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追放商人の探し物  作者: モパ
混沌の樹海
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【サイドストーリー】捜索する者達(前編)

『ミンボン山脈の樹海の周辺に避難している者の中に、

アマトティ様の欠片の1つだと疑わしい者の情報や、私が直近で追放した異世界(ムシュ イム アン キ)から召喚したアサグらしき者の情報は上がって来てますか?』


「いえ。


何処の治安維持部隊からも、ギルドの支店・支部・営業所・出張所からも情報は上がってきてません。


ただ……表立って調べては貰っていないので漏れはあるかもです。



後、気掛かりなのは、

キトナガエ帝国の西都周辺の避難民が膨れ上がり過ぎているので、その周辺に領地を持つ貴族達に一部の避難民の受け入れを依頼している事ですね。


フトバル公爵等、この件には協力的ではありますが、我々を快く思っていない方々には、この情報を流さずに、彼等の領地に放っている密偵に探させないと面倒臭い事になるかもですからね。


それもあって、もし、彼等がアマトティ様の欠片の1つや、我々が追っているアサグ達を匿わっている場合、見つけ出すのは難しいかもですね。」


『アマトティ様やプスアー様の欠片に関しては、全ての欠片が解放されなければ、我々にとっては気にするような存在では無いです。


ですから、我々に反抗的な者達に匿われているか否かを調べるのは悪手です。


何故なら、下手に追い込み過ぎる事で、

今回、解き放たれたアマトティ様の欠片の1つが、アマトティ様の他の欠片達や、プスアー様の全ての欠片達を解放して、この世界を開こうと死に物狂いになられた方が面倒臭いですからね。


そんな事になるぐらいならば、我々に反抗的な者達の領地の中で大人しく暮らし続けて貰った方がまだマッシですからね。



それよりも、私達が気をつけないといけないのは、


私が直近で追放した異世界(ムシュ イム アン キ)から召喚したアサグ達と、この世界の私に反抗的な者達が手を組む事で、


口煩いアマトティ様やプスアー様を封印し、この世界を閉じた世界にした上で、

管理者や観察者の監視下から離れ、この世界を我々で支配するように提案してきた、異世界クルヌギアからの脱走者の集団の【虹を産んだ者達】や、


アマトティ様やプスアー様を封印する為の戦いで多大なる戦果を上げた異世界(ムシュ イム アン キ)から召喚されたアサグを中心とした傭兵団の【貨幣の戦士】や、


我々がアマトティ様やプスアー様を封印する為に戦っているのを横目に見ながら、我々ですら、おいそれと手が出せない程の富と権力を手に入れた異世界(ムシュ イム アン キ)から召喚されたアサグを中心とした貿易商会の【オピオタウロスの荷車】のように、


我々のコントロール下に置けないような力をつけさせないようにする事も必要でしょうね。



正直な話、アマトティ様の欠片の1つを解放してしまった事よりも、

私の領地の中から、私を脅かすような勢力が出てくる事の方が、頭の痛い問題ですからね。


私の意向、【虹を産んだ者達】にも伝えていて下さいね。』


「委細承知いたしました。」


『宜しく頼みますよ。』


ニンムシュ様の弾んだ声が通信機器から聞こえてくる。



ニンムシュ様は、

アマトティ様の欠片の1つと、ニンムシュ様が直近で追放した異世界(ムシュ イム アン キ)から召喚したアサグ達が手を組んで、ひっそりと、この世界を開こうと暗躍する可能性を、全くと言って良い程、お考えになられていらっしゃらないようだが……


その可能性についても改めて進言するべきだっただろうか。



いや……不要よね。



だって、そんな事をすれば、アマトティ様もプスアー様も、管理者として器を問われ、良くて管理者から神仏の代理人への降格。下手すれば市井に紛れ込んだアサグに成り下がってしまわれる。


それは血反吐を吐くような努力をして手に入れられた権力を溝に捨てられるような事だ。


だから、きっと……そんな事は()さらないだろう。



『そうそう、言い忘れるところでした。


キトナガエ帝国政府は、自国の大きな町の街壁の周辺に住んでいる壁外区の住人の中から、

ミンボン山脈の樹海の中の村々の中で、全滅したり、大幅に人口を減らした村への移住を希望する者達との面談の要望をミンボン連邦政府に出すようです。



もし、この交渉が上手く締結した場合……

アマトティ様の欠片の1つや、私が直近で追放した異世界(ムシュ イム アン キ)から召喚したアサグ達の捜索の手伝いをして頂ける冒険者達を一緒に送り込んで欲しいのです。


ですから、ギルドのアタルトイ支部やキトナガエ帝国政府と水面下で交渉を始めて貰えないかしら。」


「委細承知いたしました。」


『宜しく頼みますよ。』


ニンムシュ様は、そう仰られると、アタシとの通信を切られた。



ーーーーーー



【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】

【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】

【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】


【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】

【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】

【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】


【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】

【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】

【パチ・パチ・パチ】・【パチ・パチ・パチ】



焚き火の爆ぜる音が聞こえる。



『こちら【双頭の叡知】のサキミ。

こちらは、今日も姫を見つけられなかったです。

そっちは、どう?』


「こちらも収穫無し。」


サキミの質問に俺は返答を返す。



因みに、副担とサキミは俺達が元の世界で使っていた携帯電話を使ってやり取りしている。


姫を探す任務についている間だけ。という縛りはあるものの、俺達が元の世界から使っていた携帯電話の通話とメールの機能を使えるようにニンムシュ様が便宜を図ってくれたので、限定的だが携帯電話が使えるようになったのだ。


ただ、電力の代わりに使用者の体内のマナを消費する仕様になる為、特に人外地では、極力、短い時間で通話を終わらせる必要がある不便な物だが……


それでもこの世界の無線機なんかよりかは遙かに便利な通信手段となる。



『そう。

また連絡する。』


サキミは、そう言うと通話を切った。



◇◇◇



「その顔から察するに、サキミ達も姫を見つけられなかったのか?」


「あぁ。

残念ながら見つかっていないらしい。」


シオコの質問に短い返答を返す。



「結局、この森の北と南と西の方面にはモンスター氾濫が起こられなかったらしいとはいえ……かなりヤバイ状況だったんでしょ?


そんでもって、この森の中心部と呼ばれる場所には、ミンボンの温泉街を襲ってきたようなゾンビ達が暫くの間、徘徊してたんでしょ?


しかも……アタシ達が担当している、この森の北部から北西部の大部分を寒波が襲ってるんでしょう?


やっぱ、ニンムシュ様が言う姫は雑魚。ってのは嘘で、実はアタシ達よりもチート野郎だったとしても……


この世界に来たばかりの服や装備で、この状況を乗り越える。ってのは……姫には悪いけど無理があると思うんですけど。」


「だからこそ、ニンムシュ様は、この森の南部から南西部をサキミさん達に任せられたのかもしれませんね。


この森の南部から南西部も、高地の為か、かなり寒いらしいのだけど……

私達の担当地域ほどの酷い寒さではないらしいですからね。


まだ、彼女が生き残ってるのならば、サキミさん達の担当地域で見つかる可能性が高いでしょうね。」


スクコの話を聞いた副担が自嘲気味に話す。



「この森の中心部を調べられておられるニンムシュ様が、

この森の中心部に潜んでた姫を見つけて保護されている。っていう可能性は有る?」


「拙者の受けてるジョブ補正の知識を使えば、地面に籠もるようなシェルターを作る事自体は可能でごいまする。


ただ、シェルターに籠もる場合……

籠もってる間の水や食料をどうやって確保し続けるか。っていう課題を克服する必要が出てくるでございまするが、


その課題を克服するのは、なかなかに難しい事だと思いまするぞ。」


「そっ。

姫がニンムシュ様に保護される可能性は、ほぼ無い。ってことね。」


拙者野郎の返答を聞いたシオコが落胆した顔をしている。



「後、気になるのは……

何故、彼女の捜索の仕事を密偵の仕事として請け負わされているかよね……」


「言われてみれば、そうですよね……」


副担の言葉にスクコが反応する。



「皆、そろそろ、21時を回るぞ。

夜番担当の俺と違って、お前達は、明日も朝から忙しいんだ。

だから、話の続きは、明日にして、今日は、もう寝とけ。」


イドケンが、そう言いながら苦笑いしている。



「何か、あったら遠慮せず起こしなさいよ。」


「言われなくても、そうする。

てか……逃げろ!て指示を出した時は、直ぐに起きてくれよ。」


「あいよ。」


イドケンの言葉にスクコが頷く。



「女子チームは1号車のルーフテントへ、

トスオ君と拙者君は2号車のルーフテントへ移動しましょうか。


イドケン君。ごめんなさいね。

夜番、宜しく頼むわね。」


副担の言葉を合図に、夜番をイドケンに託して、俺達は、各々のルーフテントに戻る。


因みに、イドケンの寝床は、

イドケンが元の世界のユーチューブで見たという、元の世界の軽バンでソロで車中泊のキャンパーの話を参考に、拙者野郎が作ったお手製のベッドの上に寝袋を敷いたものになる。



夜番をイドケンに任せた事で、姫の捜索や俺達の移動の効率が大幅に上がった。


イドケンは、文句の1つも言わないが、

俺達は、漆黒の闇夜の中で一人で夜番をするイドケンが心細いであろうと考え、

立ち寄った村や町で使役モンスターとして、魔猫が売られていたら、イドケンの為に買うつもりでいる。



「さてと。

明日も忙しくなりそうね。」


副担は、そう言いながら、溜息をついていた。

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頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

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