4-3. 魔王の国造り 師弟(2)
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
外伝:https://ncode.syosetu.com/n5068ex/1/ カケル君達紅蓮隊メインの外伝ストーリーです。2話まで更新済み
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「んで??」
「え?」
「ゼエルの件はついでで、本題じゃないんだろ?ゼエルの件だけならいちいちお前が聞きにくるかよ。」
怖い、、、。
この先の内容を聞いた師匠が一体どんな反応をするのかがだいたいわかるから。
でも、、、。
「俺がとった弟子、、、カケルの事です。俺はこのあと旧魔王領に向かい、支配してきます。」
「だから?」
師匠の眉が少し上がる、苛ついた時の顔だ。
でも、引き下がるわけにはいかない!
それが、カケルの為に絶対になるんだから。
師と仰ぐなら、、、俺なんかよりこの人の方が絶対に良い!
「そ、その、、、。カケル達を預かってもらえないかと。」
「やだね、連れていきゃ良いじゃねーか。良い修行にもなんだろ?」
俺の言葉を待たずに師匠はそれを否定する。
「それは、危険がありますし、この浮遊島の環境が修行に適して。」
ダァァァンッ!!
そこまで言った所で師匠が足で思い切りテーブルを蹴りあげる!
ガシャン!
蹴りあげられたテーブルはそのまま天井のシャンデリア風の照明に衝突し、照明を破壊して天井に突き刺さる!
破壊された天井や照明の破片がガラガラガラと師匠の上から降り注ぐが師匠にはどういうわけか当たらない。
「あぁ!アイゼン、ちょっと!この部屋いくらすると思って!」
ミレーリア様の抗議を無視して師匠は俺を睨み付けてきた。
戦闘力とかそんなもんじゃない。
純粋な強さで言えば俺はこの人より強い筈だ。
でも、、、それでも怒ったこの人に睨まれると、、、ただ怖い。
「下手な言い訳は止めろ。これ以上俺に下手な演技を見せて苛つかせるな。」
口調だけはいつもの感じだが、油断すると心が凍りつきそうだ。
師匠には全て見透かされている。
「俺は、、、」
「声が小せえぞ!!話す気が無いなら出ていけ!」
「くっ!?」
心胆から凍え、世界が俺を中心に回っているかのような感覚に陥る。
酷い目眩と吐き気がする。
でも、、、このお願いだけは聞いてもらわないと!
「俺が!あいつの師には相応しくないから!本当に相応しいのは俺より師匠の方が!」
「お前の弟子だろうが。」
俺がやや興奮気味に訴えると師匠は逆に冷静な口調で答えてくる。
「でも!俺は実際あいつの成長を止めてしまいました!」
「あん?」
「手を出すべきじゃないタイミングで!あいつを信じきれずに手を出しました!」
何故、直ぐにカケルでは勝てないと決めつけたのか、何故一瞬でも策があるかもしれないと信じてやれなかったのか、、、自分の愚かさが悔しい!
「なら、次は気を付けろ。間違えない奴はいない。学び繰り返さないように出来るかどうかだ。以上。」
「師匠!」
俺が師匠に詰め寄ろうとすると、師匠は立ち上がり俺の襟首をガッと乱暴に掴んで引き寄せる!
「お前、ちゃんとあのガキの事考えたのか?」
「考えたから!今ここにいるんです!!」
「じゃあ、置いてかれた後に、あのガキがどう感じると考えた?」
「それは、、、」
それは、、、。
俺は返す言葉を失った。
その様子を見て師匠は声を荒げた。
「何も考えられて無いんだよ!どんなに綺麗な言葉で飾っても、
納得させてもガキの中には小さな疑念が生まれるんだよ!『僕は弱っちくて見込みがないから見捨てられた』ってな!」
「そんな!ちがっ」
そう言って、俺を掴んでいた手でグッと押してくる。
俺は、よろけて後ろに倒れ混んだ。
「お前の気持ちなんざ聞いてねぇ!!」
「っ!」
「最終的にはこうだ『やっぱり1本角の出来損ないだから見捨てられた』だ!!」
俺は返す言葉を失った。
師匠の言う通りだ。
俺は、、、俺はカケルの為と言いつつあいつの気持ちを考えていなかった、、、。
「あのガキはお前を信じて、背中を見て、お前の横に並びたくて頑張ってお前についてきたんだろう?あんなまだ甘えたい盛りで。」
「、、、はい。」
「ならよ。」
師匠は俺に向かって手を差しのべてくれる。
「お前から突き放すような真似はすんなよ。」
「俺は、、、うっ、、、うぐ、、、くそ!」
悔しくて泣けてくる、俺はなんで。
「お前だって師匠になりたての一年坊主なんだぜ?」
「師匠、、、。」
師匠の手をしっかりと握りしめ、その力に身を任せるように立ち上がる。
「焦るな、一緒に成長すればいいんだ、それが師弟ってもんだからさ。」
そう言って、にこりと微笑む師匠の笑顔が優しくて、安心して、俺は久しぶりに泣きそうになって俯く。
「師匠、、、。」
俺が師匠に謝ろうと顔を上げた時だった!!
「このやろー!!」
師匠の後ろから後頭部に向けてカケルが木刀を振り下ろすら!!
ガッ!!
木刀は師匠の頭を捉える直前で師匠の腕で弾かれる!
「んだ!このガキィ!殺すぞ!!」
「こ、、、怖くなんか、ないぞ!!この裸族の露出変態やろう!アルベルトやミレーリア様に何を!!ミ、ミレーリア様!!!!」
カケルがまだ服を整えておらず、服がはだけた感じで毛布にくるまるミレーリア様を見て愕然とする。
そして、怒りの表情で手をわなわなさせている!
ヤバい!止めなきゃ!!
「貴様ぁぁぁ!!」
カケルの目には凌辱されたミレーリア様と守りにきて返り討ちにされたアルベルトの絵に見えている!
「カ、カケル!止めろ!!まっ!」
ダァンッ!
制止しようとする俺を師匠が強く突飛ばし、俺は壁に激突した。
「あぁん?糞ガキ!雑魚が粋がんなよ!ひねり殺すぞコルァ!!」
師匠から溢れでる黒いオーラが室内を支配する!
およそ10歳の子供に向けるものじゃない!!
殺しにかかっている!!
心が弱い奴なら今ので死ねる!!
「ちょっ!!しっ!」
「う、うううううううう!うるさい!僕は魔王アルベルトの一番弟子!アルベルト軍紅蓮隊隊長の!!」
カケルは師匠の気当たりを喰らい一瞬たじろぎ顔面蒼白になったまま、再び木刀を構えた!
「ヤマト!カケルだぁぁぁぁぁぁ!!!!でやああああああああああああ!!」
まるでスローモーションでも見ているかのようだった。
カケルが胴を狙う軌道に師匠が対処しようとした刹那に、カケルは木刀を頭上に振り上げた!
そのまま勢いよく振り下ろして、木刀が師匠の頭部を捉える!!
「ってーなこの糞ガキがぁぁぁぁぁ!!!!」
言葉の勢いに反して、綺麗な弧を描いた師匠の蹴りがカケルの顎先をかすめる。
意識だけを奪う一撃だ。
「ア~ル~ベ~ル~トォ~!!」
黒いオーラを漂わせながら、師匠の目が赤く光る!
「このガキ連れて出ていけぇ!!!!」
「は!はいぃぃぃ!!」
俺は意識を失って倒れているカケルを抱き抱えてミレーリア様の部屋から慌てて退散した!
「ミーア!!抱きなおすぞ!!」
「あ!ちょっ!アイゼ!」
そんな声が廊下に響きわたる。
(ミレーリア様、、、ごめんなさい!!)
俺は心の中でミレーリア様に謝罪しながら部屋に戻るのだった。