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鉄壁の運び屋 零ノ式 ー記憶の欠片ー  作者: きつねうどん
【おまけ】
16/16

時系列まとめ

これで最後となりますが、とりあえず要所要所ではありますが時系列順にどのグループがどの情報を持っていて、どのような対応をしたのかまとめたいと思います。


1.最初の6人


とりあえず、東海道、東北、上陸の6人が集まった所からにしましょうか?

大体5〜6年の間に全メンバーが揃ったという形に今作はなると思います。

東海道新幹線も来年で60周年と言う事で大体史実の10倍ペースで進行していると考えて頂くと分かりやすいかもしれません。


一覧にするとこんな感じですね、基本的に史実通りです。

児玉と光莉は同時期ではありませんが児玉は特急時代も少し意識しているので許してやって下さい。


東海道:児玉→光莉→望海


東北:山岸・青葉→翼→那須野→小町→颯→隼


上越:旭・朱鷺田→谷川


北陸(長野):浅間→希輝・白鷹・剣城


九州&西九州:燕→瑞穂・咲羅→海鴎


初期メンは個人的に凄くバランスが良いメンバーだなと思ったんですが、何で6人中3人がゲイとバイなんですかね。その時点で可笑しいですよね。

作者も色々と上越の可能性を追っていて、初期案というか連載開始前に頭の隅っこに置いていた設定があって。


まず、初期は「とき」と「たにがわ」のみを登場させる予定だったので朱鷺田を30代ぐらいの男性にして、谷川を15歳ぐらいの少年にして師弟関係というか、谷川が朱鷺田の付き人みたいな感じにしようと思ったんですよ。史実の年齢差も考慮して。

ただ、そうなると朱鷺田が元ネタ的に「各駅停車→引退→最速達」という波瀾万丈なキャリアをもっている時点でやっぱり歪んでいると言うか、捻くれてしまうのは必然かなと感じましたね。


「俺なんかよりももっと相応しい奴がいただろうに」と「あさひ」の名は出さなくともそれを示唆するような発言をしていたと思うんですよ。それ以上に全体のバランスを見た時に朱鷺田と谷川の漫才は見れたとしても、他のキャラクターと絡むかと言われたらかなり難しいんですよね。作者が上越に閉鎖的なイメージを持ったのもこれが関係しています。

それと同時に今作で谷川が居候設定なのも住み込みで谷川少年が朱鷺田の側にいたという設定の名残りですね。


だからこそ、応急処置として最速達で名前的にも陽気なのがわかる「あさひ」がいてくれた方が他のグループにも橋渡しが出来るので良いと思って。そこから派生して、朱鷺田の元相棒で谷川から見ても一時期ではありますが優しいお師匠さんとしていてくれた人という形にしようと思ったのですが、やっぱり全体のバランス調整はしないといけなくて。


各グループに必ず男女1人づついないとバランスが取れないので、最速達の「あさひ」「とき」は初期案同様、男性に固定で「たにがわ」は名前的にも清涼感があるので女性でいいと思ったんですがそうなると師弟関係って難しいんですよね。しかも、一応最年長は児玉と決めていたのでそれよりも年齢を下げないといけない。

3人の年齢を下げて、かつローテーションしても違和感のない設定って言ったら幼馴染ぐらいしか思いつかないんですよ。


だからと言って朱鷺田、旭と谷川の年齢差をつけるのも難しいのでとりあえず1歳差で調整しましたね。

と言うか、そのあと朱鷺田を政治家の息子設定にしてしまってその身分で1人暮らしってありえない事はないけど比良坂町という舞台上凄く危険なんですよね。

だったら初期案同様、3人で一緒に住んでもらって其方の方が旭の立ち位置的にも「昔は一緒にいたけど、今はいないメンバーがいるんだな」と分かりやすく紹介出来るので連載時点ではそのように考えてましたね。まさかこんな事になるとは思ってもいませんでしたが。


ただ、児玉や光莉のようにずっと一緒にいる関係だと確かに絆が芽生えやすいというか表現はし易いんですよ。

ただ、山岸や青葉、旭や朱鷺田の場合って一回どっちかが離脱してしまってるんですよね。しかも上越の場合はお互い居ない時を過ごしている状態なのでその間相手の事をどう思っているのか?にスポットが当たり易いんですよね。

それを考えると山岸と青葉の場合だったら、異性同士で山岸は今もいない青葉の事を思ってると考えると恋愛感情に近くなるんですよね。

だからこそ、夫婦という言葉が使えたんですが上越の場合、同性同士なのでそれが表現し辛い。伝わりにくいというのは思ってました。


それに近い状況を作るとなると行方不明や死亡と言った暗い設定になってしまうので、元ネタも考慮すると好ましくないんですよね。

しかも「あさひ」は最速達であり、当時世界一の速度記録を持っていた。そんな彼がピンチに陥いる状況って、他のメンバーでも対応出来ない可能性が高いです。

それを踏まえると、旭が離脱しなければならない状況を作り出す事が本編での課題でした。


そして、作者気づいてしまったのですが時系列的に《顔合わせ》のエピソードと本作の捌話って流れ的に繋がるんですよ。そんな中で光莉が不機嫌だった理由が作者の意図とは異なる事に気づきまして。

山岸と青葉が来る前に旭と朱鷺田もいたじゃないんですか。その中で。


「...トッキー、俺。何か間違えたかな?」


「いや、旭は何も可笑しな事はしてないと思う。問題は俺の方かもしれない」


と言うんですね。作者は最初、子供好きの朱鷺田が先輩である光莉に対して容姿をみて子供扱いしてしまったのかと思ったんですが。そうではなくて。


旭の発言→角筈が承認されなかった事を、自身は粘りもせずあっさりと認めてしまった事。


朱鷺田の発言→当時、側にいなかった為。何もしてあげられなかったら。


と言う解釈も出来るのかな?と。

そんな中で光莉は可愛い後輩の望みが叶わなかった事に苛立ちを覚えて、仕事人間ですし自分が現場に行って早く功績を立てた方がいいんじゃないか?と子供ながらに考えたのかもしれません。


2.旭の行方


本編の一連の騒動を“事変”と呼ぶのであればいち早くに行動したのは紛れもなく旭ですね。このへんは《日没》で書いています。

まず身内である谷川は全ての事情を知っているため、後は報告待ちと言った所ですかね。

朱鷺田に関しては谷川が「みどり君が黙ってないよ」と言うように真実を話せば絶対に旭を止めるのは必然でした。

当たり前ですよね、愛しの旦那様が危険な事をしようとしているのですから。

それも旭は考慮して何も言わなかった。と言うより、朱鷺田の性格的に父親を問い詰めてしまい泳がせるという事も出来なくなるからですね。仲も険悪なので尚更。

だったらまだ「愛想尽かされて逃げられた」と思わせておいた方がマシな訳です。


他のグループ、特に山岸は「そんなにやばい案件なのか?」と警戒していましたね。

彼の中では旭がそんな簡単に朱鷺田達と離れる筈がないと言う信用があったんでしょうね。山岸は勘というか本質を突く発言も多いので。

ただ、彼の立場的に何の手がかりもなく大所帯を率いるというのは出来ません。リーダーという立場なら尚更。


そんな中で活発に動いていたのが北陸組ですね。

希輝を中心に旭の行方を探していました。

その為に行動範囲を広げようとしていた、それが彼らの目的ですね。

それを考えると終盤で彼らの目的は達成されたという事になります。


そして主人公とも言える東海道組に関してですが、どちらかと言うと朱鷺田と同じような考えを持っていたと思います。

何故かと言うと児玉が当時、中学生だった旭の相談に乗っていた為ですね。朱鷺田との関係が上手くいっていないのは彼も分かっているわけです。

それと光莉も仕事に関連して角筈の希望が叶わなかった事、それでも我慢して仕事を続けていたけど現状が変わらない事を旭が(うれ)いで羽休めの為にも朱鷺田や仕事から離れたのではないか?と考え、今はそっとしておこうと思ったのかもしれません。


そして当の本人の旭は、秋津基地の存在を知り外の世界に突破口があると思っていたのではないでしょうか?

幼い頃から朝日が見たいという願いが叶うかもしれない。

自分と朱鷺田の関係を正式に認めてもらえる所が外の世界にあるかもしれないという希望ですね。

ただ、角筈の問題については旭本人でも解決出来ません。

そこで朱鷺田の力が必要なのです。彼は町長の息子として色んな所に顔が効きます。角筈についても同様です。

今回の事変により、角筈で資料を調べ上げ戦果を挙げた事によってその行動が有効かつ人の役に立つことをアピールする事が出来ました。

本編後は他のグループの延伸ラッシュも合わさって、節子の口添えもあり認められていると思います。


3.三色の血について


節子から“黄色い血”について知った東海道組。

元々の情報の発端は九州組でしたね。児玉から赤い血と青い血に関して情報が出ましたが、それより前に知っているグループがありました。

それが東北組ですね。颯のルーツも合わさり、グループ間で共有しているものと思われます。


そんな中で姫乃の救出に協力してくれたのが隼でした。

他のグループはあまりそう言った事を話している所はないですね。

と言うか人魚の有効打が炎な以上、焼死扱いになるので血をそもそも流さないんですよ。

環境が整っていない、尚且つ武器不足である九州組だからこそ出来たのかもしれません。


4.Dr.黄泉について


ここが一番、情報量に差異が出てくる所ですね。

Dr.黄泉を東海道組は児玉が接触した事があるようですが他2人はありませんでした。

そんな中で東北組はコードまで知り、駆けつけてくれる事を知っていました。

これは、青葉の離脱や颯、隼の病も合わさって頼る事が多かった為ですね。


上越に関してですが、まずDr.黄泉に頼らなくてはならない場面って条件があって「1人でいる事」「壁に近い危険区域にいる事」「人魚に狙われ易い男性である事」が怪我を一番し易い状況なんですよね。

本編や小話集、今作もそうなんですが壁から近い、遠いの基準についてですがリアルの日本地図と幹線を重ね合わせて、水辺=海に近い場所が壁に近い危険区域という設定にしてあります。


なので本編で浅間が火事の際に「山岸さん達の担当場所は壁から離れているので到着が遅れるそうです」これは実際に東北新幹線が海岸ではなく内陸に沿って存在しているのでそれに合わせています。

今作でも浅間の担当場所に黄泉が来て「ここは壁から離れているけど」と言うのですが長野県は内陸にあるためですね。


それを踏まえると上越新幹線の場合、1番海に近いのは新潟駅です。

そこを担当していたのは「あさひ」です。

しかも越後湯沢駅以降北は「あさひ」一種類しか走行してないので今作でも旭は1人で危険区域に行かなければなりません。

しかも彼は男性です。旭は幼い頃にゆかりちゃんと結婚の約束をしたので丁重にお断りしなければなりません。

その為の毘沙門天ですが、防御特化という事は持久戦になる為大きな傷を負う事はないにしても軽傷は免れないでしょう。


同じ立場にいる朱鷺田の場合ですが、本作でも描写した通り「綺麗な顔」をしてるんですよね。作者としては女顔、美人のイメージでやっていたので人魚からしたら性別の区別がつきにくいんですよ。だから、被害を受けにくい。完全に旭、とバッチリくらってますね。


同じ条件だと海鴎も当てはまりますね。彼はハーフなので人魚からどう見られるのか作者も不明ですが、両親が運び屋と女医なので迅速に対応出来ますし彼は新入りですから被害もそんなに無かったと思います。


北陸組は希輝達の場合、愛と面識はあるけど黄泉はありません。

やっぱり、新入りというのもあってドクターコールについて詳しく知らないようですね。多分、困ったときは浅間先輩に聞いて彼女が迅速に対応してくれたのでしょうね。

九州組は何度か面識はあるかもしれませんが、行動範囲が狭いので中々遭遇出来ませんし電波の関係上呼び出しも難しいんですよね。


と言うか、1番可笑しいのって東海道組なんですよ。

1番のベテランが黄泉を知らないって、怪我したときどうしてたんですかね?いや、そもそもあの3人って怪我するんですかね?

なんか風邪とかもひかないんでしょうね。

多忙なので健康には気をつけていると思いますけど、恐ろしいですね。


5.外の世界について


外の世界の情報を持っているのは1番最初は海外に行っていた圭太。

そのあと、壁を破壊し海へと持って行った黄泉と零央。

秋津基地に関しては旭が一番詳しいですね。


なんか比良坂町って、金持ちというか良家が多いですよね。

元々、高級住宅街か何かだったんですかね?

秋津基地が比良坂町の側にできたのも海の近くで騒音問題も解決出来るから。いや、それ以上に谷川の祖父の指示でしょうね。

緑の血という、異質な存在を一纏めにした場所を彼は自分で管理し見張っておきたかった。そう思います。


6.参区の晩餐会


話は飛んで、姫乃を救出する為に参加した晩餐会から。

ここの参加者は圭太、瑞稀、そして朱鷺田ですね。

この3人は性別が迷子というか自身の性別とは逆の事をしている人達ですね。

ここで朱鷺田が覚醒して仲間に加わると言った感じですね。

裏主人公が旭だとすれば裏のヒロインは朱鷺田ですよね完全に。

本編を書いてる時も、終盤に差し掛かった時「あれっ?朱鷺田立ち位置的ってヒロインじゃね?」と思ってました。


歌舞伎って女方が主役の舞台だとドロドロしてるものも多くて圭太の言うように悲劇のヒロインが多いんですよ。だから、皮肉として圭太に「いつまで悲劇のヒロインでいるつもり?」と言わせました。

そのあとは秋津基地に関して全体で情報共有がされる事になりますね。


7.初嶺について


ここで動いたのは東北組の3人と望海、零央ですね。

他のグループは正直言って見守るというか静観するしかないですよね。戦闘に秀でた5人をかき集めたという感じですね。

初嶺を仲間に加えた事で試験車トリオの誕生と怒涛の延伸ラッシュが開始されました。


それを考えると、初嶺の両親って純血に近い赤い血を持っていたんでしょうね。ただ、そう言った貴重な存在って狙われ易そうですよね、利用されたりとか。

多分、両親もそれを危惧して初嶺を逃したのかもしれません。


8.比良坂町の真実


後半は群像劇のように多数の視点を組み合わせて真実を暴くと言うのがこの作品のメインでした。

上越以外は戦闘をメインとしていましたね。

人質になったクルーズトレイン組も各グループのサポートに回ってもらいました。

特に亘は琉球の場所を知らせる為に必要な存在です。


各グループの最終目的としては


東海道:4つの血の人々がどう生きていくのか?

東北:青葉との再会

上越:旭との再会

北陸:上越と同じ

九州・西九州:東海道と同じ


となってくるのかな?と思います。それぞれがそれぞれの目的をもって行動するのが群像劇の醍醐味ですよね。

これにて、本編&解説、時系列まとめは以上となります。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

皆様、鉄分の過剰摂取にはお気をつけ下さい。

作者のような変態になる可能性があります、正直自分でも「魔改造してるな」と「原型ないやん」と思う事があります。

それでは良いお年を、失礼いたします。

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