1話 3ヶ月前の日常
2035年、某県にて。
俺、高宮孝信、他の人と変わらぬごく普通の生活を送る高校1年生。
得意なことも、趣味もなく、The凡人を極める日々。
一日一日を流れ作業のように過ごしていった。
そして今日も何事もなく一日の半分が過ぎ、気づけば下校の時を迎えていた。
俺たちは駅に向かって歩いていた。
「なあ、孝信。今日なんかあったか?」
こんな取り柄のない俺でも友達の1人や2人はいる。
そして今、俺に話しかけている小野寺 和人は昔からの友達である。
チャームポイントはおしゃれなメガネで、とてもノリがいい奴だ。
だが、いくら昔からの友達といえど返す言葉は一言。
「何にも」
「お前は毎日何にもないのかよ。少しはあるだろ、この勉強が難しかったとか、かわいい女の子がいて一目ぼれしたとか」
和人は呆れたように言う。
いつも通りの会話だ。
素っ気なくて、味気ない。
だが、こんな会話でも少しはいいところはある。
それは、話す内容が馬鹿なところだ。
「我はたくさんあったぞ!授業中に我が神世界での技名を考えた!」
工藤通時は額に手を当てて前傾姿勢になる。
こいつのチャームポイントは眼鏡、小太り。
この特徴が変なポーズと混ざってすごく気持ちが悪い。
そして3秒くらい静止してから、いきなり大きな声で叫ぶ。
「昇竜脚!!」
彼はそう叫ぶなり大して上がりもしない足をあげて回転する。
「ふっ、どうよ!」
通時は技を決め終わるなりどや顔で聞いてくる。
「どうも何も、その拳バージョンはもう世間で有名になってるから」
「パクリだな」
和人と俺がそういうと、通時はがっかりして崩れ落ちる。
おい、道の真ん中でそんなことしたら俺まで不審者だと思われるからやめろ。
ほらー、周りの人達、明らかに俺たちのこと避けてるじゃん。
「まさか・・・我の技がパクられるとは」
「お前がパクってんだよ!!」
俺たちは笑う。
こんなふうに意味のない馬鹿な話をしながら駅に向かった。
駅に着くと、広場に行く。
帰宅ラッシュ真っただ中なのか、かなり混んでいる。
人と人の間をネジネジ入って進まなくては行けないのでとても疲れる。
ネジネジする相手はほとんどが外人。
というか、ここにいる人のほとんどが外人である。
もうここは日本じゃないの?と思うほど、日本人が少ない。
そんな不思議な時代の西暦は2035年、県の人口は700万人。
日本のグローバル化が進み在日外国人が増えている。
ちなみにほかの都道府県、もっといえば世界中で同じように人口が増えている。
世界人口は、99億人。きりの悪い数字である。
目指せ100億人!!
まあ、数年前はこんな混み具合は夏祭りの時ぐらいしかなかったからな。
賑やかになったのは喜ぶべきことである。
それに、人口が増えれば、発展も必然。
周りを見渡すと、やっぱり時代の進化もよく見て取れる。
例えばこの駅には、そこら中にモニターが壁についてあって、みんなスイスイいじっている。
まさに、都会って感じ。
まあ、俺はメカがあまり得意じゃないから、うれしい設備ではないが。
「おーい!孝信!こっち!」
「たかのぶ!サイゼ行こうぜ!」
見失っていた和人と通時が手を振っている。
サイゼと言えば大事な話があります。
去年・・この県に・・・・サイゼが初上陸!
嬉しすぎる。
もう2030年頃はなかなか来なくて・・見捨てられていたのかと。
グスンッ
エスカルゴおいしい。次は、松屋だああ!
熱意に燃えていると、合流した和人が肩をつかんで話しかけてくる。
「なあ。そういえば、数学の宿題できたか?あれ難しすぎだろ!」 バシッ!
いってえ。何で俺たたかれたの?
「お主、あの問題の解き方を電子魔法書に文字型斬撃魔法していないのか?」
通時が言う。
例えがなかなかうざいが、彼の言う通り授業にはタブレットを利用している。
学校の学習方針もここ数年で、180度変わった。
「それは、学校のホームページに答え載っていたぞ。後で送ってやるよ」
俺はとっくの前に終わっていたのだが、友のためなら仕方ない。1日1膳!!
明日はどんないいことをしようか。
そんなことを考えつつ俺は和人たちについていく。
2人の背中を見ながら俺は小さく微笑んだ。
俺はなんにも特殊能力も取り柄のない凡人だが、あえて他の人と違うこと言うとすれば1つある。
それはこの平凡な日々を誰よりも続いてほしいと願う気持ちだろう。
読んで下さりありがとうございます!
だれも読まないと思うけど、、、。
でも、この字を読んでるということは、読んでくださったんですよね?
この作品は初投稿でした。
友達に誘われ投稿したのですが、結構大変ですね。
まだまだ、未熟なところもあると思いますが、これからも読んでくだっさたら嬉しいです!!
続きも、出していきたいと思っています。その時は、少しでも読んでいってください!!
この度はありがとうございました。