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おとうさんと一緒〜子連れ異世界旅日記《嫁探し編》〜  作者: はなまる
第1章 スローライフと似顔絵屋さん
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これからの事

 海辺の教会のある街は、この地方だけで全部で5つ。1番近い街でも、シュメリルール(リュートの住んでる街)から、馬車でおそらく2週間くらいの道のりだそうだ。この海辺の街とシュメリルールは貿易が盛んで、行商人やキャラバンの往き来があるらしい。探せば同行させてくれるキャラバンも見つかりそうだ。まずはその街、ラーザへ行ってみる事にしようと思う。


 問題は子供たちをどうするか、だろう。俺は連れて行きたいと思った。ラーザまでは山越えがあり、時折り盗賊の被害もあるらしい。危険はあるだろう。でもさゆりさん夫婦に往復1ヶ月以上も2人を預けておくのは心苦しい。離れる事に不安もある。


 子供と長い期間離れる事が、俺はどうしようもなく不安なのだ。手を離した瞬間にどこかに行ってしまった嫁のように、ハルやハナが目の前から消えてしまう事を思うと、手の先からすーっと冷たくなっていく。


 さゆりさんは強固に反対した。キャラバンには護衛がつくらしいが、道中の危険を思うと子連れでの旅など、絶対にやめて欲しいと声を荒らげた。


 いつも穏やかに笑っているさゆりさんの様子に驚いたが、子供たちを思って言ってくれている事が、痛いほど伝わってくる。


 さゆりさんの意外な剣幕に、リュートとじーさんがオロオロと、全く同時に同行を申し出てくれる。似た者親子だな。お人好しで暖かい。この人たちに出会えただけで、この世界に飛ばされて来た事が、全くの悲劇ではなかったと思えてくる。


 とりあえず答えを出すのを避けて、この件は保留とする。最低限の路銀を貯めるにも、まだまだ時間がかかるだろう。


 どうやら似顔絵屋で稼げそうなので、週に2回、サラサスーンとシュメリルールを往復する事を決める。ひとりで往き来出来るようになるまで(なるのか?)じーさんが護衛を引き受けてくれた。その日はリュートの家に泊めてもらい、次の日の夕方までに帰る。合間に言葉と文字の勉強をして、自衛手段についても考える。


 具体的に言うと、運動不足の身体を鍛えなおし、弓矢の練習をする事になった。異世界生活、やっぱ甘くねぇのな。


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