【サイドストーリー】捜索する者達(後編)
「あのさぁ……
ナルーちゃんとシャパタワ君とオトシオ君以外へのクレームが毎日、毎日、毎日、毎日、来てるんっすけど……
皆さんには改善の意思はあるんっすかねぇ……」
アフアジがイラついた顔をしながら話す。
ムルオは、今回、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、アマトティ様の欠片の1つを捜索する為に、
ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達と一緒に召喚され、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達の中の1人を良く知っているという、
【納勤乙女団】のコレとクショとナルーと、【疾風の黒狼団】の5人を眷族として迎え入れたのだが……
【納勤乙女団】のコレとクショは他者に対して命令口調で詰問をし、質問や反論をされると意味不明な事を言いながら罵倒を行い、
シャパタワとオトシオを除いた【疾風の黒狼団】の3人は、異性と金にだらしがなさすぎる上、
謝罪や支払いを求められると逆ギレして暴力で解決しようとするらしく、
関係各所からのクレームが鳴り止まないらしいのだ。
◇◇◇
「アタシ達の主様である【虹を産んだ者達】のムルオ様は、この世界における頂点のお1人と言っても過言ではありません。
即ち、それは、ムルオ様、直々の家来であるアタシは、この世界の皇族や王族に等しい存在です。
それなのに、頭の悪い連中と来たら、命令口調で詰問をし、質問や反論をされると意味不明な事を言いながら罵倒を行うとか意味不明な事を言い、アフアジ様を困らせられるとか、有り得ない事です。
本当に害悪なのは、アタシとコレではござまいせん。
アフアジ様に、アタシとコレの態度についてクレームを入れられておられる、この世界の頭が悪すぎて格の違いも分からない皇族や王公貴族達どものほうでございます。」
クショが不機嫌な顔でアフアジに抗議する。
「俺達【疾風の黒狼団】は、基本、5人一組で行動しているっす。
なのに、何故、シャパタワとオトシオにはクレームが来てないなんとか言うんっすかね?
てか……俺とフラスタとニュジンだけが改善するべき事があると言われても……正直、訳が分からんっすよ。」
「サマオレの言う通りっすよ。」
クショとアフアジの言葉を聞いた、ニュジンとサマオレも不機嫌な顔で抗議を始める。
「それは、アタシ達も同じです。
ナルーも、アタシやコレと同じような言動を取っていますのに……何故、アタシとコレだけにクレームが来ていると仰有られているのか理解に苦しみます。」
ニュジンとサマオレのアフアジへの抗議を聞いたクショが憤りを隠さずにアフアジに文句を言い始めた。
「コレ。ツクチャク。お前達も同じ意見か?」
ムルオがイラッとした顔をしながら、何も言わないコレとツクチャクに意見を求めた。
◇◇◇
「俺っちもサマオレ君やニュジンと同じ意見っす。
何故、シャパタワとオトシオが依怙贔屓されてるのか理解不能っす。」
「え~と……
ナルーを見習ってクレームが来ないように頑張ります。」
アフアジの微妙な顔を見る限りでは、ツクチャクと違って、従順な返答を返したコリは、ムルオの顔色を伺って、彼に気に入られそうな返答を答えただけのようだ。
「そっか。そっか。
立場を分かってるコリは偉いな。
ただ……頑張ってるだけでは、そう長くは待てないぞ。
だから、早めに結果を出してくれよな。」
「はっ。はい。」
コレは、顔を青くさせながらムルオの言葉に頷く。
◇◇◇
「さてと。
お前達に伝えていたかどうかは忘れちまったが……
俺を含めた【虹を産んだ者達】は色々と厄介な者に嫌われているんだよ。
まっ。この閉ざされた世界で生きている者としてカウントされている間は、特に気にする必要もねぇんだが、そうじゃない場合……
まっ。どうなるかは自分自身で体験しな。
取り敢えず、短い間だったが、ご苦労さん。
2度と会うつもりはねぇが……会う事があれば全力で潰してやるから、そのつもりでな。」
ムルオは冷笑しながら、クショとニュジンとサマオレとツクチャクに最後の別れの言葉を告げる。
「『魂の隷属の解除』×4
『捕獲した魂の解放』×4」
そして、ムルオが彼女達を眷属から外すと……
この星の自我によって拒絶された追放世界で転生を待つ魂達がムルオの眷属では無くなった彼女達を連れ去ろうと現れた。
この世界は閉じた世界ではあるが……
この星の自我が直接支配する追放世界の冥界だけは別なのだ。
「ほ~。
使えねぇ。バカ達を迎えに来た魂の中にキュドンとルギャが居るじゃねぇか。
あいつ達……死んで転生を待ってたんだ。
こりゃあ……めっけもんだ。
『魂の捕獲』×2
『魂の隷属』×2
『その者達の生前に近い器よ現れろ』×2
『魂の注入』×2」
ムルオはニヤリと笑うとキュドンとルギャを自分の眷属に迎え入れた。
「アフアジ。
ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、アマトティ様の欠片の1つを捜索をキュドンとルギャにも手伝わせる。
それにあたって、使えねぇコレには、キュドンとルギャの世話係をやらせる。
問題はあるか?」
「問題が出たら相談するっす。」
ムルオの質問にアフアジがタメ息をつきながら答える。
「キュドン。ルギャ。
あそこ(クルヌギアの冥界)に戻されたくなかったら、俺達の下につけ。」
「おう。」・「分かったわ。」
キュドンとルギャが、不満気な顔をしながらもムルオの指示に頷く。
まぁ……2人の気持ちは分からんでもない。
彼等は、ただ、あそこ(クルヌギアの冥界)に戻されるよりかは、アタシ達の下に付いた方がマッシだと判断しただけなのだろうからね。
「このバカ達が、自分の立場を完璧に理解するまでの間だけでも、アフアジの護衛に専念させて貰うよ。」
「そうしてくれると助かるっす。」
イテヨの申し出を聞いたアフアジが嬉しそうな顔をしている。
「しゃあねぇな。
トラポの事は俺が責任を持って守ってやるとするか。」
ムルオは、そう言うと、アタシの頭をポンポンと軽く叩く。
「まぁ……色々、あったっすけど、
戦力を大幅に上げられた事だし、結果、オーライって感じっすね。」
「そうね。
後は……ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達を処分して、アマトティ様の欠片を封印し直せば、万事解決ね。
このアタシが、あんたが頭脳仕事に専念する事が出来るようにしてあげるんだから、しっかりと結果を出しなさいよ。」
「了解っす。」
イテヨの言葉にアフアジが笑顔で頷く。
◇◇◇
「それは、そうと、アフアジ。
クショとニュジンとサマオレとツクチャクが話していた事は真実なの?」
イテヨが、興味津々な顔で質問をする。
「本人達は嘘をついているつもりは無いと思うっすよ。
実際、ナルーちゃんとシャパタワ君とオトシオ君へのクレームも全く無い。って訳でもないっすからね。
ただ、クショとニュジンとサマオレとツクチャクと違って、
ナルーちゃんを崇拝している王公貴族や、
シャパタワ君とオトシオ君に熱をあげている王公貴族も沢山、居るっす。
だから、彼女達へのクレームも少しは有る事については言わなかった方が【虹を産んだ者達】にとってメリットがあると思ったので、敢えて言わなかっただけっす。」
「俺達が俺の新しい眷属達に望む事は、あくまでもニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、アマトティ様の欠片の1つの捜索だ。
だから、結果を出している者まで、やり方を変える必要性はねぇもんな。
しかも、使えねぇ奴等を処分する過程で、キュドンとルギャを眷族に出来たんだ。
だから、お前さんの判断に文句の1つもねぇよ。」
「うっす。」
ムルオの言葉を聞いたアフアジが安堵の表情を浮かべている。
「キュドンとルギャを戦列に加わられたんだ。
アタシ達の出番がなくニンムシュが異世界から召喚したアサグ達を処分して、アマトティ様の欠片の1つの捕獲までは終わらせて貰える事を期待するわ。」
「そうだな。
だが……アマトティ様の欠片を封印は、アフアジとトラポの異能が必要だ。
先刻も言ったが、トラポは俺が、きっちりと守るから、
イテヨ。アフアジの事を頼むぞ。」
「あいよ。」
ムルオの指示にトラポが笑顔で頷く。
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