【サイドストーリー】樹海の最深部にて③(遭遇編)
「本当、アイツは疫病神よ。」
「言えてる。」
「見つけ次第、ぶち殺してやる。」
「賛成。」×3
コレちゃんとクショとナルーが物騒な会話で盛り上がっている。
「リフォーちゃんは反対なの?
てか、マトリィ。返事しろよ。」
「いやいやいや。皆、落ち着こうよ。
ニンムシュ様からは、アイツの事を保護するように。って言われているのよ。
殺す。とか……流石にマズくね?」
不機嫌な顔な顔をしながら話すコレちゃんに、リフォーちゃんが宥めるように話す。
◇◇◇
てか……何時もの事だけど、
リフォーちゃんと私の扱いが露骨に違うな。
元の世界では、コレちゃんから気を使われてるのは、リフォーちゃんだけで、クショとナルーも同じようなものだし、
コレちゃんは、パパの勤める会社の我が儘な社長令嬢様のコレちゃんに気に入られる事で、親からお手当てという名目で姉弟達の倍のお小遣いを貰えるし、
卒業後は、親に地方の大学とかにでも進学させて貰えば腐れ縁も絶ちきれるだろうから、
3年間だけ我慢しよ。と思っていたのだが……
人生設計が狂い、そろそろ、彼女との腐れ縁を絶ちたいのだが……現状、上手くいっていない。
てか……何故、アタシが接続しているジョブ補正が【物情を繋ぐ者】なのよ。
そんでもって、何故、彼女が接続しているジョブ補正が、対人戦、最強のジョブ補正とか言われている【武聖】なのよ。
これじゃあ、私……
女版ジャ◯アンのコレちゃんの子分の、女版ス◯夫のポジションが確定しちゃってるじゃん。
せめて、戦闘に特化していないジョブ補正ならば、
リフォーちゃんが接続している【匠の職人】が良かったな。
だって、コレちゃんからス◯夫的な扱いを受けている私と違って、リフォーちゃんは……キ◯レツ君的な扱いを受けてるんだもん。
てか、パパは、職人さんよりも、売り上げが作れる営業の方が上だ。なんて自慢気に言っていたけど……
ゴメン。このパーティーでは、明らかに力関係が逆だわ。
◇◇◇
「ふん。つまんない。
けど、まぁ……リフォーちゃんの言い分にも一理あるわ。
クショ。あんた【賢者】のジョブ補正を受けて、頭が良くなってるんでしょ?
なんか良い案はない?」
「ニンムシュ様は、五体満足に。とは言ってない。
保護した後、逃げられないようにする為に、手足をぶった切るぐらいは良いんじゃね?」
「待て待て。それ……流石にダメだよ。
ニンムシュ様は、アイツに対して申し訳ない事をした。って言ってるんだよ?
罰として、一生、お世話しろ。なんて言われたらどうすんのよ。」
「そこは……
【匠の職人】のジョブ補正を受けてる、あんた(リフォー)が、義手と義足を作ってやればオッケーじゃね?」
「はぁ……それだと、リフォーちゃんの手を煩せすぎ。
ぶった切るのは足だけで。って事で。」
「流石、コリちゃん。優し過ぎる。」
ナルーが尊敬の眼差しでコリちゃんを褒める。
「コリちゃんの優しさに免じて手は残してやるように努力するわ。」
クショがナルーの様子を見て慌てて軌道修正をする。
てか、クショの奴……
いくら気に食わない相手だとはいえ、クラスメートの手足をぶった切ろうとか笑顔で言うなんて、マジで頭、ヤベえんじゃね?
いや、そもそも……見ず知らずの相手であってもヤベえ発想だわ。
ドン引きしてるのはリフォーちゃんだけか。
良かったぁ……1人だけでもマトモな人が居てくれて。
◇◇◇
「面白ぇ話をしてるじゃねぇか。」
【疾風の黒狼団】を引き連れるように、4人の男女が歩いてくる。
その中の1人の、オジサンが、私達に声をかけてきた。
「ヘタレ男子と……あんた達、誰?
てか……何の用?」
クショが怪訝な顔をしながら男に話しかける。
「女っ毛が少なくっちまってな。
君達と仲良くなれないかなぁ……なんて思ったんだよ。」
「はぁ?
ご奉仕要員でも探してんの?
そこに美人さんと可愛い系女子が居るじゃん。
そいつ達を使い回しして満足しとけよな。」
ナルーが呆れた顔で話す。
「女だからと舐めないでくれない?
てか……【疾風の黒狼団】ヘタレ チ◯コども。
あんた達、懲りると言う事を知らないの?」
「言えてる。
アイツを殺れないストレスをぶつけちゃいますか?
殺った理由は乙女の貞操を守る為。
そしたら、正当防衛。ってのが適用されんじゃね?
知らんけど。」
「待て待て。コレちゃん。クショ。ナルー。
何をバカな事を言ってるの?
ツレが失礼など事を言ってごめんなさい。
こいつ達、気が立ってるの。
後日、謝らしますから、その……今日のところは離れてくれませんか?」
リフォーちゃんが、暴走を始めたコレちゃんとクショとナルーの前に出ると、オッサン達に頭を深々と頭を下げた。
「ごっ。ごっ。ごめんなさい。」
私はリフォーちゃんのように、暴走を始めたコレちゃんとクショとナルーの前に出る程の勇気は無いが……
私なりの勇気を振り絞って、オッサン達に頭を下げた。
◇◇◇
「『変化』
『結界』×3
『結界よ。縮まれ。』×3」
可愛らしい女の人が、呪文らしき言葉を唱えると、
コレちゃんとクショとナルーの服や革の鎧とかがミルミルと縮んでいく。
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
【メキ・ゴキ・ベチャ】・【メキ・ゴキ・ベチャ】
まるで潰された果実だな。
目の前の肉の塊は果肉で、
地面に広がる赤い水は……そう果汁。果汁よ。
だから、この物体は、コレちゃんでも、クショでも、ナルーでも無い。そう……無い筈だ。
◇◇◇
「おいおい。イテヨ。
肉体の一部をモンスターの中でも最強の結界を張れると言われている盾竜に変化させて、張った結界で押し潰すとか……流石に、オーバーキルっしょ?」
「ジョブ補正を受けているだけの雑魚が、異能を得ているアサグのアタシやトラポを娼婦呼ばわりするとかあり得ない。」
イケメン君から、イテヨと呼ばれている可愛らしい女の人が氷のような冷たい目で、コレちゃん達だった肉の塊を睨み付けている。
「はぁ……
こんだけグチャグチャだと……器を作るのが面倒だな。」
オッサンが苦笑いしている。
「『変化』」
【ブチュ】・【ブワァ】
【ブチュ】・【ブワァ】
【ブチュ】・【ブワァ】
イテヨと呼ばれている可愛らしい女の人から尻尾が生えて来たかと思うと、彼女はその尻尾を千切る。ってのを3回程、繰り返す。
「これ、再生力を上げる肉。
使って。」
イテヨと呼ばれている可愛らしい女の人が淡々とした口調で、オッサンを見る。
「『魂の捕獲』×3
『魂の隷属』×3
『その者達の生前に近い器よ現れろ』×3
『魂の注入』×3」
肉の塊が、再び、コレちゃん、クショ、ナルーの形に戻ったように見えたが……
イテヨと呼ばれている可愛らしい女の人から、先刻まで生えていたのと似た感じの尻尾が付いている。
「先刻の、イキりボーイズ達とは違って、このメス豚達は、俺っちにも従順仕様っすか?」
イケメン君が、オッサンに笑顔で質問をしている。
「残念ながら、イキりボーイズ達と同じ仕様だ。
それはそうと、イテヨ。
いくら、そこの糞生意気なガキどもの時と同様、再生能力の高い肉を提供してくれたからといって、
手直しが必要になるほどは、壊さないように注意してくれよ。」
「へ~い。」
イテヨと呼ばれている可愛らしい女の人が不満気な顔をしながら短い返答を返す。
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