3-30. 魔王びんびん物語 昏睡びんびん薬β
幕間などでディアブラとの契約の時の話なども書きます
============================================
趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
外伝:https://ncode.syosetu.com/n5068ex/1/ カケル君達紅蓮隊メインの外伝ストーリーです。2話まで更新済み
============================================
ブクマありがとうです!!宜しければ評価も是非!!
お願いします\(^-^)/
ミレーリア様の目からこぼれ落ちる涙が止まらない。
「うぅ!アイリ~!」
あたしにひしと抱きつき色々なものを擦り付けている。
「あたしと御主人様の出会いから誓約迄を簡単に説明しましたけど、、、こんな感じで良かったですか?」
「ごめんね!ごめんね!嫌なこと思い出させて。」
「い、いえー。もう大丈夫ですから~」
とは言ったものの、正直言うとあの頃の話はあまりしたくない、どうしてもあの映像が、頭の中によみがえってくるから。
「ご安心下さい!必ずや大作に、仕上げて見せますから!」
リオ―レア様まで目頭を押さえて厳しい顔をしている。
「た、大作?何か作るんですか?」
「あ!!」
二人があからさまに『ヤバい!』という顔をした!
「う、ううん。何でも無いのよ!」
「え、えぇ!」
どうやら、何かよからぬ事を考えていそうだなぁ。
「にしても!やっぱり出てきたわね!アイゼン!」
「ですね、アイゼン様が要らないことをしなければ!」
「あいつ!いつもそうなのよ!考え無しに動いて周りに不幸を撒き散らす!」
「い、いえ!アイゼン様はあたしのストレスを取り除こうと」
「甘い!」
ビシッとミレーリア様があたしを指差す。
「アイリの話なら、あいつが要らない手出ししなくたって時間の問題だったじゃない?自殺だけ阻止してりゃ良かったのよ!その時既にアルを好きだったんでしょ?」
「え!?そ、それは、、、。奴隷としては~」
「今さら奴隷と主人の関係です。が通用すると思わないでよ?ほら!」
テーブルの上に置かれた大きなポスター、そこに写っていたのは!
「ちょって!うっは!?うあああああああああああああ!」
あたしは慌ててそれを回収してぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨てた!
「捨てたって無駄よ?ほら何枚も刷ってあるんだからね!アイリがアルにキスをせがむ顔!」
そこに写っていたのは昨夜御主人さまにキスしてもらおうと目を閉じて少し口を突き出すあたしだった。
「あまりに初々しくて、ぎこちなくって可愛らしいキス顔だから贈答品ポスターにと思って。タイトルは『初めての・・』よ。」
ちょ!贈答品て誰に配る気なのよ!
「ダメ!ダメです!し、、、しょーそーけんの甚大です!訴えます!」
「肖像権の侵害?あれー?奴隷のアイリちゃんにそ・れ、あったっけぇ?」
「はわわわわわわ!!」
反論が出来なくなってしまった。
確かに、奴隷の身分では基本的な権利は全て失っている。
全ては奴隷の主人、つまりあたしの肖像権はアル様のものってこと!
「あ、あたしには無いですけど御主人さまの許可が!」
「そんなもの、どうとでもなるわよ。」
ま、不味い、、、この方ならば本気で何とでもしそうな気がする。
「でね?私がアイリに話をしてもらったのは本の為じゃないの。この私が自分の本の為だけに嫌なこと思い出させたと思ったら大間違いよ!ねっ!リーア!」
「え!?あ、はい~勿論ですよ~」
あたしの抗議の視線を気にせず話を続けるミレーリア様。
どうやらリオ―レア様は本の為だけだったみたい、、、ん?ところで本ってなに?
「アイリ、あんたとアル、、、やらせてあげるわよ。」
「え?」
あたしが疑問を抱いている間に、何だか凄い事を言われた気がする。
「え、、、え!?」
信じられなくて何度も聞き返す。
とっくに諦めていたあたしの望みが顔を出そうとお腹の辺りでモゾモゾする。
いやいや、だめ!
それを試して痛い目を見るのは御主人さまの方なんだから!
ダンッ!
ミレーリアがなにやら小さな小瓶を取り出した。
「チャラリラッチャリー♪昏睡びんびん薬~べ~た~!!」
声をわざと枯らせながらどや顔であたしを見つめる。
凄く驚いて欲しそうなんだけど、、、これは、、、。
茶色?か黒か、とにかくあまり良く無さそうな色の液体がブクブクと泡立ちを繰り返している。
「わ、わぁ、、、何だかぁ、、、とっても、、、その、、、体に、、、その、、、わ、悪そ~、、、。」
「ふふふ~予想通りの反応ね!」
どうやらリアクションは正解だったみたい?
これで美味しそうとか言っていたら、またオモチャにされていたんだろうな。
ところでこれは何?
毒物の類いであることは間違い無さそうな、、、。
「アイリ、これをアルに飲ませなさい。」
「はぁ?」
あまりの衝撃に礼を失した反応になってしまった。
だけど!!
「た、ダメです!絶対にダメ!!こ、こんな、、、絶対に嫌です!!」
全力で否定するあたしを手のひらをバッと向けて制止させる。
「落ち着きなさい!これは飲ませても大丈夫!昏倒して一晩中意識を失うだけだから!」
「あぁ~昏倒するだけか~、、、ひとばんちゅう~。」
「そうそう、次の日にもちょっと不快感残るけど大したことじゃないわね。」
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ダメじゃ無いですか!!大丈夫とはいったい?意味わかりますか?大丈夫って言うのは!」
「あーはいはい!でもね?本当にいいのかな?」
「え!?」
「この薬が、アイリとアルがエッチ、、、繋る事を可能にする唯一の薬だとしても?」
綺麗に言い直したつもりなんだろうけど、言い切ってしまってから言い直しても意味はないと思う。
それよりも、それは、、、本当なら、、、。
ゴクリと生唾を飲み込む。
「、、、く、詳しく、、、」
あたしは判断を保留して、一旦はミレーリア様の話を聞く事にした。
とっくに諦めていた筈の、遠い日に捨てて、封印した筈のあたしの望みが既に飛び出しかけていた。