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おとうさんと一緒〜子連れ異世界旅日記《嫁探し編》〜  作者: はなまる
第2章 キャラバンのお食事係と旅日記
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戦うのたぶん無理

 晩メシの前に、ロレン店長と護衛の5人は、明日からの山越えについて色々と打ち合わせをしていた。俺はメシの支度に忙しかったし、一緒に聞いてもたぶんわからなかっただろう。




 あらかじめ水で戻しておいた緑豆ルギリットを、カリカリに炒めたベーコン、玉ねぎと一緒にミルクで煮る。俺は小麦粉を炒めて作るホワイトソースが上手く出来ないので、小麦粉は後からミルクで溶いて混ぜる。今日はクリームパスタにしよう。


 メインは肉団子にした。小さくて青い芽キャベツと、赤いラディッシュと一緒に炒める。片栗粉でとろみをつけて、甘辛く味をととのえる。カラフルな一品になったな。青い野菜ってのも、地球じゃ見かけなかったけど、この世界には割と普通にあるんだよな。ラディッシュも中まで赤い。


 ハルは辛いものが苦手なので、うへぇーっと舌を出しながら食べていた。残さないで食べたので、少しびっくりした。他に食べるもんないもんな。


 食べ終わった食器や鍋を洗っていると、ハザン隊長がやってきた。


「ヒロト、ハル、ちょっと話しがあるんだが」


 俺は頷いて、洗い物の手を止める。


「ドルンゾ山で灰色狼の、大きな群れが目撃されているらしいんだ。目撃は、『見つかる、情報』だな」


たくさん(ヤーンヤ)?」


「そう、たくさんだ」


「それで、ヒロトとハルが、どの程度戦えるのか知りたい。まぁ、戦うのは俺たちの仕事だ。念のため(ラングリット)にな」


ねんね(ランラ)(ギリット)?」


念のため(ラングリット)だ。豆じゃねぇ。『用心、保険、一応』だ。わかるか?」


 なるほど。豆じゃない、と。


「武器はなにが使える?」


 俺は少し躊躇ためらいもあったが、スリングを出し、組み立てて見せる。


 ハルも腰の物入れから、自分用のスリングを出す。


「なんだ、そりゃ? 武器なのか?」


 玉を取り出し、村の外に向かって打って見せる。暗闇で木の枝に当たったのだろう、ザシュ!という音と、木の枝が落ちるバサバサという音が聞こえた。


「へぇ! おまえら、面白いモノ持ってんな! で、どのくらい当たる?」


「あたり7、はずれ3」


「ハルは?」


「同じくらい」


「でも、俺もハルも、夜、目、ダメ」


「剣は?」


「ダメ、全然、ムリ」


 ハザン隊長は、ふむふむと顎ヒゲをいじると、


「明日、明るいところで見せてくれよ」と言って、やたら嬉しそうに笑った。それから、


「夜目、全然ダメなのか? 俺もネコ科のやつらに比べたら見えねぇけど、全然ってのも珍しいな」


 と言った。そうなのか? 鳥設定にした方が良かったか? いや俺、踊れないし、尾羽の偽装も難しいな。


俺は仕方なく、曖昧に笑って、


「戦うはハザン。任せる」


と言ってハザン隊長の肩を叩いてみた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー

 今日のメニュー


 朝 昨夜のスープの残りにチーズ入れて、チーズリゾット

 昼 BLTサンドイッチ

 夜 緑豆とベーコンのクリームスープパスタ、キャベツと肉団子の甘辛炒め


 村で新鮮な牛乳と肉を入手できたので


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