漆黒の闇夜の大移動④ / 他の召喚者らしき人達の情報
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
【ビュォォォォー】・【ビュォォォー】
3本目のトンネルを出ると、バスコさんの言うように激しい風が樹上の森の木々を揺らしまくってはいるが、
生い茂る森の木々や草木が防風林となってくれているようで、トラックの運行には影響はなさそうだ。
【ドサッ】・【ドサッ】・【ドサッ】
【ドサッ】・【ドサッ】・【ドサッ】
【ドサッ】・【ドサッ】・【ドサッ】
時折、樹上から雪の塊が落ちては来るものの……
吹雪の中にも関わらず、ホワイトアウトになって周囲が見えなくなるような事もない。
「寒。
エアコンのような物が付いてあらへん荷台の人達は大丈夫かいな。」
「心配しても、どうしてやる事も出来ない。
だから……なんとかなってる。って信じてやるしかないだろう。」
心配そうに話すヨロズコちゃんの言葉を聞いたゼロヒト君が淡々とした口調で返答を返す。
『こちらユバリス。
気温の低下が激しい。
寝ている者が毛布を剥いでいれば、掛け直してやってくれ。』
『了解。』×3
3台のピックアップトラックの荷台のリーダー達がユバリスさんの指示に短い返答を返す。
「朝になって日が昇りはれば、この寒さも少しはマッシになってくれはるやろか……」
「そうなってくれる事を祈るしかないわね。」
ヨロズコちゃんの言葉に嫁が頷く。
【空の目】を見ると、僕達の直ぐ後ろを走っているピックアップトラックも3本目のトンネルを出たようだ。
歩くようなスピードと適度な車間距離のせいで、まだ、3本目のトンネルの中に居る人達もいる。
彼女達は、悪霊がヒャッハー盗賊団を狭間の世界へと連れ去った事を知らない。
ただ……最後尾で後ろを監視しているイナノちゃんとズカワ君は、言わないだけで、2本目のトンネルで何かが起こった事ぐらいは気がついているだろう。
きっと、恐怖心を堪えながら何とか踏ん張ってくれているのだろうな。
そう考えると……情報を共有していない事に、少しだけ罪悪感を覚えた。
◇◇◇
『こちらズカワ。
3本目のトンネルを出た。
混乱させねぇように言わなかったが、
俺達が2本目のトンネルを出た直後、あのトンネルの中が悪霊達の世界と繋がったのを確認した。
どれぐらいの範囲が悪霊達の世界と繋がってるのかは分からねぇが、少なくとも、俺達はギリギリだが悪霊達の世界に引きずり込まれなかったようだ。
ただ、この場を少しでも離れたい。
事故らない為に、この行軍スピードを維持しては欲しいが……休憩は勘弁してくれ。』
『こちらバスコ。了解した。
ほんの少し行軍スピードを上げる。
状況が変わったら逐次、報告をして。』
『了解。』
状況を把握していない、ズカワ君とバスコさんの緊迫したやり取りが無線機から聞こえてくる。
「なんか、罪悪感を感じるわ。」
ヨロズコちゃんが、無線機の通信が切れている事を確認しつつ、苦笑いしながら話す。
「ヒャッハー盗賊団の事を知らずにすんだんだ。
プラマイ0だろ。」
「せやな。」
ゼロヒト君の話を聞いたヨロズコちゃんが、大笑いしながら頷く。
「主達は良い性格をしておるのう……」
「せやろ。」
「はぁ……」
皮肉が通じなかったアマトティちゃんが溜息をついている。
◇◇◇
「そう言えば、ヨロズコ。
お前さん、納勤学園の制服を着ているが、クラスは2ーAだったのかい?」
「え~と……
何でウチが、この世界に召還されるまでは納勤学園に通ってた。ちゅう事を知ってんのや?
てか……何で2ーAに興味があるん?
もしかして……ウチのクラスメートに遊び半分で手ぇ出してはった。とか言わへんやろな?」
ゼロヒト君の質問を聞いたヨロズコちゃんが、ジト目でゼロヒト君を見ている。
「違げぇよ。
俺は納勤学園のOBで、
お前さんの学生鞄に、納勤学園の校章がプリントされているから分かったんだよ。
でっ。このタイミングで聞いたのは、
ギルドのアタルトイ支部のキトナガエ帝国の帝都支店で、街道の整備や、町の街壁や村の柵等の補修を主業務とする、
【納勤学園2ーAと愉快な仲間達による広域便利商会】。つう、ギルドからCランク相当の評価を得ているヘンテコな名前の商会が立ち上げられているのを見つけたからだよ。」
「【納勤学園2ーAと愉快な仲間達による広域便利商会】って……ダッサい名前やな。
ゼロヒトさん。メンバーの名前とか分かりはるか?」
「登録されている名前は分かるが、字だから聞いても、誰か分からねぇと思うぞ。
メンバーの構成比は、
年齢的には高校生さんと思われる者が15名ぐらい。
高校生よりも年上の大学生や社会人と思われる者が20名ぐらい。
でっ。男女比は半々ぐらいだな。」
「ウチのクラスメートかまでは分からへんけど……
ウチと同い年の人達が、めっさ、召還されてはるやん。
せやけど……ウチのクラスは40名。
【納勤学園2ーAと愉快な仲間達による広域便利商会】の人数と、ウチのクラスメートの人数が合わんのは、この世界に召喚されてはらへん人が居はるからなんか、
この世界には召喚されてはるけど、【納勤学園2ーAと愉快な仲間達による広域便利商会】には入りはらへんかったんか……
その辺が気になるとこやね。」
「ニンムシュは、計測の玉が、
『青色のみの者は、我々が求めていた勇者となる。 暫し、この場で待機してくれ。』
と言っていた。
青色の奴の処遇が分からねぇ以上、推測すら出来ねぇな。」
「さよか。
会いたい奴は居はるけど……状況的に考えると、少なくとも、今は会わへんほうが、お互いにとって良えんやろ?」
ヨロズコちゃんが、寂しそうな顔でゼロヒト君に質問をする。
「だと思う。
俺達の事をニンムシュに報告されても困るし……
お前さんのツレ達が、お前さんの事を黙ってたのがニンムシュにバレたら問題にされる恐れがあるかもしれねぇしな。」
「やっぱ、ゼロヒトさんも、そう思いはるか……
クルサルさんや、姉さんは、どない思う?」
「可哀想とは思うけど……
少なくとも、今は会わない方が良いと思うわ。
特に……ヨロズコちゃんも、この世界基準ではチートでしょ?
それで嫉妬や妬みを買って……って事もあるかもしれないしね。
ヨロズコちゃんに、こんな事を言うのもなんだけど……学生の頃の友情が相方を含めた稼ぎの違いで途切れる。って事も珍しい話ではないからね。」
嫁が溜息をつきながら話す。
「それもそうだけど……
【納勤学園2ーAと愉快な仲間達による広域便利商会】は、
街道の整備や、町の街壁や村の柵等の補修を主業務とする商会なんでしょ?
想定外の出会いが起こる事も念頭に入れておかないといけないんじゃない?」
「はぁ……パパは……
言ってる事は正しいんだけど、安定のドライさんね。」
嫁が苦笑いしながら僕を見る。
「髪の毛、バッサリ切るか。
そしたら、多少、見た目も変わるやろ。」
「ついでに染めてみる?」
「せやな。」
ヨロズコちゃんが、嫁の言葉に頷きながら、長い黒髪の先を弄る。
「この度は……」
「急にどなしはったんや?」
ヨロズコちゃんが、不思議そうな顔で僕を見る。
「大多数のおっさんは、
【女子がバッサリと髪を切る=失恋や別れ】
って考えちゃうのよねぇ……」
嫁が苦笑いしながら僕の言えなかった事をサラッと言葉にする。
「成るほどな。
せやけど……ご期待に添えなくてゴメン。
ウチの人生、彼氏が出来た事あらへん。
ガサツなミニマム女子は、
友達。ちゅうか、
妹キャラ。ちゅうか、
マスコット キャラ。ちゅうか……
兎に角、そう言う対象やあらへんらしいわ。」
ヨロズコちゃんが苦笑いしながら話す。
「お前さん。バイトとかしてねぇだろ。」
「ゼロヒトさんも知ってはる思うけど、納勤学園はバイト禁止や。
ウチは校則は守る人やねん。」
「なら仕方ねぇんじやね。
お前さんぐらいの年代の男は……ド○ンちゃん派ばかりだろうからな。
バ○コさん系女子は、男子にモテる。という意味ではスロースターターなんだよ。
まぁ……俺達の世代の一般論的な話だから……絶対とは言えんがな。」
「さよか。
ゼロヒトさんの予言が外れはったら……責任をとって貰うで。」
「はは。
俺も、お前さんも……不老有死とかいう妙な身体になっちまったらしいしな……
それも有りかもな。」
「さよか。」
素っ気ない返事とは裏腹に、ヨロズコちゃんは満面の笑みを浮かべていた。
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