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魔法大全(ウルオール図書館蔵)  作者: Sillver
第1章・魔法理論の基礎
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1-3・魔法の成功条件

 さて、これからは魔法の成功条件と制約について語っていこうと思う。魔法全てに共通するのは『魔力』と『詠唱』あるいは『魔法陣』を必要とすることだ。

 通常の魔法は魔力と詠唱を、儀式魔法の場合は全ての要素を満たして初めて魔法は使用することができる。ただし、制約に反した場合は良くて不発、悪くするとその命を持って世界の根幹を揺るがせた代償を支払うことになる。重々気を付けられたし。

 以下、5項目の成功条件を書いていく。魔法を扱う際には、毎回これらを満たしているかを確認するといいだろう。


1・魔法に対して、必要魔力が許容範囲内

 各魔法には、先人によって必要魔力量とそれに付随する許容範囲があることが分かっている。例えば、ファイア・ジャベリンと呼ばれる炎の槍を飛ばす魔法だが、これは必要魔力量が15だ。そして、許容範囲は魔力量15に対して上限は20、下限は10であることが分かっている。しっかり、必要魔力量ピッタリにすると一番威力・飛距離ともに良くなる。しかし、必要魔力量から上下するほど、威力・飛距離は下がる傾向にある。

 修練を積めば、いかにヒューマン族がちょうど何かをピッタリにするのが苦手な種族といえど出来るようになる。

 失敗例については、次節の1-4にて語っている。先に知りたいものはそちらを参照するとよいだろう。


2・詠唱が十分かつ、明瞭

 詠唱は発声して初めて意味を持つ。活舌が良いだけで、魔力の伝達効率も良くなる。すると無駄にしてしまう魔力が減り、結果的により多く魔法の修練が可能になるという事だ。

 活舌が悪い自覚のある諸君は、基本的なことに立ち返ることをお薦めする。つまり、一音一音ゆっくりと発声するのだ。速さなど、そのうち追いついてくる。しかし、発声時の妙な癖は一度つくと中々矯正することが難しい。

 後になって矯正に時間がとられるくらいなら、最初の基礎に時間をかけるべきだ。


3・魔法陣に不備がない

 これは、後に触れる儀式魔法に関わる。魔法陣は、儀式魔法に必須の物だからだ。詳しいことは、儀式魔法に関する場にて語る。

 今この場で言えることは、正しく発動する魔法陣は美しいものだという事だ。美しくない魔法陣を使うとどうなるかは、1-4にて確かめるといいだろう。


4・媒体の量、質が良い

 これも儀式魔法に使う魔法陣で必要になるものだ。儀式魔法では自分の魔力以外に消費しなくてはならない物の量や品質が魔法の成否に関わってくる。量や品質が適正であればあるほど、消費する自分自身の魔力量も減り効果も高くなるのだ。

 媒体の中には滅多に手に入らない稀少な物もある。そういう物に限って偽物が出回っていたりする。諸君も気を付けることだ。

 媒体の中には、術者の鑑定眼や知識を試してくるものもある。様々なものを見て、触れて、感じて己の血肉とするのが魔法使いの仕事だ。


5・精神が安定している

 魔法に対して適切な魔力を収束するのも、正しく美しい発音をすることも。究極的には、精神面が安定しているという部分が大きく関わってくる。どのような状況にあっても、最後に己の行く末を決めるのは己の精神だ。

 故に、いついかなる時でも冷静さを保てるだけの心の強さが魔法には必要になる。これは、生来の性格などもかかわってくる。しかし、知識や修練を積んでいればそれだけで支えになることもある。

 知識や情報は武器だ。目には見えずとも、我々の心に自信と余裕という鎧と剣を与えてくれる。それらを鍛える鍛冶師は、己であるべきだ。他者から与えられた自信や余裕ほど崩れやすいものはない。

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