209話 決着をつけるとき
「イーナ~~!戻ったよ~~」
これから巻き起ころうとしている大きな渦に備えるべく、レェーヴへと戻り、準備を始めた私達。それからしばらくして、調査を頼んでいたアマツ達もレェーヴへと戻ってきたのだ。
「ありがとうアマツ。帰ってきて早々で申し訳ないけど……何かわかった?」
「まあ~~大まかにはイーナの想像通りって所だね~~ 現体制に不満を持っていた有力一族達が白の十字架と手を組んだって所みたいだよ~~」
「やっぱり……」
「そして、白の十字架の力を得た奴らがシーアン国内だけで満足するワケもなく、早速侵略の準備をし始めている、そんなところかな~~」
ここまではこちらの想像通りである。まあ人間というものは何ともわかりやすいものである。力を持てばそれを使わざるにはいられないという一種の性のようなものかも知れない。それによって、被害を被るのはシーアンで暮らす一般の人達だというのに。
「それで、奴らの目標は、やっぱりラナスティア?」
「流石イーナ。一応、エンディア方面にも軍隊は回すらしいけどさ、本命はラナスティア。主力のほとんどはラナスティア方面に回すみたい。そして、一気にタルキス・シャウン方面へと攻める算段であるらしいよ~~帝国を攻めたときの私達のように、一気に勝負を決めるみたい」
一体どこからそんな情報を集めてきているのか、少し不思議というかもはや恐怖すら覚えるレベルではあるが、そうと決まれば、私達だってのんびりと構えているような暇は無い。ただ……
「何か引っかかっているような様子だね~~イーナ~~?」
アマツはこちらの様子を伺うかのように、私の顔をのぞき込んできて、飄々とした様子で言った。
「エンディア方面に兵を伸ばすと言ってたけど…… ラナスティアを落とすつもりなら、包囲網のような形になってシーアンにとっても不利になるんじゃないかなと思って……」
「やっぱりイーナも引っかかるよね~~ ごめんそこまではまだ調べ切れてないんだ~。少し時間が足りなくてね~~奴らが動き始めたし、イーナ達の連合の会議の噂も聞いた。だからこうして戻ってきたんだ~~!」
まあこれだけ情報があれば十分と言えば十分だ。エンディアのことや、連邦方面のことはイナンナやリチャードに任せても問題は無い。私は私達の耐えられた役割をこなすだけである。
「ありがとうアマツ!早速だけど、私達もラナスティアに向かう。奴らを迎え撃つんだ。力を得た奴らに対抗できるのは私達しかいない。これが総力戦となるはず……」
「わかってるよ~~! もう夜叉と大神の準備は整ってる」
レェーヴ国内の事は、ノア王とリチャードにお願いした。彼らに任せておけば、この街のことも心配はいらないだろう。
今回は、私達レェーヴ連合は総力でラナスティアへと向かう。ミズチ達大蛇も、そして黒竜達ももうすでに出発の準備は整っていた。あとは、ナーシェの件はあるが、私にできる事は信じることだけである。
「出発は明後日。黒竜達が乗せてくれるから、それでいけるだけのメンバーでラナスティアに向かう。帰ってきて早々で申し訳ないけど、アマツ……よろしくお願いします」
いよいよ、決戦の準備は整った。白の十字架の連中ともいよいよ決着をつけるときである。私達は、全てのけりをつけるために、黒竜の背にまたがり、全軍ラナスティアへと向けて出発をしたのである。




