休憩と混血のルール
「ラッキー。
ウチの地頭、めっさ良くなってるやん。
そんでもって、素の腕力や視力や動体視力や夜目も滅茶苦茶、凄い事になってるやん。」
時刻は1時。
休憩時間を利用して、ヨロズコちゃんがノートに書いていた内容を見ながら笑顔で呟く。
「どうしたんだ?」
「いやな。
ウチが、少し前まで、状況を見ながら、コロコロとジョブ補正を変えてたんは知ってはるやろ?
でな。ジョブ補正の補正外の魔法は使われへんけど、魔術や呪術は術式さえ覚えれば使えるやんか。
ほんでな、ゼロヒトさんが前に、
違法な方法で他世界から召喚されはった人の脳や肉体のリミットが切られてはるさかい、
脳や肉体のリミッターが切られてても動き続けられるように脳や肉体が常に超再生されてはるさかい、
【人属の皮を被りはった獣人】なんて呼ばれてはるらしい。って言うてはったやん。
せやから、ジョブ補正をなんも接続しやんかったら、どんな感じなんやろ。って思ってジョブ補正を全切りしてみたんたんや。
そしたらな、今まで繋いだ事のあるジョブ補正から得られた魔術や呪術の全ての術式を完璧に覚えてる事が分かってん。
それだけやないで、親指と人差し指だけで10円玉を折り曲げられるし、夜やのに森の中の小さいモンスターや小動物の動きまでがよう見えるようになってんねん。
せやから、普段はジョブ補正を敢えて繋がんといて、魔法を使いたい時だけ適切なジョブ補正を繋ぐ事で、やれる事の幅を増やせそうなんや。」
ヨロズコちゃんが、得意気な顔で話す。
「【人属の皮を被った獣人】に偽装する。って事は、異世界人です。って言ってるようなもんだ。
策士策に溺れる。ってやつじゃね?」
「確かに。」
僕はゼロヒト君の言葉に僕は頷く。
「ギルドに登録する時は、接続率を下げた【踏破者】のジョブ補正にでも接続しとくよ。
今のはあくまでも普段の話や。」
ヨロズコちゃんが不機嫌そうな顔で話す。
「ヨロズコが、生粋の人属では無く、獣人の血が混じっておる。という設定にした上でならば、
ヨロズコが【人属の皮を被った獣人】に偽装するという策には大賛成じゃ。」
「そうきたか。
それならば、確かに有りだな。」
ウミミナちゃんの言葉にゼロヒト君がハッとした顔をする。
「どういう事?」・「何が言いたいんや?」
嫁とヨロズコちゃんが同時に質問をする。
ーーーーーーー
【ミックスのルール】
人族と獣人
1、身体的特徴→獣人
何らかのジョブ補正を受けられる
2、身体的特徴→獣人
全てのジョブ補正を受けられない
3、身体的特徴→人族
何らかのジョブ補正を受けられる
4、【人属の皮を被った獣人】
人族とエルフ
1、身体的特徴→エルフ
【賢者】OR【踏破者】のジョブ補正を受けられる。
2、身体的特徴→人族
【賢者】OR【踏破者】のジョブ補正を受けられる。
人族とドワーフ
1、身体的特徴→ドワーフ
【匠の職人】OR・【武聖】のジョブ補正を受けられる。
2、身体的特徴→人族
【匠の職人】OR・【武聖】のジョブ補正を受けられる。
獣人とエルフ
1、身体的特徴→エルフ
【賢者】OR【踏破者】のジョブ補正を受けられる。
2、身体的特徴→獣人
【賢者】OR【踏破者】のジョブ補正を受けられる。
獣人とドワーフ
1、身体的特徴→ドワーフ
【匠の職人】OR・【武聖】のジョブ補正を受けられる。
2、身体的特徴→獣人
【匠の職人】OR・【武聖】のジョブ補正を受けられる。
ドワーフとエルフ
1、身体的特徴→ドワーフ
【匠の職人】OR・【武聖】のジョブ補正を受けられる。
2、身体的特徴→エルフ
【賢者】OR【踏破者】のジョブ補正を受けられる。
獣人⇒無能者 ドワーフ⇒【匠の職人】・【武聖】 エルフ⇒【賢者】・【踏破者】
1、身体的特徴→エルフ 【賢者】OR【踏破者】のジョブ補正を受けられる。
身体的特徴→獣人 何らかのジョブ補正を受けられる
ーーーーーー
「ゼロヒト君の説明で、亜人とのミックス(混血)のルールが分かったよ。有難う。
でっ。ヨロズコちゃんの設定を人族と獣人の混血の【人属の皮を被った獣人】という設定ならば、ヨロズコちゃんが無能者を装っても不自然ではない。って事を言いたいんだよね?」
「ちと待った。
ウチと姉さんは、テイヒィ達と異世界から来たアサグ。ってのと、どんなジョブ補正を受けてるか等については話してへんけど……
それ以外の事については、色んな話をしてるんや。
せやのに亜人の血が混じってるなんて一言も言ってへん。
しかも、テイヒィ達は、自分達が混血。ちゅうのを気にしてはる。
そんな状況やさかい、その設定は気まずすぎるわ。」
僕とゼロヒト君の話を聞いたヨロズコちゃんが、慌てた顔で会話に加わってくる。
「そこは気にしなくても良いぞ。
先祖返りだった。っていうふうに鑑定結果を偽装しとけば、ヨロズコ自身も獣人の血が混じっている事を知らなかった。っていう設定で整合性が取れるからな。」
「せやったら、先祖返りの【人属の皮を被りはった獣人】の設定にして欲しいわ。
そしたら、関所とか砦とか、町や村に入る時とか、鑑定される恐れがある場所でジョブ補正を切っとけば良えだけやから楽チンや。」
ウミミナちゃんの話を聞いたヨロズコちゃんが笑顔で話す。
「ちと待った。
ミンボン山脈の樹海を出る時に砦で簡単な鑑定を受けた筈だけど……大丈夫だよね?」
「そこは問題無い。
俺達の偽装したジョブ補正等の情報は残っていなかった。」
僕の質問にゼロヒト君が笑顔で答える。
「ふう。
ビビッたぁ……
先祖返りの【人属の皮を被りはった獣人】の設定にストップがかかったかと思ったわ。」
ヨロズコちゃんがホッとした顔で話す。
「良かったね。」
「せやね。」
嫁の言葉にヨロズコちゃんが満々の笑みを浮かべながら頷く。
◇◇◇
『ケトにゃ。
小休止は終わりにゃ。
出るにゃよ。』
ケトさんからの無線が入る。
「了解。」・『了解。』×7
嫁を含めた乗り物のドライバー達が一斉にケトさんに返答を返す。
『20分程、走ったら、また幽霊トンネル地帯が続くにゃ。
後、両側を崖に挟まれた道ににゃるので、横風の心配はにゃいが、前や後ろからの突風に気をつけるにゃ。
それと……この寒さにゃので大丈夫にゃとは思うが、崖の上から盗賊が攻撃してくる可能性もあるにゃ。
もし、盗賊が出たら、各々の乗り物の乗組員の中で結界魔法や結界の術式が使える者は、全員、各々の乗り物に結界を張るにゃ。
その上で戦闘が出来る者は、魔力弾のライフル等といった遠距離からの攻撃が出来る魔道具や、遠距離攻撃系の魔法や魔術を使って応戦し、
ドライバー達は各々の乗り物を可能な限り早く走らせるにゃ。
そうすれば盗賊達から逃げ切れる筈にゃ。
最悪の場合、戦闘が出来る者は、乗り物を降りて盗賊達と白兵戦をしてもらわざる得にゃくにゃるかもしれにゃいが……
アタシ達の多くは非戦闘員にゃ。
だから、可能にゃ限り、白兵戦ににゃらにゃいように逃走したいので、
にゃにかあれば、アタシの指示に従って、テキパキと動いて欲しいにゃ。』
ケトさんの真剣に話す声が無線から聞こえてくる。
「了解。」・『了解。』×8
ゼロヒト君を含めた乗り物の責任者達が一斉にケトさんに返答を返す。
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