追放と共闘(後編)
「クルサルさんの異能の名前が【原状回復】。って聞いた時はショボそうやって思ったけど……
異能の内容を聞きはったら、滅茶苦茶、チートな異能やったんやね。」
「だよな。
この兄さんと行動を共にしている限り、飢え死にする可能性だけは無くなった。って事だもんな。」
「せやな。」
嫁が僕の代わりに話してくれた、僕の異能の詳細を聞いたヨロズコちゃんとゼロヒト君が笑顔で話している。
「でっ。何がヤバイの?」
「そうだった。
順序だてて話させて貰うよ。」
ゼロヒト君が真剣な顔で僕達を見る。
■■■
「まず、この世界では神仏の代理人とかいう奴達に、
皇族・王族・公爵・侯爵・伯爵等と呼ばれている一部のセレブな方々や、
彼達に匹敵するような権力者に、各国の軍のトップや特殊部隊。
後、ギルドと呼ばれている、国や地域に縛られない、世界を股にかけた協同組合の本部・支店・営業所等の上層部の人間や、
そのギルドに登録している中の最上位の評価を受けている一部の登録者。
等を除いては、
余程の事がない限り、 生涯、この世界のネット環境的な物にアクセスをする事すら無い。
というよりも……
大多数の人は、その存在すら知らないまま、生涯を終えるらしい。
でっ。これは余談だが、
基本と言ったのは、俺の異能【星の記憶へのアクセス】を使えば、この世界版のネット環境的な物にはアクセスが出来るんだ。」
ゼロヒト君は、ドヤ顔で、そう言うと一旦、話を止めた。
「それ以外の人は、どんな感じの生活なの?」
「ラジオ放送を聞く事はあるが、
テレビやネットは存在すら知らない。
トランシーバー的なのは使用しているようだが、
アマチュア無線や固定電話。携帯電話的な物は存在すら知らない。
因みに、ギルドの本部・支店・営業所等にある電報のような物は、一般人にも解放しているようだが、
一回当たりの利用料金が高い為、一般人は余程の事が無い限り利用する事は無いらしいな。
後、これも、余談だが、
船は蒸気船まで発展してるらしい。
それと、陸上移動のメインが、
【砂喰らい馬】と呼ばれているEクラスのモンスターが牽く馬車や、【砂喰らい馬】への騎乗から、
蒸気機関車に似たような物や、四輪バギー(クアッド)やトラックに似たような乗り物に置き換わってる最中らしい。
そうそう。
飛行機や飛行船。ヘリコプター等と言った、空を飛ぶ乗り物は、まだ、存在しないらしいぞ。
これは、鳥系のモンスターや、俺達の世界では滅んだ翼竜から進化した翼竜系のモンスターが関係しているみたいだな。
とはいえ、俺達の世界の最新の戦闘機やヘリコプターとかなら、鳥系のモンスターや翼竜系のモンスターとも、スペック上では戦えると言われているらしい。
だから、もう暫くすれば、飛行機も登場するのではないか?って言われているらしいぞ。」
ゼロヒト君は、そう言うと一旦、話を止めた。
♢♢♢
「聞きたい事とかもなさそうなので続きを話すぞ。
まず、今後の説明とかをさせて貰う為に、
皆の携帯にマナと呼ばれる異能や魔法。魔術や呪術を使う為のエネルギーを電力に変換する事が出来るアプリや、
この世界版のネット環境的な物を経由して、通話やメールが出来るようにするアプリや、
この世界版のカーナビやGo●gle●ースのような使い方も出来る【空の目】と接続する為のアプリを入れさせて貰らう事を了承して欲しい。」
ゼロヒト君が、そう言いながら、僕達をジッと見ている。
◇◇◇
「取り敢えず、ウチの携帯電話を弄りはんるは了承させて貰うわ。
皆と、はぐれたら連絡すら取られへんとか……
想像しただけで、恐怖で震えるわ。」
「わたしも、ヨロズコちゃんと全く同じ意見ね。
それと、携帯電話だけでなくタブレットにも、
携帯電話に入れてくれるアプリと同じ物を入れて欲しいわ。
でっ。パパ。
勿論、パパの携帯電話を弄って貰ってオッケーだよね?」
「うん。
てか、【空の目】って……
やっぱり、この世界の空にも人工衛星的な物が打ち上げられていて、
その人工衛星的な物から、位置情報とかを得ているの? 」
「その情報は見れなかった。
てか……やっぱ、そこ気になるよな?」
ゼロヒト君がワクワクした顔で僕を見ている。
「ごめん。
その話……今は、どうでも良くない?」
「せやせや。
早よ。ウチ達の携帯電話とかに必要なアプリを入れてや。」
「了解。」
嫁とヨロズコちゃんのクレームに、ゼロヒト君が苦笑いしている。
◇◇◇
「取り敢えず、必要なアプリを入れたぞ。
今回は時間がないから、【空の目】に接続するアプリも立ち上げさせて貰ったぞ。
携帯電話やタブレットを見てくれ。
取り敢えず……赤い点が、今、俺達が居る場所だ。」
ゼロヒト君が、そう言いながら、僕達を見る。
「なんやこれ。
森のど真ん中やん。」
ヨロズコちゃんが、大きな声を出す。
「ニンムシュと名乗ってた糞女に、
ミンボン山脈の樹海と呼ばれている場所の中心部に飛ばされたらしい。
因みに、ここから村に行くには、最短ルートを1日当たり50キロ~60キロぐらい移動したとしても、1週間近くかかるみたいだ。
しかも‥…俺達は、ギルドと呼ばれる世界を股にかける経済組合いに入っていないし、
この世界の、どの国の国籍も持っていない。
なので、この世界の基準では身元不明の不審者。
しかも、無一文で、物々交換する物も持ってない。
だから、何処かの村に辿り着けたとしても‥…受け入れて貰えない可能性が高い。」
「マジで。
まぁ……パパの異能で、ご飯や着替えの心配は無いとはいえ……
森の中ならば、当然、虫とかもいっぱい居るんだよね……
そっちの方がヤバくない?」
嫁が青い顔をしながら、ゼロヒト君に質問をする。
「居ると思う。
てか……そこはモンスターや野生動物にビビるところじゃね?」
嫁の質問にゼロヒト君が大笑いしている。
「なぁ……
クルサルさんは、過去に、ウチの鞄の中に入ってた物やったら、何でも出せるように出来はるんやろ?」
「うん。」
「せやったら、 体操服と運動靴。それと……
剣鉈やファイヤースターターが入ってた時に戻して貰われへんやろか。」
ヨロズコちゃんが、そう言いながら、拝むようなポーズを取る。
「別に良いけど……
剣鉈やファイヤースターターなんて、学生鞄に入れてたの?」
「元の世界で、兄ちゃんとキャンプをようしててん。
でっ。学校帰りにホームセンターに、お取り寄せして貰うてた剣鉈を取りに行った事があんねん。
因みに、ファイヤースターターは、そのホームセンターに併設してはる100均で買った事があんねん。
何日も森の中で野宿するんやろ?
必要な物は早めに出して貰ってた方が良えやろ。
後、ヘッドライトや携帯用浄水器。お菓子とか非常食になりそうな物も欲しいな。
この辺も学生鞄に入れてるエコバッグの中に入れた事があるからイケるんとちゃう?
鍋とか耐熱容器があれば、かなり料理の幅が広がるんやろうけど……贅沢は言われへんな。」
ヨロズコちゃんが、そう言いながら、ジッと僕を見ている。
「兄さんの異能は、無限増殖が出来るんだよな?
剣鉈とファイヤースターター。それと……ヘッドライトや携帯用浄水器。非常食になりそうな物を、全員分、用意して欲しいな。 」
ゼロヒト君が、そう言いながら、頭を下げてくる。
「パパ。
エコバックを鍋と耐熱容器を買って入れた時に戻して。
それが、終わったら、エコバッグの中を、殺虫剤と携帯用の電池式の虫除けを買って、入れた時に変えて。
殺虫剤は、たっぷりいるから宜しく。」
嫁が泣きそうな顔で、お願いしてくる。
「了解。
それは、そうとゼロヒトくん。
この世界のお金の事を教えてくれない。」
「了解。
この世界の貨幣の種類は、白金貨・金貨・銀貨・銅貨・木貨・銭貨。の6種類。
全て硬貨で紙幣は存在しないらしい。
因みに、貨幣の価値は、俺達の感覚で言うと、
白金貨1枚は100万円の価値。
金貨1枚は10万円の価値。
銀貨1枚は1万円の価値。
銅貨1枚は1000円の価値。
木貨1枚は100円の価値。
銭貨1枚は1円の価値。
って、とこみたいだよ。
因みに、白金貨は一般人が手にする事は、ほぼ無いらしい。
一般的に出回ってる一番、大きな貨幣は金貨になるみたいだな。」
ゼロヒト君が、僕の質問に答えてくれる。
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