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わたし、九尾になりました!【改訂前ver.】  作者: 依那 瑞希
第3部 レェーヴ連合編
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92話 火焔を映す瞳


「うわあああああ!!」


 得たいのしれないモノによって引き起こされた突然の惨状に、兵士はすっかりパニックに陥っていた。


「撃つな!こっちは味……!ぎゃああああ」


「勝手に自滅してるようじゃ、まだまだだね……」


 部隊長の1人が、パニックになった兵士達に向けて声を上げた。


「銃は使うな!敵の思うつぼっ……だ……」


 言葉を言い終わる前に、部隊長は血しぶきを上げながら、地面へと倒れ込んでいった。


「もう終わり……?つまらないの」


 そして、パニックを起こした王国軍の元へ、一気にレェーヴ連合軍の本隊が襲いかかったのだ。完全に陣形を崩された王国軍は、もはやモンスター達の進軍を食い止める事は出来なかった。


 一気に戦況が動く。私はその様子を眺めていた。だが、いつまでも、ここでじっとしているわけにはいかない。今回の戦い、鬼になると決めたのはアマツだけではない。私も同じである。


 レェーヴ連合を無駄な争いから守る為に、より力を見せつけるために、この戦いは完膚なきまでに敵を叩く。私はそう決めていたのだ。


 そう、ミドウを失ったのも、それに今までの後悔も、全て私の甘さが原因である。首長である私が不甲斐ないままでいるわけにはいかない。


 敵の混乱で生まれたスキを逃してはいけない。今こそ、一気に叩くときである。中央で待機させていた本隊が一気に敵軍へとなだれ込んだ。統率を失った軍隊はもろくも一気に崩れていった。


「さて、行こうか」


 私は深く息を吸い込んだのち、一歩、また一歩と戦場に向けて足を進めた。兵士達の阿鼻叫喚がこだまする戦場を、私はただひたすらに前進していった。


「かくごぉ!」


 こちらに斬りかかってくる兵士は数知れなかった。そのたびに、悲鳴を上げながら一つ、また一つと命がこぼれ落ちていく。少し前までの私なら罪悪感に苛まれていただろう。だが、今の私には、痛みはあまり感じなかった。


 帝国による戦争、アレナ聖教国での戦い、この世界では、次から次へと戦いが巻き起こっては、命がこぼれ落ちていく。平和になったかと思えば、また再び戦火の火種が巻き起こる。そんな負のループはもう終わりにしなければならない。


 ミドウも、王も、それにリラだって、みんな私に夢を託して去って行った。残された私達が、やらなければいけないことは……


「イーナ……?」


 戦場で勇敢にも鎌を振るっていたルートが、私を見つけ、こちらへと駆けてきた。


「ああ、ルート。手伝ってくれない?」


 その言葉、そして表情、何よりいつもとは異なる怪しい輝きをした目に、ルートは気圧されていた。目の前にいるのは確かに、彼がよく知る九尾であった。だが、確かにいつもとは異なる雰囲気を醸し出していた。


 ルートはこの感覚に既視感を感じていた。そう、聖都シュルプにて、はじめて九尾に対して、畏怖を覚えたあのときの感覚と同じである。怪しく光る朱い瞳を見ていると、吸血鬼であるルートでさえ、今にも吸い込まれそうであった。


 思わずルートは言葉を返すことが出来ずに、ただ黙って彼女の後ろをついていったのだ。


 

「おい、お前ら!どこへ行く!逃げるなぞ恥もいい所だ!」


 次第に兵士の中では、逃げだそうとし始める者も出始めた。だが、背を向けて逃げようとする兵士達に、レインは銃口を向けた。


「敵前逃亡など、兵士の恥、お前らそれでもシャウンの軍人か」


 次々と、レインは逃げ惑う味方を撃っていった。もはや、兵士達に逃げ場はなかった。


「可哀想だね、同情するよ。兵士達には」


 その光景を見ていた私はレインに向けて冷たく言葉を放った。


「遂に魔王のお出ましか。のこのこと私の目の前に来るとは馬鹿な奴め」


 レインは私を挑発仕返すかのように、あざ笑った。


「あなたも可哀想だよね。上官に逆らえないのだから」

 

「誰が可哀想だって……?」


「所詮、あなたたちは皆、王の使い捨ての齣だって事だよ」


「私だけでなく、王まで侮辱するか!」


 遂に堪忍袋の緒が切れたレインは、私へと銃口を向けた。レインが発射した銃弾は私の顔の横をかすめていった。


「次は当てる。最期に言い残すことはないか」


 銃口をこちらに向けたまま、レインは冷徹に言い放った。


「そんなもので私を殺せると思っているの?」


 私の言葉と同時に、周囲が炎に包まれた。私と、レイン、2人は炎の中で相対していた。私は静かに、龍神の剣をレインに向けた。


 決着の時は刻一刻と近づいていた。


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『Re:わたし、九尾になりました!』
わたし、九尾になりました!のリメイク版になります!良かったらまたお読み頂ければ嬉しいです!





『memento mori』
新作になります!シーアン国のルカの物語になります!良かったらよろしくお願いいたします!




FOXTALE(Youtube書き下ろしMV)
わたし、九尾になりました!のテーマソング?なるものを作成しました!素敵なMVも描いて頂いたので、是非楽しんで頂ければと思います!

よろしくお願いいたします。
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