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おとうさんと一緒〜子連れ異世界旅日記《嫁探し編》〜  作者: はなまる
第2章 キャラバンのお食事係と旅日記
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ホットケーキと釣り①

 ドルンゾ山に入って4日目。今、馬車は大体4合目くらいの所を進んでいて、道はこの後山肌を沿ってぐるりと回り込み、谷を渡りまたぐるりと回り込み、やっと下りへと差しかかる。まさに山を登り、谷を越え、だな。


 谷間の向こう側に、首の長いモコモコのアルパカっぽい動物の群れを見かけた。ハザン隊長に聞くと、あのモコモコは、上等の毛織り物や、高級な毛糸の材料として高く売れるらしい。さゆりさん家にお土産で二頭くらい連れて帰ったら、きっと喜ぶに違いない。


 肉もくさみが少なく美味うまいらしい。うーむ、欲しい。


 昼休憩の時、アンガーさんとヤーモさんが釣竿の手入れをしていた。聞くと、この先に大きめの湖があるそうだ。タイミングさえ合って、ロレン店長の機嫌が良ければ、釣りを楽しむ事が出来るのだと言う。


 ロレン店長の機嫌か。卵はまだいくつか残っているし、牛乳もギリギリ大丈夫そうだ。ロレン店長のリクエスト通り、ホットケーキ作るか!


 ベーキングパウダーも重曹もないので、まずは砂糖を入れた卵白を泡立てる。筋肉担当のトプルさんとハザン隊長を呼んできて、


「混ぜる、シャカシャカ、ずっと」と、説明して見本を見せる。


 ハザン隊長は「ずっとかよ!」と言いながらもホットケーキは食べたいらしく、シャカシャカと不器用そうに泡立てはじめる。トプルさんは何でも器用にこなすタイプだな。兄より優れた弟がここにいるよ!


 卵白はあっという間に白くなる。ハンドミキサーより速い。さすが北◯の拳兄弟だ。ツノが立つようになったらメレンゲの出来上がりだ。


 小麦粉を泡立て器で混ぜてから(ふるう代わり)牛乳、卵黄を入れてよく混ぜる。この中にメレンゲを入れ杓子しゃくしでさっくりと混ぜてから、バターで焼くだけだ。


 小さく切ったバターを上に乗せて、好みでハチミツかジャムをかける。


 バターの香りにみんなが集まってくる。ロレン店長が、


「おや、ボットケーキですか」とクールに言うが、尻尾がピンと立ってフルフルしている。そんなに嬉しいのか。あとホットケーキな!


 カッテージチーズやホイップクリームを添えたいところだが、旅の空だ。我慢しよう。


 上機嫌になったロレン店長を見て、ヤーモさんとアンガーさんが、こっそり親指を立ててくる。なに、礼には及ばない。あ、でも釣り竿は貸してね。

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