4-12. 魔王の国造り 旧魔王領の悪魔(6)
============================================
趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
外伝:https://ncode.syosetu.com/n5068ex/1/ カケル君達紅蓮隊メインの外伝ストーリーです。2話まで更新済み
============================================
ブクマありがとうです!!宜しければ評価も是非!!
お願いします\(^-^)/
「アル、べ?魔王だと?」
デーモンが意味不明とばかりにこちらを睨み付ける。
「まぁ、何でもいぃ!ボスがよ、そこのネコ欲しがってんだよ。差し出せ紅蓮のガキ」
「ふざけるな!俺の仲間をお前らみたいなクソになんか絶対に渡さない!!」
剣に手をかけた刹那に右側面に殺意を感じた!!
「にゃん!」「ガッハッ」「きゃあ!」
デーモンの放つ蹴りはウェンディと僕を二人同時に吹き飛ばし、その風圧で後ろのシルフィまでもが後ろに倒された。
咄嗟に籠手でガードしたが、そのパワーと衝撃で体ごと吹き飛ばされた。
くっそ痛い!!ふらつきながらなんとか立ち上がる。
ウェンディはまだ立てないみたい。
シルフィはダメージ自体は大した事なさそうだけど、恐怖で足が震えている。
圧倒的だ、埋めようがない。
気合いとか、作戦とかでなんとかなる範囲を越えている。
強くなった気でいた、調子に乗った、時間稼ぎなら大丈夫だと根拠のない自信過剰。
「おいおいおい、ガキ!!かつて同じ魔王様に仕えた紅蓮だからよ。お情けで殺さずにいてやろうかと考えていた俺のやさしさを無駄にすんなよ!」
「だ、だまれ!」
背筋にゾクリと冷たいものを感じる。
「なら死ね。」
立ち上がろうとした僕の目の前に瞬時に移動したデーモンが僕を蹴りあげようとした。
だ、、、ダメ、、、だ、、、。
「ぐあぁ!」
「!?」
デーモンが悲痛な叫び声を上げて後方に飛びすさる。
そのデーモンの左腕は切り落とされて、僕の目の前に転がっている。
「死ぬのはあなたよ!」
「あ、アイリ様!」
僕の正面に立ちふさがるアイリ様がデーモンの腕を切り落としたのだ。
「遅くなってごめん!!カケル君!立てる??」
「はい、、、なんとか。」
「シルフィとウェンディは!?」
「だ、大丈夫にゃ~」
「私も平気です!」
「おっけ~、んじゃ、そのまま3人で固まってしばらく耐えてね。シルフィはカケル君とウェンディの回復をお願い。大丈夫、すぐ終わらせるから。」
「は、はい!」
早口だけど、やさしい声でアイリ様が僕らの状況を確認する。
「次から次へと、、、糞が!!なんなんだてめぇ!!」
「アルベルト魔王の奴隷、アイリよ! そこの子達は魔王様の配下。これ以上はあんたたちもタダじゃすまないわよ!!」
「け!んな魔王聞いた事もねぇよ!!ごっこ遊びなら他所でやれや!!」
デーモンが悪態をつきながら、切り落とされた腕に力を入れる。
傷口はふさがり、切り口から流れ落ちていた血液が止まっている。
「くそ!俺の腕が!」
デーモンは切り落とされた腕を見つめながら悔しそうにアイリ様を睨み付ける。
しかし、アイリ様は怯む様子もなく、次の攻撃行動を開始していた。
「悪いけど、あなた達はここで止める。影魔法:シャドウ・ウィップ!」
「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アイリの影鞭が鞭のように素早くうねり、デーモンにダメージを与えていく。
「す、すごい」「さすがにゃ」「アイリ様」
みるみるうちにデーモンは体力を削られていく。
僕らはただ後ろから見ているだけだ。
ウェンディ・シルフィがキラキラとした目でその姿を見つめている。
やっぱり、最初からアイリ様にお任せしておけばよかったのか、、、。
くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!くそ!
僕は何でこんなに弱いんだよ!
一撃すら打てないなんて!
何が魔王の弟子!何が紅蓮隊!
「おい!手伝え!」
デーモンが人族の兵士に声をかけると、だるそうに頭をかきながら近づいてくる。
「あ~?おれらは客なんだぜ?」
「ボスに伝えてサービスはさせてもらう」
「あと、そこのガキは俺がもらう、それでいいな?」
「ちっ!ネコだけはボスのものだ」
「オーケー、んじゃ、ちゃちゃっとかたすか。」
この状況を見てなお余裕を隠さないその男にアイリ様が警戒を強める。
「そこのデーモンは知らなかったようだけどな、俺は知ってるぜ、元勇者で今は魔王としてお尋ね者のアルベルト、そしてその情婦のアイリだったか?」
「貴様!」
アイリ様が短刀を片手に低い姿勢で臨戦体勢をとる。
「おっと動くなよ?」
「きゃあ!」
人族の隊長はそのばにいた捕まっている人族の女性を掴んで、アイリ様の方につきだした!
「な、なにを!」
「知ってるぜ、と言ったよな?お前の御主人、えらく優しいらしいじゃねえか。」
そういうと、隊長は彼女の太もも辺りに先の尖った針のような武器を突き刺し、そのままグリグリと捻る。
「ひぐ!痛いっ!!あぁぁぁ!」
「な!やめて!なんて!」
「おいおい、俺だってこんな事したくねぇよ!でも、しかたないよな?お前を止めるためにはこうするしか無いんだからよ!お前のせいでこの女は痛い思いをしなきゃいけないんだぜ?かわいそうに!」
「卑怯な!どこまで!」
「今さら!」
隊長がおそらく炎系のスキルをアイリ様に放つが、アイリ様はそれを片手で簡単に弾く。
「おいおい、誰の許可で弾いた?」
「あぁぁぁぁぁ!!痛い!お願い!助けて!やめて!」
再び、刺さっているものをグリグリと捻る。
「次間違えたら殺すからな?まだまだストックはあるんだぜ?なぁ!」
そして再びスキルを発動させる。
さっきのとなにも変わらない、威力も、早さも。
いや、むしろ弱い攻撃。
「きゃあっ!」
「アハハハハッ!良い声で鳴く!良いぞ!それで良いんだよ!やればできるじゃねぇか。」
それでも、その攻撃はアイリ様の体に命中し、弾けてアイリ様を弾き飛ばした。
「おい!念のためだ!お前らもその辺の商品を捕まえておけよ」
部下に命令して、捕らわれた人々を人質にさせている。
アイリ様は苦しそうな表情で隊長を睨む。
「そんな目をされてもなぁ。策もなく人質がいる俺らの前に出てきたお前らが間抜けだったんだよ。」
人族の隊長は嘲笑しながら、アイリ様をなぶるようにわざと弱めの攻撃を当て続けていた。
まるでオモチャを与えられた子供が戦いごっこでもしているかのように。