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魔法大全(ウルオール図書館蔵)  作者: Sillver
第2章・詠唱基礎理論

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2-4・詠唱の構造

 近年の研究では魔法ごとに効率の良い詠唱があることが分かっている。そのため、魔力効率の良い詠唱を発見した者には報奨金が支払われるなどの政策がとられている。また、詠唱によっては特殊な効果が魔法に付与されるものもある。そういったものは、門外不出として扱われている。こういった観点から、自らが唱えている詠唱の構造と意味を知ることは、魔法使いとして大成する一番の早道になるだろう。


詠唱の分類

 現在の詠唱は、目的に応じていくつかの段階がある。2~4語の短詠唱、5~7語の中詠唱、8語以上の詩文的詠唱だ。

 多くの場合、詠唱は主語や動詞を明示せず、複数の古代語名詞を連ねることで魔法の性質や目的を表現している。これは、詩のように表現し、言葉を意図的に削ったり重ねる事によって意味を凝縮する『象徴語法』と考えられている。この語法により、詠唱の対解析性能と魔力消費の抑制が両立されることも多い。

 ここからは順に、短文詠唱から紹介しよう。


短文詠唱

Neer kur surrネール・クル・スルー水+旅+する→水流を操る

Gor maalゴル・マール土+円→土属性の盾魔法


 例として挙げた2つを見ると分かる様に、古代エルセリア語に置ける詠唱は、まず属性の定義から始まる。その後、どのような挙動や形状を示す語が続く。現代のように体系として整えられる以前から、古代エルセリア語を扱う人々は体感と経験則によって、こうした語順が魔法を発動させやすいことを理解していたと考えられている。


中詠唱

Isal u kais i isenイサル・ウ・カイス・イ・イセン魔法+始まり+交差点+破壊+意志+魔法+流れ→魔法の強制停止


 中詠唱で詳しく解説する例は、いざ危機に瀕したときに諸君が身を守れるように、魔法の強制停止の詠唱を選んだ。また、この魔法の詠唱は実に中詠唱としての見本に優れている。通常、中詠唱とは5から7語程度の語句を用いる。短詠唱よりも多くの語を重ねることにより、魔法の精度や効果の複雑性を向上させることができる。

 一方で、語句が増えれば増えるほど、魔法発動までのタイムラグは長くなる。そのため、使用には適切な状況判断が求められる。

 中詠唱は、短詠唱では補いきれない意図・対象・効果範囲・挙動に至るまで細分化や明示を行いたいときに使用される。例に挙げた魔法の強制停止では、『魔法』や『意志』、『破壊』といった語を組み合わせ、単なる属性干渉ではなく、強制的な停止であることを世界に明示しているのである。

 また、語順は『主目的の宣言→支える意図や要素→結果の明示』となっている。これは、多くの中詠唱、詩文詠唱に見られる構造で、短詠唱が意味の凝縮と発動速度を重視するのに対して、中詠唱や詩文詠唱は象徴語法の特性をより強く漂わせている。


詩文詠唱

Wikrus koor.yomis kur sur.Ten sor en aine(ウィクルス・コール。ヨミス・クル・スルー。テン・ソル・エン・アイン)→囁き+来訪+呼びかけ+(夜+失敗)幻惑+旅+通り過ぎる+照らす+太陽+意志+光


 詩文詠唱とは、8語以上の語句を用いて構成される象徴語法の最も純粋な形の1つだ。語の1つひとつが持つ多様性と象徴性を利用し、重ね合わせ連ねることで複数の意味を同時かつ積層的に構築する。

 この形式の詠唱では、通常の魔法詠唱とは異なる部分がある。それは、明確な命令や効果の指定よりも、術者の内面や概念的な意志を世界に提示することが重視されることだ。そのため、発動には時間がかかるが、生命・精神・広範囲操作・儀式などにおいて高い適性を持つ。

 事前に提示してある例にある通り、詩文詠唱においては単語の順序だけでなく重なり、流れまでもが意味の一部となる。そのため、他の術者が同じ語句を用いて詠唱したとしても、同じ効果になるとは限らない。なぜなら、個々によって語句の解釈が違うからだ。この差は、詠唱において機密性を保つことに寄与している。

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