成績 ゲイリー・マクドネル視点
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今回は宰相の次男 ゲイリー・マクドネル視点です。
3日に及ぶ試験が終わった翌日の朝8時。
試験結果とクラス分けが掲示された。早く学園に到着した新入生達が掲示を見て一喜一憂し、それに対して通りかかる上級生達は生温かい視線を送っている。
上位にはやはり、錚々たる名前が連なっていた。
1位 アイザック・エスタバール
2位 アルトリリー・カスクート
3位 ゲイリー・マクドネル
4位 イザベラ・レヴィアス
やはり、殿下には敵わなかった。
2位はいけるかと思っていたが、まさかの3位。しかも2位の名前はダンス試験でパートナーだったカスクート家のアルトリリー嬢だ。掲示には総合得点まで載っている。
彼女との差は5点だった。やはりダンスの得点で差がついたのだろうか。
ダンスだけは得意とは言い難い。可もなく不可もなくといったところだ。
ダンス試験の時を思い出して思わず顔が熱くなるのを感じる。
綺麗な珍しい銀色の髪を揺らして近づいてきたのが彼女だった。アルトリリー・カスクート。
入学式でレヴィアス公爵家のイザベラ嬢と共に注目を集めていた令嬢だ。
2人とも中々お目にかかれないほどの美人だが、イザベラ嬢がややキツめの美人なのに対し、彼女はミステリアスな美人だった。
それまでほとんど表情を変えなかった彼女がダンス中にふと浮かべた微笑に思わず目を奪われた。残念ながらそのあとすぐに曲が終わってしまい、彼女はお辞儀をするとさっさと友人の所に戻ってしまった。あの時ほど、ダンスをもっと踊っていたかったと思ったことは無い。
そして2グループ目の試験が始まって騒動は起きた。メイヤー嬢の、どう見ても媚を売るような姿に気分が悪くなる。
殿下は不機嫌な様子を隠しもしていない。試験なので手荒な真似はしていないが、頑張って引きはがしているのがわかる。周囲もヒソヒソと言い出したところで女性教師がメイヤー嬢を追い出した。最初から甘くしないところは流石だ。
いなくなった殿下のパートナーはどうするのだろうと思ったら、なんとまたアルトリリー嬢が指名された。ギャラリーはどよめいているが、彼女の表情は大して変わらない。殿下の婚約者候補の1人である侯爵令嬢から横槍が入ったものの、彼女は表情を変えず殿下の元に品のある動作で歩いて行った。
殿下は僕より明らかにダンスが上手かった。それに合わせて踊る彼女も。おそらくギャラリー全員が殿下と彼女に注目していただろう。
殿下は先ほどのこともあってか少し表情が固い。彼女はこれだけ注目を集めていて、大抵の者が見惚れる第1王子と踊っているにも関わらず、余裕なのか表情は変わらない。
まるで対のような2人の髪色がダンスに合わせて靡く様子にギャラリーから感嘆のため息が漏れる。美しいダンスが終わると、また惜しむような声が周囲から聞こえたが、彼女は全く気にしていないのか先ほどの友人のところへ戻って行った。
美しい光景だった。それと同時にあんな風に踊れなかった自分を恥じた瞬間だった。
「アリー、良かったわ! 同じクラスよ! あっ、ごめんなさい!!」
肩に誰かがドンとぶつかった。横を見ると、さきほどまで思い出していた彼女とその友人が立っていた。ぶつかってきたのは友人の方で、必死に謝っている。
「いや……ずっと掲示の前に突っ立っていた僕が悪い。ひょっとして同じクラスかな?」
「えっと……??」
「そうですね。よろしくお願いします」
分かっていない友人の代わりにアルトリリー嬢が答える。
「これで選択授業が受けられるわ!」
「はいはい、ティア。教室に行きましょう。それでは」
去っていく彼女の背中を見ながら、ワイベリー伯爵令嬢と仲が良いんだったなと噂を思い出す。掲示をもう1度見ると、12位にティターニア・ワイベリーと名前があった。
そういえばもう1つ探さなければいけない名前がある。半分くらいまで見たが、中々見つからない。成績が下に近くなってその名前はやっと見つかった。
ギルバート・エスタバール。
言わずと知れた第2王子の名前である。第1王子の方が出来がいいとは言われていたが、数値化するとここまでとは。
これは第2王子と仲良くなるのは危険かもしれない。頭を抱えそうになりながら教室に向かった。
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