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序章・エルセリアにおける魔法とは

 さて、諸君は魔法というと何を思い浮かべるだろうか?手のひらから火の玉を出す。傷ついた者の怪我を癒す。何もないところから水を生み出す。土壁を瞬時に作り出す。様々な現象を思い浮かべるだろう。


 魔法とは、例に挙げたこれらの普通では説明のつかないことを起こす技術の総称だ。これを神の恩寵と讃える者もいれば、単なる自然現象の延長に過ぎないと論じる者もいる。両者の側面があるからこそ、何らかの法則があると考える者もいる。魔法が『物理的法則に縛られた現象』なのか『信仰』であるかは今も昔も議論を重ねて来たが、結論は未だに出ていない。一つ確かに言えることがあるとすれば、それは生物によって操られているということだ。


 古来よりエルセリアではこの魔法を利用して、日々の生活を豊かにしてきた背景がある。当然、そうなると全ての人々が等しく『魔法使い』なのではないかと疑問に思うだろう。答えは否だ。確かに、生活に必要な魔法はどんな生物でも使えるが、魔法使いと呼ばれるには、生活に必要な魔法以上の高度な魔法を使える必要があるのだ。魔法を発動させる魔力が重要なのではない。


 生物の魔力は生涯成長していくからだ。必要なのは、知識とそれに付随する精密なコントロールだ。これは、独学で身に付けるのはかなり難しい。故に、教育を受けられる貴族や富裕層に魔法使いが多く排出されることになった。


 近年では、民間からも優秀な人材を求めて、稀有な才能を持つ者や年に見合わぬ魔力量を持つ者に貴族が後見人なり、教育を受けさせることが増えてきた。これについては、後述する魔法史にて触れていくので、今は『魔法によって文明を発展させてきた』ということだけ覚えていてくれればいい。


 エルセリアでは、魔法は大別して2種類に分けることができる。例に挙げたような『属性魔法』とそれらに含まれない魔法だ。属性魔法に含まれない魔法には大別して2種類存在し、無属性魔法と儀式魔法に分かれる。


 つまり、魔法という大きな括りから属性の有無で大きく2つに分けられる。属性のあるもの、無いもの。それぞれがさらに細分化されてまとめられるのである。この魔法の分類も、それ1つだけで学問の1分野となる程度には研究者がいて、また分類の仕方も様々な観点などから幾つか用意されているほどである。本書では最も基本的な属性由来の分類方法に則って紹介を進めていく。

 次の1章からはすべての魔法に共通する発動方法や制約について語っていくことにしよう。

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