元ネタ解説&作者の感想
皆さんこんにちは、きつねうどんです。
この度「鉄壁の運び屋 零ノ式」を読んでいただきありがとうございます。
今回、真相究明編的な扱いをしているので中々衝撃的というか、震撼させるような話が多く読者の皆様に大変なご苦労をかけました事をこの場でお詫びしたいと思います。
前作「鉄壁の運び屋」ではキャラクター紹介ですとか解説は入れたのですが、作者の主観と言いますかこのキャラってこうだよな?みたいなのをあえて入れませんでした。
思考ロックは良くないですし、情報は渡して読者の皆様にはそれぞれの解釈を楽しんでもらいたいという思いもあったからです。
ですので今回は作者から見る「鉄壁の運び屋」について赤裸々にご紹介したいと言います。
タイトルについてですが、本編では物理的な壁を乗り越えてもらいましたが、今回は社会問題という名の壁を乗り越えて欲しいという意味合いを持たせています。
「鉄壁」って“鉄壁の守り”と言うように攻防戦で良く使われる言葉ですよね。
作者の解釈としては、攻め側はそのものを突破していく事。
守り側はその思いが揺らぐ事なく、続いていく事を意識して書かせていただきました。
第1章 「始まりと栄光」
第壱話
児玉相談役の活躍回ですね。ここから山岸や旭ルートのご紹介を出来たら良いなと思い入れました。
「こだま」という東海道新幹線の各駅停車というポジションがいいんでしょうね。ベテランだけど、偉そうにしないというか縁の下の力持ちというのが彼の魅力なんだと言います。
本編の方でも「ヒーロー願望もない」みたいな事を言っていて彼らしいなと思っていました。
1982年組のテーマとしては「セクシャルマイノリティとその理解者」ですね。
「やまびこ」=山岸をバイセクシャルとして描写しましたが、単純に「こまち」や「つばさ」と連結経験があるという安直な物でした。
バディとか言いつつ、カップルみたいな言動が多いのは裏設定でもないんですが性的思考を表現してるという意味にも繋がっていました。
なのでそれを考えると隼、颯、那須野は異性愛者みたいな法則性を作る事も出来ます。小町も同じですね。
翼はね...おそらく、彼は望海が好きなんだと言います。
ただ、仲が良すぎて火の玉ストレートを投げ合う仲みたいになってるので。案外、山岸と一緒にいる方が落ち着いて仕事が出来るのかもしれません。
ただ、望海がガタイの良い咲羅を怖がるのはいつも小柄な翼が側にいるから余計に怖いみたいなのはありそうですね。
でも、玉ちゃんは自分の中では大きいイメージがあって180cmありそうだなとは思ってます。16両編成ですしね。
山岸も旭も男性キャラだと3、4番目ぐらいには大きそうですね。
それぞれ178cm、176cmぐらいはありそうだなと考えてました。
山岸の野球少年設定は岩手県や宮城県は野球が盛んな地域であり、プロ野球選手の出身地ですとか野球の名門校も多い為ですね。
二刀流なのも岩手県出身の大谷翔平選手に由来します。
「リアル年齢」の際に颯が隼にキャッチボールに誘うのは父親の影響というか山岸の影響ですね。
彼の好物もそれに合わせてハンバーグとか、じゃじゃ麺や冷麺が良いなと考えています。牛タンやずんだ餅が好きなのは青葉の方ですね。
対して、メチャクチャ深刻な旭の方に入りたいと思います。
旭には本当に苦労をかけてしまい申し訳ない気持ちで一杯だったのですが、相方が相方だしなと半ば諦めていました。
旭は朱鷺田に対してマジでキレて良いと思います。作者が許可します。
旭にとっての最悪のシナリオって朱鷺田が自分の恋心に気づいてもらえず別の人と結婚する事だと思うんですよね。
そんな事はさせませんし、谷川がまず朱鷺田に対してブチ切れますし、母親も旭の味方をすると思うので大丈夫だと思います。
旭の実家が銀行を経営し、金庫に金塊があるのは佐渡金山をモチーフにさせて頂きました。
現在は廃坑しているという事で没落したという表記をしました。
「あさひ」「とき」をゲイセクシャルにするというとんでもない事をした作者ですが、複数理由がありまして。3章の方で懇切丁寧にお伝えしたいと思うのですが、1番の理由としては新宿を起点にする計画があった事。また、延伸計画がある事というのが大きかったですね。
新宿という町、ここはショッピングでも旗艦店も多く東京都庁もあり華やかな地域ですね。歌舞伎町も有名だと思います。
その中でもですね特徴的なのは「新宿二丁目」と呼ばれる世界でも有名なゲイタウンがある為ですね。
「...うわっ、そう言う事かよ」と連載終了後、本編や小話集を確認していた時に旭と朱鷺田の行動がそれに沿っている物だと言う事に気づいて、作者も無意識に書いてしまったのかもしれませんが「ちょっとこれはアカン」と思って。
いや、逆にプッシュしてあげた方が良いのでは?といても経ってもいられなくてコイツらの為に今作書いたぐらいには悩んでました。
話はそれますが隼についても同様ですね。
同じく2章の方で説明させて頂きますが、本編を読んでいる時に疑問点があって「何で隼って、エースって言われてるのに皆んなから守られているんだ?何か訳ありなんじゃないか?」って作者がいう事ではないんですが勘繰っている所が多かったですね。
それに拍車をかけたのが小話集で隼の登場回を確認した時に、点と点が一本の線に繋がって「あー、これ。本当に病を患っているのは颯じゃなくて隼の方だったのか。そうだよな。何か可笑しいと思ったんだよな」と一つの説に辿り着きました。発達障害、ASDですね。
彼の特徴とASDの特徴がかなり一致していまして、相変わらず後で懇切丁寧に説明させて頂きますが単語を並べると容姿端麗、無表情、感情が乏しい或いは表に出ない、偏食、感性が鋭く芸術センス(隼の場合は音楽)が高い、子供のようなリアクションや仕草をする、歯に衣着せぬ発言が多いなどが当てはまりますね。
というか、隼の特徴全部に当てはまってるんじゃないかってぐらい類似性があるんですよね。
ただ元ネタの「はやぶさ」を考えると納得出来る事もあって。
通常運転での最高速度320km/hを叩き出す存在であるという事は周囲とは違うずば抜けた存在でもあるという事でもあります。
発達障害の皆さんは感性が鋭い故に日常生活で沢山の困難を抱えていらっしゃいます。
ですが、多分野において新しい発見や世間に貢献してきた偉人もまた発達障害である事も多いので環境を整える事によって誰にも負けない才能を発揮出来るよ。というのを一貫したメッセージとして書かせていただきました。
ただ、現実は厳しいもので理解を得られなかったり、言えなくてそれを隠しながら生活されている方もいらっしゃいます。
隼の場合は極めてレアケースなのは重々承知していますが、少しでも心の拠り所になれれば幸いです。
第弍話
児玉と光莉の馴れ初め回ですね。
光莉が両親の墓に石を投げようとするのは織田信長のエピソードに由来します。
信長が父親の葬式中に位牌に抹香を投げつけたからですね。少しアレンジさせて頂きました。
光莉が壁に落書きをしていますが、モデルとなったベルリンの壁も沢山の落書きアートがある為ですね。
正直、初期組のペアって各駅停車が女房役になってしまう印象が強いですね。
試しに児玉、青葉、朱鷺田で話を書いてみた事があるんですが、完全にゴルフで旦那達が外に行っちゃって自分達は興味ないからお茶飲んでおしゃべりしてる婦人達みたいな事になったのでお蔵入りになりました。
旦那達というのは光莉、山岸、旭の事ですね。コイツらは何かアクティブそうだなと思ってました。
光莉も白鷹とバスケしたり、山岸も野球経験あるし、旭はウインタースポーツが得意そうですよね。スノボとか上手いんだろうなと思ってました。
そんな中で光莉と児玉は年齢差が開いているというのもあって、カラッとしているというか1番友情や親愛が強いコンビなのかな?と思いました。
本当はその役割は「あさひ」「とき」にお願いしたかったんですけど、角栄パパは勿論、作者にも言う事を聞いてくれないので結果的にこうなりました。
一様、どの年代を見ても男女比が偏らないようには工夫させて頂きました。
特に最速達経験者「ひかり」「のぞみ」「やまびこ」「はやて」「はやぶさ」「あさひ」「とき」「かがやき」「みずほ」はチームの顔になると言う事で東北、上越はどの年代でも男性が、東海道は女性がという形にはなってます。
東西で綺麗に別れてるんですよね。東の最速達は男性。西の最速達は女性みたいな感じです。
正直、綺麗に決まったなと安心していたのですがまさか、事故が起こるとは思いませんでした。
第参話
望海との馴れ初めエピソードですね。
本編で非常に後悔した事がありまして、キャラクターの外見を全然描写出来てないんですよね。
本当に申し訳ありません。一応、イメージはあるんですが入れる隙間もタイミングもなくて初回から全員顔見知りみたいな感じで、初対面でもないので説明する機会もありませんでした。
望海は本当に正統派の大和撫子という感じですね。
作者は髪とか目の色はカラフルでいて欲しいという人なので、キャラクターに似合っていれば採用します。
東海道組のテーマとしては「家庭環境」ですかね。
大雑把ではありますが、児玉や零央のような子供を信じて送り出してくれる家族もいれば。
望海のように理想を押し付けてくる母親もいる。逆に放置されてしまった光莉のような子もいると。
正直、圭太も同じ事を言われてたと思うんですよね。「お姉ちゃんも頑張ってるから貴方も頑張りなさい」って本人の前では誉めずに他の兄弟に言うみたいな。
正直、そう言うのって現代の闇というか連鎖していくものなのかな?と感じてしまいますね。
光莉や望海は児玉という正しいお父さん(作者にとってのという考えはありますが)に出会えた事で解決していくという風になってます。
だからこそ零央は本当に真っ直ぐというか、スクスク育った子というイメージで書いてましたね。
最初、賢すぎて父親に甘えられないという危うい所もありましたが皆んなと一緒に解決していくという風になってます。
圭太に関しては姉からの依存を海外、環境を変える事によって脱出していくという風に考えています。
彼はお芝居一筋という事もありますし、あの性格ですから比良坂町に馴染めなかったと思うんですよね。
何か友達も居なさそうだなという風に思ってました。
というか、元ネタはイギリスの車両なので其方に合わせてたというのもありますね。
皮肉が効いてて、二枚舌な所がある。ティムもそんな感じだったと思います。
ジャベリンとの出会いで自分は自分で良いんだと自己を確立していくというか、自分に自信を持つようになると。
本編後の圭太なら自分の演技をしてくれると信じています。
児玉が望海達2人を「姉妹のようだ」とか「昼の太陽は光莉、夜の月は望海」という表現をしましたが以前ご紹介しました先代の「ひかり」と「のぞみ」に関連しています。
姉妹列車で「ひかり」は日中の運行。「のぞみ」は夜行列車だったという事で入れています。
それに加えて「あさひ」も朝鮮半島・旧満州国鉄道に名前がある為、2人に親近感を抱いているという風にしています。
燕の大叔父として登場した斑鳩おじちゃんの元ネタは特急「はと」ですね。
本間家、夢野家、東屋に関わりがあるのは同じ満州鉄道に名前があった為です。
「つばめ」「かもめ」「はと」の関係性については後ほどご紹介します。
第2章「愛しい君へ」
章のタイトルの元ネタは郡山駅のメロディーにもなってますGReeeeNの「キセキ」から拝借させて頂きました。
出来るだけ、それぞれのキャラクター達が自分達でタイトルをつけている感じにしたかったので、山岸だったら野球ドラマも知ってるだろうし、「やまびこ」は郡山駅に停車するし、メンバーの事を大事に思っているんだろうなと思って付けさせて頂きました。
郡山出身のアーティストという事で、それに合わせて那須野の実家が歯医者なのもメンバー全員が兼業で歯医者をしている為ですね。
第肆話
青葉との馴れ初め回ですね。本編の中で山岸と青葉について余り描写出来ていなかったので良い機会だとおもい入れさせて頂きました。正直、怖かったんですよね。2人の関係を描くのが。
山岸もあんなんだし、最初青葉も承知の上でカモフラージュというか仮面夫婦だったんじゃないかって思ってしまったんですよね。お互い「青葉さん」とか「寿彦さん」と呼び合っていて距離感もあるし。
ただ、本編もそうですし小話集を書いていくと案外そうでもないと。
寧ろ、硬い絆で結ばれた夫婦なんだなというのが伝わってきて嬉しかったですね。
ここまで来たら大丈夫そうだなと思って、描写させて頂きました。
ただ、山岸って青葉に対してはウブそうですよね。
チョコレートで喜んでるし、手を繋ぐ時も照れてるし。連結マスターが聞いて呆れますよ。
東北組のテーマは「病とそれを支える人達」ですね。
今回、青葉を摂食障害という形で描写させて頂いたんですが「あさひ」「あおば」のテーマとして昔は理解されなかったけど現代になって知識が広まってきた事。みたいな風に共通点を持たせてみました。
近年はSNSの普及もあってか、女性が過酷なダイエットをする事が多くなってきたように思います。
摂食障害=女性の病という偏見は良くないですがそんなイメージを持ってしまうほど、自分の外見やスタイルにストイックな方が多いように感じますね。青葉もファッションに敏感という設定の為、尚更気にしたと思いますね。
青葉が「団子鼻」と言われたとありましたがこれは200系の愛称ですね。
可愛らしいという意味で言われていたのですが、今回は悪口のような意味に変換されてしまいました。
山岸がラッピングに緑と白のリボンをもってきたのも其方に由来します。
他にも「ミスコン準グランプリ」と表記しましたが「あおば」の名は名前公募で2位だった事から入れてます。
1位は「みちのく」5位に「やまびこ」が入っています。
この設定が上手い事噛み合いまして、上越もですね田中角栄と上杉謙信の要素を足し合せたらBLになったっていう科学反応があったように東北でも同じ事が起きました。伊達政宗には感謝しかありませんね。
山岸が健康食を作っているという事にして、それを青葉が知ると。
彼がいつも料理を作ってくれるのは、青葉の摂食障害もそうですし隼の偏食を解決する為なんですよね。
それを思うと、隼が青葉に対して興味を持つのも分かるというか。
同じ食に対して問題を抱えてる2人にしか分からない苦労なんかもあるのかな?という風に思ってます。
隼はその気持ちに応えるように「愛情はいいから弁当だけよこせ」と催促していたのかもしれません。
第伍話
颯との馴れ初め回です。1番あり得なさそうな人にあり得ない設定を付けるのが作者は大好きです。
ただ、暗いというか怖い話にはなりますが青森県に関するという事だけは言っておきたいと思います。
颯が精神的にも肉体的にも病んでしまったのは青森県の地理が関係しています。
雪国という事で閉鎖的であり塩分も多い食事が多い為、病に蝕まれやすく死亡率も高いですね。
新潟もそうですが山形、秋田などの日本海側は塩分の多い食事が多いですね。
個人的に病を患った時に1番苦しいのって“寝られない”事だと思っているので颯に睡眠障害があるような描写をさせていただきました。
リストカットの本来の意味って“死にたいから”ではなく“生きたいから”する物なんですよね。
自分に痛覚を与えて、血を流して「あっ、自分はちゃんと生きてるんだな」と自覚出来る。
颯も病を患って苦しいし、辛い時もあるけどそれでも懸命に生きたいと足掻いている。
そんな彼の気持ちを表現するために描写しました。
そしてイタコの子孫という占い師のプロフィールみたいな事になってしまいましたが、イタコといえば青森県の恐山が有名ですね。本編のタイトルに「血の池」と付けた話があったと思いますが同じく恐山に由来します。
高齢化が進み、後継者がいない事。盲目、又は弱視の女性を救済する為の職業なのは元ネタ通りです。
偽物と本物を見分ける箇所もちゃんと調べました。颯の言う通り死んですぐの人は呼び出せないそうですね。
100日経過しないと無理のようです。
どこでそんな機会に恵まれるんだと思う気持ちもありますが、勉強にはなりました。
そのあと、お婆ちゃんが「期待してたんだよ。颯が運び屋になってくれるのを」と言ってくれるんですね。
「はやて」という名前は東海道新幹線開業時から候補名として上がっていて、そのあと何回も上位に入るんですが採用はされませんでした。疾走感があるのと同時に疫病を連想させる名前という事で縁起が悪いと言われていたようですね。
しかしようやく踏ん切りが付いて2002年に「はやて」はデビューしました。
ですが2011年に「はやぶさ」がデビューしたのを境に本数が激減します。
本当に颯もそうですし新幹線の「はやて」も不憫というか幸が薄い感じがして切なくなりますね。
第陸話
タイトルはあからさまに初音ミクからですね。隠す気もありません。
「はやぶさ」に由来するから分かりやすくて良いかなと思ってます。
隼が仲間に加わった時の事を描写させて頂きました。
隼って本編だと初登場時、元ネタではあり得ない事を言ってるんですよね。Dr.黄泉の事を知ってるんです。
「はやぶさ」がデビューした年にはもうイーストアイがいるので面識がないんですよ。
これは一応、裏設定として青葉が大怪我をしたから山岸がそれを警戒して隼や他のメンバーにも黄泉のコードを教えてるっていう風に考えてました。
前作に追記するのを忘れてしまいましたが、完結後の何度か小話集を改稿させて頂いてて5つぐらい追加エピソードを入れてます。
その中で母親や自分の病についてDr.黄泉から説明を受けている回があるのですが母親はADHD、隼がASDの特徴を黄泉に対して話しています。
ここでも小町が隼を守るような仕草をするんですが、確か下り方面の「はやぶさ」「こまち」って「こまち」が先頭だったような気がするんですよね。曖昧で申し訳ないんですが、それを再現しようと思って入れてたんですが他のメンバーもそのあと隼を庇うような仕草をするんですよね。
それよりも確実だなと思えるのはASDの方って本音と建前の区別が出来ないので恋愛面に置いて困難を抱えやすく、性的被害に遭いやすいです。例えば「家で映画を見よう」と相手が誘うとします。
その中には下心、相手と連結したいという意味が裏に含まれてたとしても隼の立場からしたら純粋に「映画が見たいんだな」と捉えてしまうんですね。
山岸がセクハラとして、デートに誘った時も「時間とスケジュールを守ってくれれば良いと」独特の価値観を持っていました。
小町が止めてくれたので良かったのですが、山岸はバイなので普通に危ないです。
他のメンバーも同様に隼を守ったりするような行動が見られました。次はここら辺の行動についてもご紹介したいと思います。
翼は結構分かりやすいですね。初嶺戦で隼の事を小町と庇おうとしていました。
仲間だし緊急事態なので自然な動きではありますが《タワマン暮らし》の時に1人になりたい。高い所に行きたいという隼の願いを叶えようとする所があるんですね。
発達障害の方って空間察知能力が乏しいので、周りを広く見渡せる高い所を好むんですよ。
この時「…あっ、ちょっと。発達障害者ぽいな」と思いつつ見守っていました。
元ネタ的には翼の方が年上なので、可愛がるというのは分かるんですが。歪な関係だなとは思ってました。
リーダーの山岸は《子供扱い》の時に客に対して無表情だった隼の事を助けてくれましたね。
愛想笑いが出来ない。表情が硬いのもASDの特徴でもあります。
こう言う時に地元に貢献して、しっかりと土台を作ってくれた山岸の力が必要なんですよね。
《台風》のエピソードでも全員に対して弁当を作っていましたが、偏食な隼の為と思えば納得出来ると思います。
好き嫌いが多いと栄養が偏る為ですね。
那須野も《好き嫌い》のエピソードの時、隼が嫌いな物が多い事を周りに聞こえないように節子に伝えていました。
隼のエースとしてのプライドを守る為にも思えますが、隼が偏食である事によって発達障害であるのを周りに悟らせないという思いもあったのかもしれません。
颯は1番分かりにくいですが、おそらく彼は隼が失言するのを警戒していたんだと思います。
隼自身も結構気をつけて頑張っているように思えるんですよね。
望海に対して《人気者》の際に、「俺もまだまだだよ」と本音と謙遜が混じったような発言をしたり周囲には敬語を使ったり。ただ、終始凄い硬いなという印象がありましたね。マニュアル通り話してるみたいな。
身内ならまだしも、外で失言したら仕事にも響くので隼も颯も細心の注意は払っていたように思えます。
だからこそ、颯はそれをカバーしようとして隼じゃなくて自分が先にそう言う発言をしておくと。
本来の颯にぃはもうちょっと優しい口調だと思うんですよね。《リアル年齢》の方が素に近いように思えます。
彼は面倒見が良い兄貴肌ですから、わざと嫌な先輩というか敵役を買って出てくれたように思えますね。
しかも教育係なのでそう言った場面を何回も見てきたと思うんですよ。
でも山岸から「隼が嫌な奴だと思うか?」と言われた時に戸惑う事なく「そんな風に思った事は一度もない」と言ってくれたのは彼の優しさなんだと思います。
隼もそうですし、颯もヘッドホンや手袋がピンクと紫になっているのはE5・H5系の側面の色に由来します。
皆んな、大体車体の色と同じ格好をしているという設定です。使う車体によって格好も変わっていくと。
なので山岸の場合はE2系も使用するので、白のワイシャツにピンクのネクタイという風になると思います。
個人的に望海、光莉は東海道新幹線が歴史が長いので着物というか袴姿を想像していました。
白と青のカラーリングですね。他にも朱鷺田とかは着物を着てそうだなと思っていました。
E7系のカラーリングですね。谷川はデビューが遅いので洋服をきてると思います。あったかそうな黒か青のトレンチコートをイメージしてました。
第3章「長いトンネルを抜けると」
元ネタは越後湯沢をモデルとした川端康成先生の「雪国」から拝借させて頂きました。
正式には「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」ですね。
朱鷺田が本を読んでいたシーンがありましたがおそらく「雪国」を読んでいたものと思われます。
第漆話
出たな問題児。トッキー、オマエって奴は本当に作者の言う事を聞いてくれないですね。
キャラクターってどうしても、作者の私情とか性格に似てしまう事があるんですが、トッキーは特に作者の成分が強いなと思う事があります。
それを考えると、言うこと聞かないのはお互い様なのかなという風に思います。
話を戻しまして、政治家の家に生まれたら良い事以上に悪い事の方が多いだろうなと言うのが作者のイメージでした。
父親との関係、世間からの圧力は避けられないなと。
「とき」「たにがわ」ともに電光掲示板で朱鷺色が採用されていますがこの色って通常のトキだと見る事が出来ないんですよね“羽ばたいているトキ”じゃないと見れないんです。
今回は家の中、鳥籠にいる彼が外の世界へと羽ばたいていく成長物語として書かせて頂きました。
次に作者が疑問に思っていた本編中の彼の行動についてご紹介したいと思います。
登場時、旭がいない事に対して落ち込んでいるトッキーですが、事情を知る谷川とのリアクションの差が凄くて。
そのあと、零央と話してる時も引きずっているような様子があったので正直、この時点で危ないなという印象はありました。仲間を失って悲しい気持ちはわかるけど正直失恋レベルだったので「これ、大丈夫かな?朱鷺田と旭って裏で連結してないか?」と思ってましたね。
零央に対して相談をしたのも普通の大人でも言いにくい事なのかな?という風に捉えられてしまって。
子供の前だから“大切な友達”と言ったけど本当は違う意味だったんじゃないかって今の説を思いついてから考えるようになりましたね。
そのあと、谷川が養子という単語を出すんですね。「養子、結婚しなかった、子ども好き」自体は上杉謙信からとっているのでこの時はそんなに違和感が作者の中でもなかったんですけど、トッキーと上杉謙信の人間関係は違う訳で後で気づいた時にはもう遅かったですね。後で説明します。
幼い頃、女の子の格好をしていたのも上杉謙信に女性説があって。
高貴な身分だと皇族もそうですし、アメリカの大統領などもそうなんですが男児が早世しやすいと言う事で魔除けの意味を込めて悪霊に連れて行かれないように女の子の格好をさせたりしていました。
アメリカのルーズヴェルト大統領やダグラス・マッカーサーなどにもそう言った話があって写真が残っていますね。
朱鷺田も危険な比良坂町長の1人息子ですし、立場的にあり得ない話ではないのでフレーバーとして入れたんですがBLの餌食になりました。
ゆかりちゃんが旭を「ムコいりさせます」と言うのですが、モデルの田中眞紀子氏も1人娘という事で旦那様が婿入りするという条件で結婚が認められました。
旭と合流したあと、トッキーって血圧が下がったのか大人しくなるんですよね。
「仲間が戻ってきてくれて嬉しいんだろうな」とその時は純粋に思っていました。
この時、旭も言ってましたが「口調も俺の真似をしてるみたいで怖いんだ」これは正直言って作者の体感と言わざるを得ないですね。一応、合流させるメンバーは誰が何を喋ってるか分かるように口調を分けてるんですよ。
その中で朱鷺田と旭は一人称が「俺」だったのでちょっと失敗したかな?と思いました。
「そもそも、良い所のお坊ちゃんが「俺」って言うかな?身内だしありえない話じゃないけど「僕」とか「私」の方が良かったかな?でも、幼馴染だし絶対影響でるよな、口調が移る事もあるだろうし」というのが作者の考えでした。
第捌話
ここで問題点が発覚するんですよ。
トッキーって見合い話を全部断るんですね。それ自体は上杉謙信からとってるので問題ないです。
節子の助けも借りて、なんとか窮地を脱出する事が出来ました。よかったね、じゃないんですよ。
これって、朱鷺田が見合いを断る理由が必要になってくるんですよ。
彼って子供好きだし、政治家の息子として跡取りを望むのは可笑しな話ではない訳です。
でも、谷川も彼も何故か”養子“という言葉を口にするんですよね。ここで一つの仮説が生まれます。
「朱鷺田は旭の為に見合い話を断った。でも、自分は子供好きでそれを望んでいる。男同士ではそれを叶える事ができないから養子を検討してる」と言う答えに行き着く訳です。
確かにあり得ない話ではないなと、仮説としてそう言う見方もあるよねと。でも、それは作者じゃなくて読者の皆様が考える事であって自分がそうやって強硬策に出るのはおかしいと静観してました。
してたんですが、ここでですね。田中角栄という強力なマッチポンプが発動しましてその説が正しければ周囲が黙ってない訳ですよ。少なからず反応がある訳ですよ。
これがですね、問題点だらけだったんですね。この説を更にリアルにしてしまったんです。
上越組って、協会から優遇されて会議に参加しないんですよね。
一応、後日談として朱鷺田がちゃんと会議に参加してくれてますが谷川も旭も参加してません。
この話で新宿を起点にするという希望が叶わなかった事によって協会との関係が上手く言っていないという描写に繋がってしまうんですよね。
節子って立場的に朱鷺田家より上の人ですし、断られると言う事は自分や家に泥を塗るとまでは言いませんが大なり小なり影響が出るんですよね。それ以上に助けるメリットってあるのかな?という考えも出来ます。それでも母親の了承の上で協力してくれた。
これは旭や朱鷺田に対して負い目を感じていたからなのではないか?と思ってしまいました。
それと同じく、旭の行動についても触れておきたいと思います。
旭って、見合いに対して直ぐには止めなかったんですよね。
確かに、朱鷺田が落ち込んでいるのを見てはいましたが直ぐに解決する事はありませんでした。
これって、旭が彼を試しているようにも見えたんですよね。
こんな事を言ったら性格が悪いと言われそうですが、旭は朱鷺田の本心が分かりません。どれだけ自分の事を思っているのか分からないのです。だからそれが確信に変わるまで詰将棋をしたかった。
見合い相手にも靡かないなら、次は節子を差し向けて、最後は幼馴染の谷川と2人きりにさせる。
ちょっと怖い事を言いましたが、それでも何もなければ自分にもチャンスがあると信じる事が出来るんですよね。それで本編に向かうと。
仮説を立てたあと、考えた案の一つではありますが旭ならやりかねないのが怖いですね。
一様、その節をマイルドにする為に漆話を作ったので旭にもトッキーの思いが届いてると思いたいです。
本編で旭と再会した後、家で「2人が俺に依存している事を感じとった」と言っているんですね。
でも、旭だって自分に自信がなくて彼の思いが分からなくて怖かったと思うんですよね。
壱話で児玉から「距離を置いた方がいい」と言われながらも実際に出来たのは本編の少し前だった。
多分、お見合いを断っている朱鷺田を見てちょっと安心したんだと思います。自分の気持ちと一緒なのかもしれないって。
だから、家を出る事が出来た。そう思います。
というか、良いカモフラージュになるんですよね。旭は角栄パパと全斎の関係を探りたい訳ですから、家を出て行った理由が本人に知れると不味い訳です。特に角栄パパには。
第仇話で朱鷺田が「愛想尽かされて出て行った」と言ってくれたお陰で自分が疑われずノーマークになるので動きやすかったと思います。
これも、朱鷺田が自分の事を思ってくれていると分かったから出来た事なんだと思います。
というよりも朱鷺田が鈍感過ぎるんですよね。本編でも「トッキーって案外天然なのでは?」と思う事があって箱入り息子だから仕方ないんですが、旭も苦労してるなと思ってました。
彼の価値観だと、キスしなければ親友だし手を繋いだり腕を組んでもいいみたいに思ってそうで怖いですね。
駆け落ちもプロポーズというよりかは、一緒に家から脱出しようみたいな解釈になるんですかね。彼の中だと。
と言うか谷川の言う通り段階をすっ飛ばして恋愛をせずに養子をもらおうとしているので非常に危ないですね。そこら辺は旭が上手く説得すると思いますので大丈夫だと思います。
次に厳しい父親と優しい母親について。
自分が同性愛者と両親に話すと母は寛容だけど、父親が受け入れてくれないというパターンを結構目にしますね。
旭と側にいる為に運び屋になる事を知って、母親はそれを受け止めて父親を説得した。
ただ、立場的に朱鷺田家の人間なのには変わらないので見合い話とかも入って来る訳ですよ。
母は「こんなのあんまりです!」と扉の前で言う訳ですね。
ただ、父親も優しい一面があって「伴侶を選べとは言ってない」と譲歩してくれてる箇所もありました。
普通だったら親心としては家を継いで、結婚して、孫を見せてほしいと願いますよね。朱鷺田本人も子供好きですし。
それを彼本人も分かってて母の代理を引き受けて「こう言う時ぐらい親孝行させてくれ」って言ったように思えたんですよね。
父親と何度も揉める事があったと言うのも、旭との関係を指摘されて口論になったのかなと言う風に考えました。
と言うか、本編や小話集の中にも匂わせ発言が多かったんですよ。
例えば、朱鷺田が零央に水行川に来て欲しいと無線で会話を終えた後、子供が好きな理由を話すんですが最後の方に「色々と抑圧されて生きてきたんだ」と言うんですよね。
コレ自体は政治家の息子で、周囲に人がよって来るからという解釈で良いと思うのですが、その中に自分がゲイである事も含まれているとしたら?と考えると更に面白くなるのかなと思います。
と言うか、山岸が全部見透かしてたような発言をするんですよね。
青葉と無線で会話をした時に「朱鷺田が旭を思うように、いやそれ以上に俺は青葉の事を思ってる」と言うんですね。
作者は最初、前者は友情で後者は愛情だと思っていたんですが嫁である青葉に対して友情と比べる、或いは同列に扱うのって今にしてみれば凄い失礼だなと思ったんですよ。
残された者としてそれぞれ相方の事を思っているという演出として入れたのですが、もしこれが両方とも愛情だったら話は変わってきますよね?
朱鷺田は旭が居なくなって、凄い落ち込んで表にも出られなくなって、でも真剣に向き合って彼との将来を考えて養子まで検討していた。
山岸も青葉の事を思い、お見舞いに行ったり肌身離さず写真を持っていた。これは立派な愛情な訳ですよ。
だからこそ、青葉は「プロポーズの言葉と受け取っても良いのかしら?」と言えたのではないか?と考えています。
後、同じ発言を《酒癖》の時に山岸が朱鷺田に言うんですよ。
絡み酒をするのは伊達政宗からとっているので問題はないんですが、そこからの行動がかなり作者の中ではギリギリで本当にBLのチキンレースをしているような感覚になりました。
山岸は別に自分がバイである事を隠しませんし、むしろ誇りに思っています。作者もそれで良いと考えてました。
だから、冗談混じりで朱鷺田と絡ませてカウンター側にいる引退した旭と青葉の側に行かせようとしたんですよ。「とき」も一回引退してるので。
その時に旭が「トッキーはモテるからな」って言うんですよ。これって、正直。親友の立場からしたらちょっと可笑しいんですよね。
旭は朱鷺田が自分から見てもモテる程に魅力的な存在だと認識しているという意思表示をしてしまっているんですよね。
なんか、朱鷺田も手を握られて嫌そうにしないし。作者の中で「???」ってなったんですよね。作者もトッキー同様、鈍感で鳥頭なのでその時には全然気づかなくて後で見返したら、これは親友の距離感じゃないなって事に気づいて。
同居してて、しかも谷川の事は居候って描写もしたし朱鷺田も言ってるんですがじゃあ、旭って居候なのか?と言われたら違うんですよね。寧ろ、大本命な訳ですよ。
本来は旭と朱鷺田が同居してて、その後に谷川が入ってきた。
じゃあ、前者2人の関係が何なのか?と言われたらもう、幼馴染とか親友の度を超えてしまってるんですよね。
旭も「トッキーの飯に敵うものはないからな」と胃袋を掴まれた発言をしている訳で、そんなのもう親友ではなくてもう奥さんクラスな訳ですよ。
作者、ちゃんと時系列を細かく考えていなかったせいで旭と朱鷺田の距離感を見誤ってしまったんですよね。
最初、朱鷺田と谷川を登場させてその後旭を登場させたので完全にトリオとして捉えていたのですが良く考えれば1番最初は旭と朱鷺田から始まるのだから最初から考えないといけなかったのに、現代から逆算するような形で関係図を作ってしまったので事故が起きてしまったと言う訳ですね。これはちょっと所ではない反省点です。
でも、これはこれで個人的には面白いしアリだとは思ってます。
旭と朱鷺田は同じゲイですが、立場だったり、思考だったりを出来るだけ分けるようにしています。
出来るなら隠したい旭とオープンにしたい朱鷺田という感じですね。
朱鷺田は文書の中で結構、女性的な面が多かったですよね。
愛らしさと美しさに固執したり。ただ、極端に女装をしたり性転換をしたいと言われると違うような気もしますね。
朱鷺田が求めるのは絵画や宝石のような誰にとっても美しいと言えるような絶対的な美しさなのかな?と言う風に考えています。
それも結局は男性であるコンプレックスと旭に相応しい存在でいたいという心の現れなのかもしれません。
朱鷺田は書いていて思ったのですが、身体は完全にゲイなんですよ。
旭に手を握られて喜んでいますしね。
自身の中でも言葉では言い表せないような違和感はあったと思うのですが、それが何なのか?は分かっていないようですね。
身体に心が追いついてなくて中身が子供もままなので自覚すれば直ぐに行動に移せるんですよ。養子の事も検討していましたしね。
ただ、どうしても自覚するのに時間がかかってしまったタイプなので周りから責められてしまう事になりました。特殊な立場というのも合わさって。
自覚に時間がかかったのはやはり幼少期の影響が大きいでしょうね。
父親の不倫によって、性や恋愛についてマイナススタートから始まっているので旭がくれる純愛や無償の愛に対してどう反応したらいいのか分からないんですよ。
時には女性を時には男性を強要されて自分自身を見失ってしまった。
ただ、旭の事は好ましく思っているしそれによって人間不信も解かれていってるので一緒にいる意味はあると思います。
こういうのって大体、中高生の時に自認するようになるので旭は平均的な感じに描写しています。
結構キツイですよね、見合いをするまで自覚がなかったって事は20代前半まで旭にべったりみたいな状態だったって事ですから家を出ていくに決まってます。色んな意味でキツイですよ。
第玖話
本編中に上越組の情報が出た時に違和感がありまして。
トッキーって火事になったのは知ってて良いけど、なんで浅間に連絡したの?と作者の癖にちょっと違和感があったんですよね。普通に「あさま」とは高崎で繋がっているので近い人に連絡したんだろうと思ってました。
ただ、そのあとある可能性が浮かび上がりまして「トッキーがあの晩餐会にいたら面白くない?立場的にあり得ない話ではないし」
朱鷺田は町長の息子として、町についても詳しいですし、父親と視察にいくと他の所でも書いてたので試しに書いてみましたが、結構上手くいったんですよね。毘沙門天は防御特化という設定ですし。
元々、裏設定で旭は角栄パパの護衛をしてて父親に気に入られてるという風にはしていました。
そもそも、三人は良い所のお坊ちゃんとお嬢様なので身の安全を確保するのが最優先です。
1人暮らしさせないで同居させたのもセキュリティーの問題がある為ですね。
あとMAXネタや現美新幹線、錦鯉などの小ネタも入れたいなと考えていたので広い家だし男女一緒でも大丈夫でしょと。比良坂町は住みたくない町No.1の所なので尚更ね。
ただ、作者。警戒心が薄いのか男女の間に予防線は貼れても同性同士は予防線は貼れないんですよ。
トッキーと谷川が同居してて、2人きりだから危ないなと思って彼を「女性が苦手だ」という風にしたんですがそっちじゃなくて旭の方かよと。逆にこっちの信憑性が上がってしまいましたね。
児玉も一緒でJK2人が側にいるので、独身設定にすると危ないので妻子持ちにしています。
トッキーがご丁寧に料金説明していますが、作者はいつも新幹線を利用する時、特急券+乗車券をまとめて購入しているので語弊があるかもしれませんが大体時給五千円ぐらいだと思います。
上越新幹線のグランクラスは飲食がない代わり通常より安くシートを使用する事が出来ます。特別料金はそれですね。
朱鷺田と谷川がサービス精神のある性格に見えないので、確かに解釈一致と言えばそうなのかな?と思います。
多分旭が乗車したら、谷川は全部のアルコール類を持って行って一緒に飲み比べしたり、朱鷺田も大量の軽食とかパウンドケーキ、塩チョコを持って来て彼の机に置いてるんだろうなと想像しました。
完全に身内贔屓してそうですね。
「とき」は各駅停車から最速達に昇格した唯一の例なので、自分が旭の居場所や願いを守るという自覚を持ってもらう事が物語の軸となっていました。
旭が告白というかプロポーズとして「お前が俺の1番だよ」と言ってくれましたが以前説明したように「とき」が名前公募で一位だった為ですね。
「あさひ」は18位ですが多分朱鷺田に対して「自分より大切な物を後、17個見つけて欲しい」と言っていそうですね。
と言うか、同じランキングにいた「あさひ」が「1番だよ」と言うから説得力がある訳で、他の人が言っても説得力ないんですよね。
言動が伴っているからこそ言える事なのかなと思います。
旭のトッキーファースト精神には感服させられます。
正直、谷川も幼馴染なので旭や朱鷺田に対して恋心とは行かなくとも憧れとか、尊敬とかはあってもおかしくないと思うんですよね。特に「とき」は元ネタでは付き合いも長いですし。
ただ、旭が凄すぎた。というか、初期コンビというもう2度と現れないような6人の存在が強いんですよね。トッキーがテスト範囲で27〜50ページだよと言うんですが、これは現在の上越新幹線の速度275km/hであるのと同時に30年前に「あさひ」が記録した最高速度275km/hとかけていました。
児玉から仕事熱心でオーパーツと呼ばれていたのもそれに関連します。
希輝も本編で旭と無線で話をしていた時に「レジェンドの旭さん!?」と言っていましたがそれに由来します。
章のタイトルである“トンネル”は大清水トンネルを指しており、無理矢理ではありますが急勾配を使って速度を引き上げていました。
当時、フランスのTGVに速度を追い抜かれ、国内でも山陽新幹線の高速化に伴い記録が塗り替えられそうになった為、再び世界一を目指した結果こうなったようです。
3人が再会した時、朱鷺田と谷川のコードは「007」=E7系で旭は「200」=200系、時代を超えてようやく肩を並べられたという意味にもなりますね。
そんな「あさひ」は「あおば」と一緒に2022年に復帰しました。
当時ならまだしも、現代であれば同性愛も少しずつではありますが認識されてきてるように思えます。
旭はトッキーガチ勢なので多分、本編後は圭太とかに手伝ってもらって海外で籍を作って結婚してると思います。
旭が本編で「海外では余りの速さに俺達は弾丸と呼ばれている」という風に全斎に言うんですが、新幹線は英語でバレットトレイン、弾丸列車と呼ばれている為ですね。
車内放送で聴く、スーパーエクスプレスは向こうでは超特急のような意味合いになるので違うようですね。
バレットトレインかそのまま新幹線という方が正しいようです。
海外では同性婚が認められているので、旭は海外に活路を見出したのかもしれません。
日本では同性婚はありませんがパートナーシップ制度があり、新潟県も加入しています。
なんか、3章って終始結婚式のビデオ見せられてるんじゃないかって思ってたので多分、これが真実なんだと思います。
旭は純愛と無償の愛をリボ払いもびっくりの高利子で朱鷺田にあげてるので、あとは返してもらうだけですね。
彼は実家が銀行だったのでそう言うのはとても厳しいです。
絶対に朱鷺田の事を逃さないと思います。
第4章「ひとりじゃない」
第拾話
「あさま」がデビューした時代背景には長野オリンピックが関係しています。東海道新幹線も東京オリンピックに合わせて急ピッチで開業が進められました。
北陸新幹線という構造はあったものの、長野新幹線として部分開業されています。児玉や光莉が「スポーツ関連のイベント」と言っているのはその為ですね。
浅間が赤い口紅を使用しているのは長野新幹線で使用されていたE2系は東北や上越とは異なりピンクではなく赤いラインが引かれていました。ですので口紅に当てはめてその再現をさせていただきました。
OL浅間という新しい概念が生まれそうですが、1〜3章までが強烈というか濃厚すぎたので逆に北陸メンバーには助けられています。北陸新幹線、九州新幹線はどうしても歴史が浅いので書く事が減ってしまうのは悲しいですけどね。
1997年時点ではドクターイエローは長野新幹線も担当しています。
本編で希輝が「浅間先輩だけズルい!」と言っていましたが2015年時点でイーストアイに置き換わっているので「かがやき」達はドクターイエローとは面識がありません。
孤独だった2人なら何か共通するものがあるんじゃないか?と思って描写させていただきました。
第拾壱話
1997年にデビューしたのは「あさま」「たにがわ」「こまち」ですね。
小話集の方で浅間と小町が話してる所は描写させていただいたんですが、浅間と谷川はなかったので良い機会だとおもい書かせていただきました。そしたらとんでもない事になり正に「谷川!!」と言わざるを得ませんでした。
谷川って浅間もそうですし、旭とも仲がいいんですよね。
旭は一時期コンビを組んでたので見知った仲だし、仲良いだろうと思ってましたがトッキーが谷川に対して塩対応なので余計仲良く見えるんですよね。光莉&児玉、山岸&青葉の次に男女ペアなら仲良いんじゃないかな?
アメとムチというか。ただトッキーも譲歩してくれてる時があって仕事をサボるのを容認してくれてるんですよね。
「そんなんじゃサボれないぞ」みたいな感じで。というか新幹線のタイムスケジュールに合わせたら睡眠時間足りないんですよ。谷川が1番まともと言うか、現実的なタイムスケジュールで動いてるように思えますね。
谷川って旭と朱鷺田2人にメチャクチャ信頼されてますよね。
だって、普通同居なんて許さないじゃないですか。
2人きりでいたいと思うし。
ただ、周囲の反応を考えると男2人で同居というよりも幼馴染3人でお互いに支え合って生活してるっていう方がマイルドには聞こえるのかなという風に思います。
それに谷川が親の方針で家を出ないと行けなくなった時に、女性1人で1人暮らしは危ないなと2人が思って朱鷺田が引越しの手伝いをしてくれたと思えば、谷川への優しさと思いやりを感じますよね。
ある意味、逆ハーレムルートなのかな?と思います。
そうなんですよね。谷川って2人に抱きつかれた時、「今までにない光景に彼女自身も赤面する」っていう描写を入れてるんですよ。
正直、男2人女1人が同居してるって普通に考えたら可笑しな話なのでやっぱり訳ありというか2人がゲイだからその理解者である谷川を側に置いているという方がしっくりくるように感じます。
なんか、男女の友情って成立するんだなと思ってみてました。(ただしゲイに限る)
《幼馴染》の時に本間家と谷川家は企業秘密だと書いたんですが、正直考えるのが面倒だったからです。
でも考える時間が出来た時に、旭はトッキーとは正反対で昔は繁栄してたけど没落した家の子だったらロマンがあるなと思って。今作では佐渡金山を参考にさせていただきました。
基本的に朱鷺田と旭は佐渡島に合わせています、佐渡島の朱鷺は有名ですからね。
初期のペアだし、類似性を持たせました。
そうなってくると谷川も考えたくなるものです。
ただ、2人以上かそれ同等のインパクトのある家ってあるか?って思ったんですよね。
なんかあったかな?と考えを巡らせた時に気づきました。本編で大きな落とし穴があったんですよね。
元帥の存在です。「あっ、これで良いじゃん!」と少し調整しつつ此方に入れました。
元とは言え、元帥だった祖父を持つ軍人一家のご令嬢。それが谷川の正体という事ですね。
いつものほほんとしてて緩い彼女が厳格な家の生まれというのもギャップがあって良いかなと思います。
旭の従姉妹として描写をしました紅花椿は特急時代の「あさひ」の後任である「べにばな」ですね。
名前のイメージから女性的だなと思って、旭の従姉妹という風にさせて頂きました。
椿は新潟の県花から正式には雪椿ですね。《初恋》でも同じくチューリップを描写しましたが同じく県花です。
多分なんですけど、トッキーって旭から「嫉妬深い」と言われてたんですが、おそらく従姉妹と旭が仲良くしてるのをみて嫉妬したのかなと。紅花も旭の事を「兄様」としたっていそうですね。
第拾弍話
タイトルの「もうすぐ」は敦賀延伸を意識したタイトルにさせていただいてます。
日程も決まり2024年3月16日となっていますね。非常に楽しみです。
ニュース等でイーストアイが試走したというのを見て、愛にも点検というか下見という事で来てもらいました。
角鹿も敦賀の昔の名ですね。かなり前の名前だと思います。
敦賀は貿易港として栄えた時代背景があるので昔の世界地図を見ると、船の航路として乗ってる物もあって驚きましたね。後は、原発なども耳にしますね。
ちょっと試験車組の設定を増やしました。イタコが作者は気に入ったようで「黄泉は眼鏡してる描写もしたし、そういう失明から逃れた幸運の存在という事にしておこう」とノリで入れました。
愛が研究所や工房を公開してるという風に言っていましたが、かなりの倍率になりますが不定期でドクターイエローやイーストアイに試乗出来るツアーがある為ですね。
試験車組の過去みたいなのも考えようと思ったんですが、お互いそんなに交流する関係でもないし、内容も薄くなりそうだったので浅間を通じて彼らの事をかけたら良いなと思いました。
最終章「渡り鳥」
第拾参話
本編では瑞穂や咲羅の過去については触れたのですが、燕と海鴎に関しては全然触れられていないし九州組は小話集でも全然出してあげられなかったので出来るだけ丁寧に書かせて頂きました。
やっぱり地理的に遠いと他のキャラクター達と絡ませるのも難しいですね。
「つばめ」の名は歴史ある名前という事で祖父や父も運び屋という名門一族に生まれた天才少女という風に書かせて頂きました。
祖父や大叔父が兄弟なのは元ネタの「つばめ」と「はと」が姉妹列車だったからですね。
姉妹列車の例だと「ひかり」や「のぞみ」の関係性と被りますし、鳩の字を下の名前に入れるのが難しいという事もあり兄弟設定にして片方は斑鳩家に婿入りしたという風にしました。
燕が児玉とも接点があるという風に言っていましたが、これは特急時代の「こだま」に由来します。
特急「つばめ」と同時期に運行していた為ですね。
燕の祖父は児玉の父と交友関係があって、ゲートボール仲間という事にしたいと思います。
父の代になり三羽ガラスと呼ばれていましたが「つばめ」「かもめ」「はと」の組み合わせは実際にそう呼ばれてました。
基本的にデビュー順番は史実通りです。「みずほ」「さくら」よりも先に「つばめ」は2004年にデビューしています。
「つばめ」=800系のイメージが強いですね。「さくら」が使用するパターンもあるようですが。
「かもめ」のN700系Sもそうなんですが専用のエンブレムが塗装されていたりとその子専用のオーダーメイド車両って感じがして凄く良いなと思います。地理的に中々見に行けないですがね。
「つばめ」は稀にですが博多より先の小倉や新下関に停車するパターンもあります。
2人にお願いして参区に連れてってもらったのもそれが関係しています。
新幹線の停車駅って絶対ではなくてレアケースも多いので作者も全種類把握はキツイですね。
本編でも移動範囲は“通常の”というルールを作っています。
なので普段「つばめ」は博多〜鹿児島中央で運行されるという事で肆区から出られないという風にしています。
第拾肆話
海鴎のメイン回ですね。今回は父親との関係についても描写させて頂きました。
特急かもめは現在も博多〜武雄温泉でリレーかもめとして運行しているということで、そこは父親が。
武雄温泉〜長崎の範囲は息子の紫紋がという風にさせて頂きました。
冒頭、坂が多いとありましたが実際に長崎市内は坂が多い事で有名です。
診療所で紫陽花を手入れする海鴎ですが、彼のモデルが影響しています。
本編の後書きで海鴎の母親のモデルはシーボルトという風に書きましたが、彼は植物にも精通していました。
その中で紫陽花を「オタクサ」と表記するんですね。これは出島で芸者として出会った瀧からと考えられています。
紫紋のモデルでもある楠本イネの母ですね。おそらく「お瀧さん」が変換された物だと思います。
紫紋が最初、医者を志そうとしたのも楠本イネが父の背中を追い女医となった為ですね。
最初、シモンの当て字に紫を使用したのは二重の混血児である彼に対して自分のルーツを誇りに思って欲しいという意味で名づけましたが、そういえば紫陽花も同じく紫が入ってるなと気づきまして、今回は両親の思い出の花から名前をもらったという風にさせて頂きました。
海鴎は母親の事をムッティ、父親の事をファティと言いますがドイツ語に由来します。
何故かと言うと母親のモデルであるシーボルトがオランダ人を偽ったドイツ人だからですね
紫紋の容姿なんですが「銀河鉄道999」の謎の美女メーテルを参考にさせて頂いてます。
岡山や広島などの山陽新幹線、博多駅でも別バージョンが発車メロディになってますね。
何故かと言うとメーテルのモデルとなった女性が楠本イネの娘である楠本高子だからですね。
クォーターという事で西洋風の顔立ちをした端正な容姿だったと言われています。写真も残ってますね。
その後、海鴎に関するルーツを知って終わりとなります。
「平和と愛の象徴」というのが原爆が投下され、平和公園のある長崎を担当する「かもめ」らしいなと思いましたね。




