【サイドストーリー】捜索する者達(中編)
「【納勤学園2ーAと愉快な仲間達による広域便利商会】のクピーチです。
配給は足りてますか?
行方不明者は出てませんか?
困った事はありませんか?
その他、西都の領主様達に共有が必要な、お話はございませんか?」
クピーチが笑顔を振りまきながら、ミンボン山脈の樹海から避難してきたニンスキ村の村長と、ギルドのニンスキ村営業所のギルドマスターに話しかける。
「我々は、明日の朝、フトバル公爵領のアウナガ村の周辺の草原に移動します。
そこで、避難解除命令が解かれるまでの間、フトバル公爵様からご援助を受けながら、慎ましく過ごす予定でございます。
クピーチさん。
何時も我々に良くして頂いて有難うございました。
今は、何の恩も返せませんが、我々の生活が落ち着いた後、貴女に困った事があれば、出来る限りの事はさせて頂きますので、何かあれば頼って下さいね。」
ニンスキ村の村長さんが和やかな顔でクピーチに話しかける。
「そうですか。
それは良かったですね。
ニンスキ村の方、全員で移動されるのですか?
それとも……何人かは、ここに残られる、おつもりですか?」
「ここに居る者、全員で移動します。
それと……ここに居る者以外の村人達が居ますが、
彼女達は、一足先にギルドやキトナガエ帝国政府からの移動許可を得て、既にフトバル公爵様の領土に入っているとの連絡をギルドのフトバル公爵領営業所の職員様から頂いております。」
ニンスキ村の村長さんが、少しだけ罰が悪そうな顔で話してくれる。
【トン・トン・トン】
俺はクピーチの背中を3回ほど軽く叩く。
これは……質問者を代われ。と言う合図だ。
俺は、この世界に来て【忍】のジョブ補正を受けた事で、一度でも見聞きした事は直ぐに思い出せるぐらいのチートな記憶力を手に入れた。
そして、頭の中に入れてた事前情報から、ニンスキ村の村長が話が、
ギルドのミンボン山脈支店がニンスキ村で運営している特別保護院の人達と、その関係者の人達の事だろうと推測した。
でっ。俺の考えが正しいならば、きっと……
ニンスキ村の村長は、この話を深掘りされたくない筈だ。
とはいえ、一応、確認は必要だ。
そんでもって、この役目の適任者はクピーチではなく、この俺だな。
「貴方が、一足先にギルドやキトナガエ帝国政府からの移動許可を得て、既にフトバル公爵様の領土に入っているとの連絡をギルドのフトバル公爵領営業所の職員から頂いた方々とは、
ギルドのミンボン山脈支店がニンスキ村で運営している特別保護院の方々と、その関係者の方々の事で、お間違えはありませんか?」
「えぇ。間違いありません。」
ニンスキ村の村長さんが、罰が悪そうな顔をしながら返答を返してくれる。
ただ、これは……あくまでも俺の直感だが、嘘はついていないようだ。
「そうですか。
ご協力、感謝します。
皆様の旅の安全を心より祈ってます。」
「これは、これは、ご丁寧に有り難うございます。」
ニンスキ村の村長さんが、不機嫌な顔をしながら返答を返してくれる。
「では、我々は、これにて失礼します。」
「はい。
何時も有り難うございます。」
ニンスキ村の村長さんは、俺への態度とは打って変わって満面の笑顔でクピーチに返答を返す。
頭では、俺とクピーチの役回りの違いを理解しているとはいえ……
ここまで露骨に態度を変えられるとメンタルが削られるな。
◇◇◇
「クチーパ。ご苦労様。」
「そっちこそ、ご苦労さん。」
「有難う。」
俺とクピーチは、お互いを労いあう。
このやり取りも、日々の日常とかしてきたな。
「こうして、手分けして、あちこち回っても……姫らしき人の情報はまるで掴めないわね。」
「姫や姫と一緒に居るであろう人達の人相書きですら、ギルドやキトナガエ帝国政府が許可した相手からしか回せないんだから仕方がないんじゃね?」
「ネックなのは、そこなのよね……
何故かは知らないけど……
ニンムシュ様は姫達の捜索を秘密裏に行う事にこだわりすぎなのよね……」
「だよな……」
「けど、まぁ……
先刻、ニンスキ村の村長が別行動をしていると話してくれたニンスキ村の村人達の情報は、
姫達の人相書きを見せる事を許可されたミンボン山脈の東の石切り場の砦の人達に見てもらった上で、該当者が居ないという結果だったもんね。
念の為と思い、何度か足を運んで話をしても内容に変化はないし、他の村人達も同じ感じ。
だから、姫が生きてくれていたとしても……
ニンスキ村の村長達と別行動をしているニンスキ村の村人達の中に姫は居ないと思われるわね。」
「そうだな。
ニンムシュ様やサキミ。副担達が、それぞれ別の場所を探してくれている。
そっちに方の成果に期待したいところだな。」
「そうね。」
クチーパが、俺の言葉に強く頷いてくれる。
正直な話、俺は……姫が既に死んでるんじゃないか?って思っている。
それは、クチーパも同じかもしれない。
だが、俺は……その言葉を発するつもりはないし、クチーパも話すつもりはないだろう。
そんでもって、このまま、姫が見つからなければ、何時か、彼女の捜索は打ち切られるだろう。
だけど、それは……俺達が判断する事ではない。
そんでもって、俺達が姫の為にしてやれる事は、捜索が打ち切られる瞬間まで、姫の安否確認をやり続ける事だけだ。
ーーーーーー
「ニンムシュは、
ギルドのアタルトイ支部に所属する密偵や、キトナガエ帝国の暗部や、ニンムシュが、今回、異世界から召喚したアサグ達以外の者達を密偵として雇い入れて、
今回、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、1番等分の高いアマトティ様の欠片を捜索しているらしい。
そんでもって、虹を産んだ者達は、
ニンムシュが、今回、異世界から召喚したアサグ達以外の者達の一部の者達をムルオの眷属に加え、
今回、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、1番等分の高いアマトティ様の欠片を捜索しているらしい。
そうやって、色々と動いてはいるらしいのだが……
今回、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、1番等分の高いアマトティ様の欠片の捜索は難航している。というよりも……当たりすらつけられていないらしい。」
我々【オピオタウロスの荷車】のリーダーであるリクルルが苦笑いしながら話す。
「そりゃ……
召喚されて直ぐにミンボン山脈の樹海の奥に、なんの準備もなく転移させられた上に、いきなりモンスター氾濫に巻き込まれたんだ。
何も出来ないまま死んでいたとしてもおかしくない。
だけど……
1番等分の高いアマトティ様の欠片と、その所有者は生きている。
いったい、どんな手を使って生き残り、
何処で、どんな生活をしているのだろうかねぇ……」
ツキアトが眉間に皺を寄せながら話す。
「リクルル。
【オピオタウロスの荷車】にも知恵を貸せ。って、今回、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達や、1番等分の高いアマトティ様の欠片の捜索の知恵も貸せ。っていう依頼がニンムシュから来てたりするのかい?」
「流石は俺の親友。
良く分かったな。
まぁ……俺達が、この世界に召喚されたての時とは状況が違いすぎるから力になれそうにない。って言って、ヤンワリと断ったよ。
【貨幣の戦士】も俺と同じような断り方を先にしていたらしく、ニンムシュからグチグチと嫌味を言われたよ。」
「はぁ?
意味が分からん。
何様のつもり。」
アタシは、思わず声を上げる。
「落ち着け。ツキアト。
ニンムシュ様とは、そんな奴だよ。」
クイメガがニンムシュを様付けで呼びながら、苦笑いしながら話す。
「ニンムシュは超越点のアサグじゃ。
下手にこちらが、妾よりも等分の高い欠片の居所に当たりをつけられそうな策を思いつけば、感情の色で目敏く気がつくじゃろう。
じゃから……妾よりも等分の高い欠片や、今回、ニンムシュが異世界から召喚したアサグ達が何処で、どんな生活をしてそうかなんて考えるべきじゃないと思うぞ。」
「そうだな。」
リクルルが、我達の姫の言葉に頷く。
評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。
頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。
宜しくお願いします。




