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公爵邸からは以上です!

「ねぇ、エイミー。今日の夜会はとっってもつまらなかったわ。あ、でもお料理は美味しかった。お菓子も。でも何にも起こらなかったわ。浮気とか、婚約破棄とか婚約破棄とか」


お料理を思い出してにやけていると、私専属メイドであるエイミーは私の白銀の髪を梳いてくれながらまるで死にかけの蝉でも見るかの様な目で見てきます。


「お嬢様……夜会で一体何を期待してるんですか……。婚約破棄を2回も言わなくていいです。大人しくしてくださいと言うのはお嬢様には無理かと思いますが、せめて好きな殿方を探してください」


むぅ。大事なことだから2回言ったのに。エイミーはつれませんね。

でも知ってますのよ。エイミーだってあの本、半笑いで読んでいたではないですか。


今、庶民の方々の間では、貴族の婚約破棄について書かれた物語が大人気なのです。

もう気になって気になって。夜も眠れず、厳しい使用人達の目をかいくぐって買いに行こうとして、玄関で呆気なく執事のアベルに捕獲されましたっけ。何度も繰り返しましたが良い思い出です。


なぜか毎回、護衛やメイドではなくアベルに捕まるのですが……。なんだか最後の方はアベルも楽しそうでした。気のせいではないはずです。「変装が上達しましたね、お嬢様」と笑いながら子猫のように首根っこを掴まれて部屋に放り投げられました。くそう、侍女に変装したのにすぐにばれるとは。一番最初は頬かむりをしていた位だから大進歩なのに。


窓から抜け出してお庭で捕まったこともありました。部屋のべらぼうに高いシルクのカーテンを結んでつないで、柱に括りつけてつたって下りたのですが……。

全く。なぜ休みの日のアベルがあそこで待ち構えていたのでしょうか。休みの日に屋敷にいるとかボッチ、と言ったらお父様のところに連れていかれました。

アベルの前では沈黙して怒っているように見えたお父様ですが、アベルを退室させると豹変しました。


「さすが、私の娘だ!」


お父様的にポイントが高かったのはカーテンを使ったところだったようです。まぁリボンでは強度の問題がありますからね。ロープは保管場所は知っているのですが気づかれる可能性が高かったですし、2階から飛び降りるのも怖いです。


「まるで私の若い頃にそっくりだ!」


お父様、それは親バカではないでしょうか。どこの貴族が娘の脱走未遂の手腕を褒めるのでしょう。

お父様も窓から脱走を企てた経験がおありなのでしょうか。


まぁ、私も脱走は良くないという自覚はありますが、好奇心は常識に勝るのです。

ん? なんか今、私、良い事を言いましたね。


「お嬢様、独り言は1人の時にしてください。先ほどからずっとブツブツおっしゃってますよ。あと、ボッチやべらぼう、なんていう言葉はお使いにならない方がよろしいかと。いつもの猫かぶり言葉に直してください」


エイミーが限りなく温度の低い目で見てきます。しかしさすがプロ。髪を梳く手つきは優しいです。


「んー、でもせっかく孤児院の子供達が教えてくれたから使わないと損じゃない」


「時と場合を考えてください……お嬢様、欠伸をされる時は口に手を」


「ふぁい」


なんだか眠くなってきました。


カスクート公爵邸からは以上です!

あら、何か話が途中でそれてしまったような……


ブックマークありがとうございます。

完全にノリだけで書いているのですが。感激しております。

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