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わたし、九尾になりました!【改訂前ver.】  作者: 依那 瑞希
第5部 新たなる使徒編
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145話 タルキス再来


「ニャ!当機はまもなく離陸するニャ!しっかり捕まるのニャ!」


 テオの張り切ったかけ声で、私達の本格的な旅が今始まろうとしていた。まずは、タルキスに向かい、その後アレナ聖教国、そしてその先は未知の世界である。


「エンディア国、そしてシーアン。一体どんなところなんでしょうか?」


 不安半分、そして興味半分と言った様子で、ナーシェがぽつりと口にした。もちろんそう思っているのは、ナーシェだけではないだろう。私だって、新たな地を訪れることに、嬉しさに近いような興奮、そして不安を覚えていた。


「まずは、エンディアか…… 賑わっている街が沢山あるらしいけどね!」


 そうこういっているうちに、次第に飛空船が陸を離れ、空へと上がっていった。


「すごいですよ!イーナ様!今私空を飛んでいます!」


「ルウいつも飛んでるじゃない」


「空飛ぶ乗り物なんて初めて乗りました。なんて便利な乗り物なんでしょう……」


 自分の翼で飛ぶのと、飛空船はやっぱり違うのだろうか。すっかり興奮した様子で、飛空船から眼下に広がるフリスディカの街並みを眺めるルウ、そしてリンドヴルムは子供のようにはしゃいでいた。


「ミズチ、見ろ!フリスディカがあんなに小さく……」


「そんな子供みたいにはしゃぐな、みっともないぞ」


 ミズチは、リンドヴルムの言葉に、冷静を装ってはいたが、誰よりも興奮しているのは、私は知っていた。そんな様子を見ながら、微笑んでいると、私の様子を見たルカが、私に話しかけてきた。


「イーナ様!嬉しそうだね!」


「結構楽しみだからね!どんな世界が待っているのかと想像したらわくわくするし!」


「ルカも楽しみだよ!イーナ様と一緒ならどこでも!」


 なんて、可愛らしい笑顔なんだろうか。ルカの笑顔には、いつも癒やされてばかりである。


 フリスディカを離れて、しばらくの後、私達はタルキスへと到着した。私はタルキスでも重要な用事があった。タルキスの王リチャードに会いに行くと言うことである。


 そもそもタルキスは、レェーヴ連合独立の際に、先頭に立って私達を擁護してくれた。その王であるリチャードはいわば私達にとって恩人とも言えるような存在である。国が出来てからも、タルキスとは交易や交流など、いつもお世話になっているのだ。せっかく進路上にあるのだから、無視をして先に向かうという訳にもいくまい。


 私達はタルキスについて、一番に王宮へと向かった。周辺の警備をおこなっていたであろう兵士達は私達の姿を見つけるやいなや、慌てた様子で私達の元へと駆け寄ってきて、敬礼をしながら声を上げた。


「イーナ様!それに皆様!はるばるのお越し、誠にありがとうございます!本日はどうなされたのですか!」


「近くによる用事があったからね……リチャード王にご挨拶をしようと思って……」


「お気遣いありがとうございます。ただ、我が王はただいま隣国を訪れている最中故、本日は不在なのです……誠に申し訳ございません……」


 まあ、アポも取っていなかったし、仕方の無いことだろう。忙しいのはわかりきっていることだったし。


「こちらこそありがとう!突然の訪問で申し訳なかったです!王によろしくお伝えください!」


 私の言葉に兵士達は再び敬礼し、こちらの様子をうかがうような素振りで、わたしにといかけてきた。


「イーナ様。先ほど近くで用事とおっしゃっていましたが、差し支えなければどちらに向かわれるのか、お聞きしてもよろしいでしょうか?」


「このままタルキス、そしてアレナ聖教国を通ってエンディア国の方に向かうんだよ!」


「なんと、また偶然ですな……我が王もちょうどエンディアを訪れているところなのです……もしかしたら、お会いすることもあるかも知れませんね!」


 タルキスの王がエンディアに……?一体どんな用事で行っているのか気になるところではあるが、まあ、私達には関係の無いことではある。それでも、もしエンディアで会えたなら、これ以上に心強いことはない。一応覚えてはおこう。


「貴重な情報、ありがとう!また今度ゆっくり寄らせて頂きますね!」



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『Re:わたし、九尾になりました!』
わたし、九尾になりました!のリメイク版になります!良かったらまたお読み頂ければ嬉しいです!





『memento mori』
新作になります!シーアン国のルカの物語になります!良かったらよろしくお願いいたします!




FOXTALE(Youtube書き下ろしMV)
わたし、九尾になりました!のテーマソング?なるものを作成しました!素敵なMVも描いて頂いたので、是非楽しんで頂ければと思います!

よろしくお願いいたします。
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