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おとうさんと一緒〜子連れ異世界旅日記《嫁探し編》〜  作者: はなまる
第1章 スローライフと似顔絵屋さん
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団欒

 リュートが大岩をヒョイヒョイっと登り、向こう側へと飛び降りる。しばらく待つと、謎ギミックが作動し、ゴゴゴゴーッと音がして入り口が開く。コレ何度見ても良いな! たぎる。あとでどんな原理で作動しているのか聞いてみよう。


 馬から降りて入り口をくぐると、ハルが


「おとーさーん!」


 と、走ってくる。


ハナが後から、


「とーたーーーん!!」


と、とてとてやって来て腹のあたりに飛びつく。


 ハナを左手で抱き上げ、ハルの頭をポンポンする。なんだこの大歓迎! 多幸ホルモンが出まくりだ。ハナの頭の匂いを嗅ぎ、ハルの髪の毛の感触を堪能する。


 おかえりー、ただいまー、良い子にしてたかー、なんていつもの台詞を交わす。幸福感に包まれながらも、だからこそ、足りないピースを思い出す。嫁は今、どこで何を思っているのだろう。


 にわとりを全部小屋に入れ終えたじーさんに帰宅の挨拶をし、子供たちと一緒に先に家に入ってもらう。俺はリュートと一緒に馬を厩に連れて行き、荷物を降ろす。リュートは少しゆるんでキイキイと音を立てる厩の扉が気になるらしく、様子を見ている。


「ヒロト、待つ」


 荷物から道具を取り出し、手早くメンテしていく。全くもって有能なオトコだ。


 軽く点検して仕上がりに満足したらしいリュートと、のんびり歩いて家へと向かう。


「ただいま戻りました」


 出迎えてくれたさゆりさんに、少しかしこまって挨拶する。何故だろう、さゆりさんにはつい丁寧に接してしまう。少し緊張する。


「ヒロト、ていねい。違う人みたい」


 リュートが吹き出して言った。俺がお返しにリュートのこめかみをグリグリしていると、さゆりさんが、


「あらあら、ずいぶん仲良しになったのね」


 と、微笑みながら言った。俺は余計に照れ臭くなったが、リュートはやけに嬉しそうに笑っていた。





 すぐに少し早めの晩メシとなる。街の様子を聞きたがるハルや、狩の獲物となる動物の状況を聞くカドゥーンじーさん、俺の似顔絵屋の様子を聞くさゆりさん。異世界語と日本語の飛び交う、たいそう賑やかな食卓となった。たくさん笑い、美味しいさゆりさんの手料理を食べ、はしゃぎ疲れた子供たちは早々に船をぎ始める。


 子供たちを屋根裏部屋に運ぶ。街で手に入れた情報を元に、さゆりさんやリュートと、今後の行動を相談しようと思う。




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