメリットとデメリットを説明してくれる。


「貴女の所有者になった後、所有者である事を辞める事は可能ですか?


また、後に所有者を辞めた場合、何らかのペナルティは発生しますか?」


僕は、幼女に質問をする。



嫁の性格上、幼女からの提案を受けかねない。


その場合の懸念材料は1つでも潰しておきたいところだ。


本来ならば、念書の1つでも書かしておきたいところだが、

幼女の言葉から察するに、流石に、それは難しい気がした。



◇◇◇



「妾の所有者になった後、その所有権を放棄する事は可能じゃ。


勿論、妾の所有権を破棄したとして、何らかのペナルティを負わせる事はない。


強いて言えば、妾の所有者になった事で得られる半球睡眠の能力を失うのと、

念力等、妾の所有者となった事で使えるようになった術式を1から覚え直すのと、


神仏の代理人以上の権限を持つ者が立ち入りを禁ずる術式や、それに準ずる異能を付与された場所へはワーム ホールを繋ぐ事が出来なくなる。


妾の所有者でなくなった事で失う物は、今、思いつくのは、これぐらいじゃな。



妾の名は、アマトティの欠片の1つ。

欠片とはいえアマトティの名を持つ者じゃ。


アマトティの名において、この言葉を違えぬ事を約束しよう。



勿論、この事は、

妾が相方である、プスアーの欠片達にも守らせる。


この事も、アマトティの名にかけて約束しよう。」


僕の質問にアマトティの欠片の1つと名乗る幼女が真剣な顔で答えてくれる。



アマトティの名。というのが、どのぐらい信頼に値するのかは不明だが……


彼女の誠意だけは伝わってきた気がした。



「ゼロヒト君。

アマトティちゃんの言葉に嘘は無い?」


「無いよ。


だけど、姉さん……流石に【ちゃん付け】はマズい気がするぞ。


それに……彼女はアマトティ様ではなく、アマトティ様の欠片様じゃないのか?」


ゼロヒト君は、嫁の質問に答えた後、苦笑いしながらツッコミを入れる。



「妾は欠片。

故に、アマトティ様と仰々しく呼ばれる程の存在ではない。


それに、サモナブは妾の所有者。


ならば、サモナブの妾への呼び名が、アマトティちゃんでも問題無かろう。」


アマトティと名乗る幼女が大笑いしながら話す。



やっぱり、嫁は……

所有者とかいうのになってしまったらしい。



「そう言う訳だから、パパ。

途中でアマトティちゃんを投げ出さなくなるような事が無いように、色々と頼むわね。



ゼロヒト君。ヨロズコちゃん。コブ。ドタ。


危険な事は分かってるけど……

わたしは元の世界に帰りたい。


それに……アマトティちゃんと、プスアーって人の欠片を集めて、この世界を開く事を、ニンムシュとかいうバカ女は嫌がってるんでしょう?

だから、あいつに一泡吹かせたいのも、アマトティちゃんの所有者になった理由かな。



とはいえ……

先刻、会ったばかりの人に命懸けの戦いを一緒にしよう。なんて言えない。


だから、もし、わたしがアマトティちゃんの所有者になったのが気に食わないのならば……


短い間だったけど、一緒に居てくれて有難う。って言葉を送るよ。」


嫁が淡々とした口調で話す。



◇◇◇



「姉さんやクルサルさんとの共闘は続行や。


ウチかて元の世界に帰りたい。

その為には、この世界が開いた世界にならんといけんのやろ?


しかも、この世界を開かれるんを、ニンムシュが嫌がってはるんやろ?


せやったら……

意地でも、この世界を開いた世界にしたるしかないやろ。」


ヨロズコちゃんが、笑みを浮かべながら話す。



「あの糞女ニンムシュが、俺達に吐いた捨て台詞を聞く限り、大人しくしたからといって、何もして来ない保障もなさそうだしな。


その時を怯えてコソコソと逃げ回るよりかは、まだ、まっしだな。


コブ。ドタ。俺達も、この話に乗るぞ。」


「了解。」×2


覚悟を決めた感じで話すゼロヒト君の言葉に、コブとドタは軽い感じの返事を返す。



コブとドタが、状況をどこまで理解しているのかは不明だが……


取りあえず、ゼロヒト君達も、僕達との共闘を続けてくれるらしい。



◇◇◇



「盛り上がってるところ悪いんだけど……


僕的には、【虹を産んだ者達】や神仏の代理人。僕達の世界から召喚されて権力者にのし上がった人達に気がつかれる事なく、アマトティちゃんと、相方さんの欠片をコンプリートするのがベストだと思ってる。


だから、その……

空回る程の気合いを入れるのは止めた方が良いと思う。」


「パパの言ってる事に間違いはない。

間違いはないんだけど……そう言う事を言うのは、明日の朝とかで良くないかな?」


「せやせや。

姉さんの言わはる通りや。」


嫁とヨロズコちゃんが、ジト目で抗議してくる。



良くない雰囲気になってきたので、早めに釘を差しただけなのだが……


どうやら、場の空気を読み違えたらしい。



「はぁ……

このチームの頭脳を担当するべき俺も……

熱くなり過ぎてたみたいだな。面目ない。」


そんな2人とは対照的に、何故か、ゼロヒト君は反省モードに入ってしまった。



「ククク。

やはり面白き奴等じゃのう。


契約も結ばれた事じゃし、妾も結界の中に入れておくれ。


サモナブが妾の所有者になってくれたお陰で、妾は久しぶりに肉体を得られた。


じゃから、腹が減って堪らんのじゃ。

ついでに飯も分けて欲しいのう。」


アマトティちゃんが、泣きそうな顔でお願いをしてくる。



「アマトティ様が入れるように結界を弄ったわ。」


「結界を無視して、そのまま進んでくれたら良いぞ。」


コブとドタが、ドヤ顔で話す。


「うむ。ご苦労。

感謝するぞ。」


アマトティちゃんは、そう言うと、小箱を抱えて、コブとドタが張ってくれている結界の中に入って来た。



■■■



「旨かったぞ。感謝する。」


アマトティちゃんが満面の笑みを浮かべながら頭を下げてきた。


「どういたしまして。」


嫁が満面の笑みを浮かべながら返答を返す。


「その小箱、大事な物なのでしょ?

預かっとこうか?」


「それは有難い。


サモナブが妾の所持者になってくれた事で、この小箱は服等といった妾の僅かな私物が入った入れ物に成り下がったのじゃが……


妾という中身が入ってない、この箱を放置しておけば、妾の所持者が()る事を知らしめる事になってしまうからのう。


この小箱に入ってる妾の私物に袋がなかったので、どうやって運ぼうか難儀していたところだったのじゃ。」


アマトティちゃんは、ホッとした顔をしなかがは、小箱を嫁に手渡す。


「任された。」


小箱を受け取った嫁が、受け取った小箱をショルダーバッグの中に入れた。



「何時の間にか幽霊達も居なくなったし、

もう時間も遅いから、姉さんと兄さんは明日に備えて寝た方が良いんじゃないかい?」


「そうさせて貰うよ。

有り難う。」


「有り難う。

夜の番、宜しくお願いします。」


僕と嫁は、ゼロヒト君にお礼を言い、

とりあえず、眠りにつく事にした。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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