4-7. 魔王の国造り 旧魔王領の悪魔(1)
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趣味で書きなぐっていた小説を改めて書き直して投稿してみました。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、
楽しんでもらえるように頑張ります!!
応援、よろしくお願いします。
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紅蓮族は元々は魔王ディアボロスに仕える魔族だった。
先代達が傭兵をしながら各地を渡り歩き、その中で出会ったディアボロスに認められ、人間国家との境界を守る魔王領南端の砦周辺一帯を任されていたのだ。
だが、数年前に突然にディアボロスは突如姿を消してしまい、そのままディアボロス魔王軍はバラバラになった。
あるものは魔王城をそのまま我が物にする為に仲間同士で争い、あるものは近くの人里を襲ってそのまま支配し、そして紅蓮族はあの砦にて魔王の帰還を待つと決めた。
『魔王ディアボロス城にはとても残忍な悪魔が住んでいる。』
『村が襲われて村人が攫われた』
『連合国軍の討伐隊が残党退治に出征したが全滅した』
ディアボロスがいなくなった時、僕はまだ王都の騎士学校に通っていたのだが。
学校ではそんな話でもちきりになっていた。
以後、何度かは討伐隊が出たものの、いづれも全滅。
その後、討伐隊が出ることもなくなり、噂話すら聞かなくなった『諦めの城』。
北は海に近い大河に面し、
幾度もの討伐隊との戦闘によって傷つき黒ずみながらも、未だにその荘厳さを保つ城壁。
かつては人間の城であり、大陸随一の海洋国家としてその名を馳せていたという。
城壁の奥には巨大な天守が鎮座し、上空には暗雲が立ち込めていて見るもの全てを威嚇する。
俺はおもむろにその天守を指さした。
「今からあの城を攻め落とす。」
「え!?」
カケルが驚いて俺を見上げる。
「あの城って元、、、」
「そ。魔王ディアボロスの元居城にして、悪名高き『諦めの城』。」
俺たちは浮遊島から戻り、暫くの間はレイグランドとの交易窓口の構築に時間をかけた。
政治的な折衝が必要な場面を終えて、後はその道のプロであるスターク老に任せるべきところまで来た。
「店の方はスターク老が後はうまくやってくれるだろうし、念のためにカルナにももう暫くは店の方を手伝ってもらうからさ。俺たちは最大の難関である国造りを進めなきゃ。」
カケルがゴクリと唾をのむ。
「そのためにはアレ」を抑えて、足掛かりとして俺の国を作る。」
魔王出奔直後こそ、次の支配者の座を巡って混乱し数多の魔族が殺し合いを始めたりして散り散りになったらしいけど。
現在は勝ち残った少数の魔族が支配しており、近隣の国を襲いにくる事もあるらしい。
何度か近隣諸国から討伐隊が派遣されているが、その度々ボスによって返り討ちにされたらしく、最近は放置を決め込まれている。
その為にはぐれ魔族等も集まり始めていて、勢力が拡大傾向にある。
魔王城の悪魔は度々北方の人間領を襲っては、人をさらっているらしいのだが、捨て置かれているのが現状だ。
「フェンリルが先に様子見に行ってくれたんだけど、中にヤバイのが一、そこそこが十ちょっといるくらいだ。雑魚も含めると全部で千ってとこかな」
「せんっ!?」
カケルが驚愕の声をあげる。
曲がりなりにも紅蓮族の次期だし、数の脅威は知っていたか。
ウェンディとシルフィはあまりイメージがついていないのか、キョトンとしている。
「な、なぁ。本当に紅蓮族の兵を連れてこなくてよかったの?」
いつも勝ち気なカケルが不安気な表情を隠さない。
「あぁ、それだと此方の被害も出てしまうから。今は極力被害は抑えておきたい。」
「アル様、でも雑魚とはいえ囲まれたりしたらちょっとしんどくないですか?」
アイリがちらりとカケル達を見る。
不可能ではなくしんどいと評するアイリ。
自分だけなら問題ないが守りながらだと、ちょっと苦労するかもという感じか。
それはそれでおかしいんだけどな。
「今回はボスの暗殺が目的だよ。ボスの居場所は特定してあるから上空からフェンリルで一気に急襲してそのまま離脱する。」
「逃げるの?」
先程まで不安そうにしていたカケルが、今度は不満を口にした。
「戦略的撤退な!」
カケルの頭をコツンと小突く。
今の自分が動かせる兵力である紅蓮族を動員したいのは山々だけど、国同士の交渉にあたって自分の兵力は重要なファクターだ。
だからできるだけ、数少ない貴重な戦力である紅蓮族を使わずに相手の兵力を削っておきたい。
「聞いてる限りは彼らの中に忠義とか仲間とかの感情はなくて、そのボスの強さだけで押さえられている。ならボスが死ねば彼らの統率は乱れる筈だ。そこを突く。次のボスの座を巡って同士打ちとか始まればラッキーかな。」
俺の策と呼べる程のものでもないが、意見を聞いたカケルの表情が歪む。
「な、ねぇ、アイリ様。あいつ本当に勇者だったのか?やり方がこすい気がする。」
「ね。凄いでしょ?」
カケルの言葉を理解できていないのか?
アイリが何故か自慢げに鼻を鳴らす。
「てことで、行ってくるから、今回は留守番!アイリ、この子達を宜しくな。」
「え!?」
「え?」
アイリは素っ頓狂な声を上げた。
「一人で行かれるのですか?」
「いや、フェンリルに運んでもら、」
「そういう事じゃないです!」
「いや、だからさ。さっと行って、ボスだけ倒して直ぐ帰ってくるから。多分、守りながら戦える相手じゃない。連れていくわけにはいかないだろ?そのあとで、、、混乱後の魔王城を攻める時には助けて貰うから。な?」
「むぅ!」
アイリが納得できないといった表情を俺をにらみつける
「ぼ、僕らが、邪魔になることはわかってる!ちゃんと待っておくから、アイリ様と二人で。」
「アイリ、置いていけるか?」
「、、、はぁい。」
憮然とした態度で、それでもアイリはゆっくりと首を縦に振った。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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