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もしも人間が魔王になったら 改稿前  作者: キバごん
女王救済編(16/05/21 〜 16/06/20)
9/17

男のプライド=肥溜めのそれ

これから戦争が始まるーーーー

海斗は身を引き締める。

ある程度戦いの進め方を考察するーーー


それだけで勝てるとは毛頭思ってはいないが。



ーーーーと

「恐れながら陛下!まずは私たちにやらせてもらえないでしょうか!」


緑色の悪魔二人がワイザの前に跪くーーー


「ほぅ、理由を述べよ」


ーーーなんだあいつらーーー


「はっ、、あの者には数時間前に、一方的に暴力を加えられました!」


……えーーーーーそうだっけーーーー?


「私は…それが原因で頭が腫れてしまいました…」


ーーああ、、あいつらか…いろいろあって完全に忘れてた。


「そうか……では、許そう」

「先陣を切るがよい」


「ありがたき幸せ!」


そう言うと、俺の前までひょこひょこ歩いてきた。



「おい!お前…!忘れたとは言わせn」

「ごめん忘れてた」





二人は唖然とした。



「なんだと…お前…!」


「でもお前の頭のそれ見た途端思い出したわ。

やっぱりそれチャーミングポイントになってんじゃねえか」


「それ見て思い出すものをチャーミングポイントとは言わねえよ!」


ツッコまれたーーーー


「ああ!ああ!かんっぜんにキレたぞぉ!」

「お前は一年かけてじわじわ苦しめながら殺してやるよお!」


「一年ておま…」

初めて聞いたわその言い回し。


「うるせえ!今ここで殺してやるよお!」


「早速自分の意思曲げてんじゃねえか」



二人が一気にかかってくるーーー

さすが悪魔というべきか、翼を生やし、速度を上げるーーーー


終わったかーーーーそう思われたがーーー

よく見れば二人には速度差があった。


海斗から見て左ーーーーー頭にチャーミングポイントをつけられた悪魔は速い、おそらくチャーミングポイントの件での怒りが起爆剤となってるのであろう。


もう一方は左より遅く、右手で殴りかかろうとしていた。


ここから推測できることは、ウェーブ攻撃を仕掛けるつもりなんだろうーーーー


しかしそれは海斗にとっては好都合ーーーなんせーーーー

順番に叩けばいいからだ。




結果ーーー


「ゲブッ!」

「アブッ!」



海斗の思惑通りに終わったーーーー


脳天をぶっ叩いたので二人と地面に顔をめりこますーーーー


「…」

「…」

「…」




「敵にここまでかわいそうと思わせるのはなかなかないぞ…」



「……」

「…当然、そいつらは下の下の悪魔…」


「人間でも倒せるのは目に見えていた」


ああそうなの、、、


とっさに言い訳を考えたーーーみたいになってるけど。


「そっすか…」

そう答えるしかないよね。




「しかしよく考えろ人間ーーーーこれから、まとめてこの屈強な戦士達の相手をせねばならんのだぞ…?」


ワイザの言う通り、残りの軍団は、先ほどの二体とは比べ物にならない、、、見ただけでそう思わせるもの達ばかりだ。


ーーそうだな……

どうやって戦えばいい……


海斗は思案するが

敵が考える時間を与えてくれるはずもなくーーーーー



「捻り潰せーーーー」


ワイザが命令した瞬間、軍団は怒号にも似た声を上げる。

それだけで圧倒されそうになる。


が、引くわけにはいかないーーー

それはあってはならない。


海斗は最後の決心を固め、戦いに臨む。



前に出てきている悪魔は三人ーーーー

先ほどの二人と同型ーーー


相手は思いっきり振りかぶり海斗を殴ろうとするーーーーーがーー


予備動作が大きいーーー

瞬間的に間合いを詰めれば体制を崩すことができる。


それを咄嗟に理解し海斗は前に出るーーー


その予想は当たり、一瞬怯んだーー

こちらに出てくるとは思っていなかったんだろう。

その隙が穴となり、中央、左、右ーーーと木刀を当てるーーー


ーーーまずは三体撃破。

ーーと思ったのもつかの間、三体がやられたならと、猪のような顔を持つ悪魔がすぐそこまで突進してきたのだ。


「ーーッ!?」

その光景に一瞬の戸惑いが生まれた。

後ろに下がるだけでは避けられないーーー

横しかないーーーだがそれも、後衛の悪魔が攻撃できる余地を生むーーーその危険性を孕んでいた。



ーーー踏み込むしかないーー

攻撃するしか手段はない。


あー、、ここで死んだらかっこわりぃな…



おかしいーーーー


1歩目はいつも通りだった。

だが、2歩目は1歩目よりも軽くなり、3歩目もそれと同じように変化していったーーーー


相手の間合いに入ると、持っている斧を横に振るーーー

避けるかーーー?

と考えたと同時に手が出た。

木刀は敵の土手っ腹に風穴をあけるーーー


その一連の動作、光景を見た敵は目を見開き、体を静止させる。


それは木刀の威力じゃなかったーー


腕が軽い、、、木刀特有の重さは残しつつ、振る時に力があまりいらなくなったーーー


なんでこんな………





「……あんなこと言った本人がそれか」




声の発声源の方へと振り返ってみればーーー


アイナが両手を前に出し、その手には幻想的な光が漂っていた。


「…お前……」


「悪魔の加護だ、、名前だけ聞けば遠慮したくなるだろうが…それをつけてやる」

「存分に暴れてくれ」


どうやらそれで身体能力が上がったらしい。


「ーーー!!貴様ァ!それは契約違反ととれるぞ!!!」


ワイザが怒るのも無理はない。

アイナの行動は契約を破る行動と等しいからだーーーー


しかしアイナは


「私はそこの男の妄言に洗脳されただけだ」


「こいつのような男をあまり知らなかったからなーーーー耐性が低いんだ、許してくれ」


という理由を述べたーーー



「それに私は、その人間を死なないようにしているんだ」


「客人を死なせてしまっては、騎士の名が廃る」



そのような言い分を聞き、ワイザは怒りをその身に蓄えたーーーー



「さぁ海斗、、」

「少なくとも、私と姫ーーー二人を洗脳したんだーーーーー」


「責任をとってくれ」




「……頼む」


最後の言葉には重みがあった。




「…あぁ、、、任せろ」


その重みに応える受け皿が、そこにはあったーーーーーー




ーーーーーーーーーーー


ーーーーーーー


ーーー


姫は自室からその光景を見ていた。


もどかしい、、一国の中の頂点が、自らの国を守ることすらできない…


「……」


ーーーーー涙を流してしまった。

自分の願いを吐いてしまった。



何より、、、全て一人の人間に背負わせてしまったーーーー



ーーどうか、、どうかお願いするーーーー


無事でいてほしいーー






ーーーーーーまた、生きて会いたい














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