第13話 Rineの履歴
妹である夏凛と電話番号を交換して1週間、やけに話し掛けてくる城ヶ崎さんと、朝昼晩とご飯を共にする夏凛との関係以外は特に変わらなかった。
ちなみに夏凛番号を交換した結果、必然的にSNSアプリであるRineも連動してフレンド追加されてしまった。
俺のフレンドは月1で様子を見に来る叔父の源蔵と城ヶ崎さんだけであり、久々の追加が妹・夏凛である。
"源蔵"と"めぐみん"と"かりんとう"……叔父以外は女子らしく可愛いニックネームだ。ちなみに俺は"黒斗"というなんの捻りもない名前にしてる。
しかも、クラスのリイングループにも所属しておらず、悲しいことにそっち方面では完全にボッチだった。
下校途中、スマホの画面を眺めながら誰からも通知が来ないことに少しだけ落胆していた。
──ピコンッ!
画面の変化を食い入るかのように見ると、新着メッセージではなくタイムラインだった。
『"かりんとう"が背景画像を変更しました』
「ん?これは──」
プロフィールを開き、夏凛の背景画像を見た俺は絶句した。それは、夏凛が水着を自撮りした写真だった。しかも濡れた状態であり、ヘソから下のVラインからクビレ、そして胸のラインまでクッキリとわかるほどだ。
その辺のグラビアを大きく超える理想的かつ扇情的な身体つきであることを自覚してないのだろうか。
もしこのタイムラインがクラスのグループに流れていたら、と考えるといてもたってもいられず、全力で走って帰った。
「夏凛?──夏凛ッ!?」
飛び込むように家に入り、力一杯叫んだが返答はなかった。
例の助っ人部か?それとも夕飯の買い出しか?どちらかわからない俺は取り敢えず城ヶ崎さんにメッセージを送った。
黒斗:城ヶ崎さん、ちょっといいか?
めぐみん:珍しいじゃん、最後に送ってきた文字は『初めまして、よろしく』だったわね。
黒斗:いやいや、アンタはそれにすら返事してないだろ?
めぐみん:次送ってきたら返そうと思ってたし。
黒斗:それで2年も経ってるよな。まぁそんなことより、城ヶ崎さんって今どこにいる?
めぐみん:そんなことって……もういいけど、アタシだってもう帰宅してるし。てか何かあったの?
黒斗:夏凛がスク水の自撮り画像を背景にしてしまったんだ!もし、城ヶ崎さんが学校にいるならってメッセージ送ったんだ……。
めぐみん:は?
"黒斗が画像を送りました"
めぐみん:エロいわね。でも自己責任だし、本人が好きでしたことじゃない?
黒斗:違うっ!夏凛はきっと──拉致されて、これを着せられて、犯人の手で背景画像を変えられたに違いない!
めぐみん:最近仲良くなったからシスコンになったのかしら?どう見ても顔が笑顔じゃん?
黒斗:シスコン!?兄が妹を心配するのは当たり前だろ!
めぐみん:あ~はいはい、わかったから興奮しないで。後輩にメッセージで聞いてみるから少し待ってて。
黒斗:助かる。
俺は"めぐみん"こと城ヶ崎さんの連絡を待つことにする。そして先程の意味を考える。
俺がシスコン?そんなわけないだろ?そりゃあ、たまにドキッとくるけど、どちらかというと兄として守ってやりたい、保護欲に近い感じだ。
妹に対して、狂おしい程の愛という感情を抱いたわけではない。
そうやって自身の気持ちを確認していると、ピコンッ!という音共に返信の通知が着ていた。
めぐみん:お待たせ~!なんかさ、商店街の青果店の方で見かけたらしいよ?
黒斗:城ヶ崎さん、ありがとな!この借りはいずれ返すよ!!
めぐみん:忘れんなよ~?
俺はスマホを閉じて商店街へ向かった。




