リサイクルと世を忍ぶ仮の姿(後編)
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「はい。はい。はぁ~い。
取りあえず、行商人とかが良えんとちゃう?」
ヨロズコちゃんが、何故か、手を挙げながら提案してくれる。
「だとすると……後は商品だね。
このトラックの後の荷台の過去の原状を異能を使って調べてみると、殆どが、
小麦や米等の穀物に武器。斧や鎌や鉈やナイフや包丁といった武器じゃなさそうな刃物類や、服や靴。タオル等といった衣類等が積まれていた時と、
魔石や解体されたモンスターや、野菜や薬草。
それと……何故か、壊れた刃物類やボロの布切れが積まれている時。
この2パターンだった。
このトラックのような乗り物の持ち主だった人が何者かは分からないけど……
このトラックのような乗り物が、過去に載せていた物を利用する事は出来そう?」
「ギルドのミンボン山脈支店のパソコンのような情報機器をハッキングして得た情報では、
この森に住む人間達は、薬草やモンスターを狩ったり、育てた野菜や使い古したボロキレを売ったり、
武器や刃物。衣類等を購入したり、メンテナンスに出しながら、生活をしているらしい。
この事を、兄さんからの情報を加味して推測すると、
このトラックの持ち主だった奴は、行商人か、運び屋のどちらかだと思われるな。
取り敢えず、商品の件も何とかなりそうだし、ヨロズコが提案してくれた行商人に偽装する。として、役割分担を考えてみるか。」
僕の情報を聞いたゼロヒト君が嬉しそうに話す。
◇◇◇
「姉さんが虚体化する事が出来はる任意の対象って奴は乗り物とかの物質も含まれてはるん?」
「え~と。
乗り物とか生き物じゃない物も幽霊にする事が出来るみたいだわ。」
「成るほどな。
姉さんは空間認知能力とかも凄い事になってはるんやろ?
姉さんやったら車幅ギリギリのところも走れはるやろうし、
それでも走るんが無理な場所はトラックを幽霊のようにしはれば、トラックを無理矢理、通らせはる事も出来はる。
せやから、トラックの運転手さんは姉さんが良え思うんやけど……
どうやろか?」
「オッケー。任された。」
「とりあえず、姉さんは運び屋に偽装しはるちゅう事でオッケーやな?」
「あぁ。それでいこう。」
ヨロズコちゃんと嫁が決めた、この世界での嫁の世を忍ぶ仮の姿をゼロヒト君が了承する。
◇◇◇
「ほな。次。
ゼロヒトさんは商人。ウチは護衛で良として……クルサルさんとアマトティちゃんはどないしはる?
ウチとしては、クルサルさんは回復師なんかがお薦めなんやけど……どやろ?」
「そうだな。
兄さんは回復師 兼 俺達の商会のオーナーで、
俺は、その商会の社長的なポジションの商人で、
ヨロズコは俺の護衛秘書ってのが自然じゃないか。」
「ほな、それでいこか。
後は、アマトティちゃんの設定だけやね。」
ヨロズコちゃんとゼロヒト君の話し合いで、アマトティちゃん以外のメンバーの世を忍ぶ仮の姿が決定した。
◇◇◇
「所有者とは肉親として偽装する事が出来る。
しかも管理人以上の者でないと鑑定魔法でも見破られん。
じゃから、サモナブの肉親に偽装すれば正体はバレぬぞ。」
「肉親ねぇ……
だったら、姪っ子という事で。」
「了解じゃ。」
嫁とアマトティちゃんが、自分達の繋がりの設定を決めてくれた。
◇◇◇
「後は商会の名前だね。」
「コブドタ商会。ちゅうのはどうや。
マスコット キャラを前面に出した方が親しみが出る思うねん。」
「それ良いんじゃない。」
「じゃあ……コブドタ商会で決定だな。」
嫁達が、サクサクと世を忍ぶ仮の姿を決めていってくれる。
◇◇◇
「ギルドに登録する際に、ギルドの本部や支部。支店や営業所にある鑑定装置でジョブ補正等を元に暫定のランクを測られるらしいんだが……
姉さんはCランク相当の運び屋。
兄さんはランク相当の回復師。
ヨロズコはCランク相当の護衛秘書。
俺はランク相当の商人。
として鑑定されるように偽装する。
普段は気にする必要もないだろうが、
ギルドに登録をする機会があれば、ギルドの鑑定装置の出した内容に文句をつけないでくれよ。」
「了解。」×4
僕、嫁、ヨロズコちゃんと、何故か、アマトティちゃんも、ゼロヒト君の指示に頷いてくれる。
◇◇◇
「後は後方の荷台の荷物の原状をどの時点に戻すかを決めないとね。
僕的には状況が状況だし、
乗り物の燃料にもなる魔石が荷台に沢山、積まれていた時に戻すのがベストだと思うんだけど……
てっ、なると荷台の中が、該当する状態の時に戻して、
一旦、魔石だけを外に取り出して、解体されたモンスターやボロ布等といった他の物を消し後、魔積を荷台に入れなおした方が良さそうだね。
要らない物まで荷台に積んでいた結果、誰かに不審に思われるのも嫌だしね。」
「だな。
兄さんの作戦でいこう。」
ゼロヒト君が、僕の提案に頷いてくれる。
■■■
「終わったぁぁぁ。
腹減ったぁぁぁぁ。」
「もう。9時(21時)だもんね。
パパ。
まぐろ丼と、うどんのセットが食べたい。」
「ウチは、親子丼と、うどんのセット。」
「俺は姉さんと同じので頼む。」
皆が、口々にオーダーをいれてくる。
寒い日ので、某親子丼チェーン店のうどんのセットが食べたいらしい。
因みに、僕も、ヨロズコちゃんと同じ、親子丼と、うどんのセットにする事にした。
「妾は……ヨロズコとクルサルと同じ物にしてみようかのう。」
「了解。」
僕はアマトティちゃんに返答を返す。
「アタイ達の飯も用意しておくれよ。」
「そうだ。そうだ。
我が侭を言わずに待ってたのだからバナナもつけてくれ。」
コブとドタが、大声で餌を催促してくる。
「悪い。悪い。
直ぐに用意するわ。
兄さん。バナナも頼む。」
「了解。有難う。」
ゼロヒト君が、頭を掻きながら、コブとドタの餌を用意し始めた。
「はぁ……また雪が降り始めたよ。」
「ホンマやな。
てか……瘴気も濃くなってへん?」
嫁の言葉に、ヨロズコちゃんが返答を返す。
「ちょっと前から、湖の方から濃い瘴気が流れつづけて来てるわよ。」
「気がついてなかったのか?」
コブとドタが不思議そうな顔でヨロズコちゃんを見ている。
「マジで。
折角、乗り物も手に入ったんや。
飯、食ったら、試運転がてら森の外の方へ移動しやん?」
「今、【空の目】の映像を見てみたんだけど……
どうやら、俺達が居る、この森の中心部に近い村の連中が、移動を開始し始めたようだ。
俺とした事が見落としてた。
すまんが、さっさと飯を食って移動するぞ。」
「パパ。
菓子パンとサンドイッチとおにぎりと唐揚げ。
後、お茶とコーヒーを頼む。
移動しながら食べた方が良いんじゃない?」
ゼロヒト君の話を聞いた嫁が、移動しながら食べる事を提案する。
「姉さん。
俺達の世界と違って、この世界の道は舗装されていないオフロードしかないぞ。
運転しながら飲食をする余裕なんてないぞ。」
「アマトティちゃんの所有者になった事で念力が使えるようになったから大丈夫。
念力は便利よ。
手が何本も増えたみたいなの。」
嫁は、ゼロヒト君のツッコミに笑顔で答える。
「そうか。
それならば、問題無さそうだな。
宜しく頼む。」
ゼロヒト君が、そう言いながら、嫁に頭を下げる。
「コブ。ドタ。
デザートはドライフルーツで我慢してくれ。」
「オッケー。」×2
ゼロヒト君の言葉に、コブとドタが頷く。
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