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勇者から魔王に転職したので世界征服始めました  作者: たまサラ
第3章 魔王とエルフの国レイグランド
64/94

3-20. 魔王と闇の邂逅 カケルとブラッディ・ワイバーンの約束

Youtube配信の方が忙しくて少し期間空いちゃいました。


アルとアイリがゼエルと戦っている間にカケル達に何があり、どのような成長をしたのかは外伝で語ります!

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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。

語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!

少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。


応援、よろしくお願いします。


Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか

外伝:https://ncode.syosetu.com/n5068ex/1/  カケル君達紅蓮隊メインの外伝ストーリーです。2話まで更新済み

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ホワイトドラゴンに幾つかの頼み事をしてから、アイリと遺跡の城から出る。

辺りは明るく、太陽の位置から察するに昼前といったところだろう。


カケル達と別れてから2日目の昼?

いや、それは早すぎるか、3日目ってとこかな?

ゼエルとの戦闘で多分2日、アイリの回復に半日、脱出に半日てとこか。


ダンジョンをアイリと二人で無双しながら進んだとはいえゼエルとの戦闘は思っていた以上に長引き、アイリの体力回復も結構掛かったのだからもしかしたらそれ以上かもしれない。


確かカケル達の進行度はゼエルとの戦闘中に10階だったか。

ならば、大丈夫か。

お決まりのルールに従って先に進むほど強くなるように配置された魔法で作られた疑似魔物達。

頂上にいるブラッディ・ワイバーンを除いて、全ての魔物が実は冒険者の訓練様であった。

だが、人為的に創られて配置され、その場所から移動しないと言うだけで訓練用と言っても攻撃食らえば痛いし怪我もする。

普通の魔物と何ら変わらない。


だからこそ、カケル達には彼にこっそり護衛してもらっていたんだ。

それにブラッディ・ワイバーンのいる最上階はおれが結界を張っておいた。

カケル達に命の危険は発生しないように。


それなのに、、、。


外から一気に10階に行きたいなと思い塔の頂上を見上げた時に俺の目に飛び込んで来たものは、、、。


結界を抜け出したブラッディ・ワイバーンがカケルを掴んで上空に飛び上がったところだった。


「え?」


思わず間の抜けた声がついて出る。


「ご!御主人様!あれッ!!」


アイリも気づいた様子だ。

何でもう20階に?俺が張った結界は!?てか頭の上に乗ってる鳥はなに!?何でブラッディ・ワイバーンと戦ってんの?


色々な疑問が浮かんで来るが、取り敢えず今は休出が先だ!

屋上にいるならちょうど良い!


「アイリ影移動出来るか?」

「はい!」


言うや否やアイリは俺を影の中に引きずり込み、次の瞬間に影から放出される!


塔の最上階の床にできたカケルとブラッディ・ワイバーンの影から勢いよく飛び出すと、そのまま高く跳躍する。


「飛翔魔法:フライ!」


そのままの勢いでブラッディ・ワイバーンの正面に出るとその頭部に思い切り踵落としを叩き込む!


ギャンッ!


大きな鳴き声を上げてブラッディ・ワイバーンは塔の屋上に墜落した。

掴まれていたカケルは落ちる瞬間にブラッディ・ワイバーンが鉤爪が開き、アイリが既に回収済みだ。


ドスンドスン!


大きな音を立てて屋上の床に衝突して、塔全体が軽く揺れる。

倒れ込んだブラッディ・ワイバーンの大きさは広い屋上の3分の1程もありそうだ。

真っ赤で固い皮膚はエリアル・ワイバーンとは段違いの存在感を出している。

地面に待機していたアイリがカケルを救出し、()()()()を自分の後ろに避難させているのが見えた。


俺も屋上に降り立つと、頭をフラフラ揺らしているブラッディ・ワイバーンが堪えきれずにへたり込んでいた。

俺は聖剣デュランダルを抜いて止めを刺そうとブラッディ・ワイバーンに向けた。


「待って!!」


カケルが俺を制止する。


「どうした?」

「僕が倒したい!だから!」

「駄目だ。こいつは今のカケルの手に負える相手じゃない。」


即座に却下してブラッディ・ワイバーンの首に剣を当てる。

悪いがこんな危険な魔獣をカケルと戦わせる訳にはいかない。


「でも!」

「カケル。こいつは名だたる冒険者でさえ厳しい相手だ。こいつに負けたからって恥ずかしい話じゃないんだ。」

「でも!僕らはこいつを獲りにきたんじゃ、、、。」


そうか、ゼエルの蠱毒によって進化してしまった事をカケルは知らない。

だから今もこいつこそがターゲットだと思っているのか。

 

「カケル、俺達のターゲットはエリアル・ワイバーンだ、こいつはブラッディ・ワイバーンと言って街に出れば災害レベルの魔獣なんだ。エリアルはこいつに食われて、ほらそこら辺の端の骨になったんだよ。」

「そんな、、、。」 


カケルは悔しそうに無造作に打ち捨てられたエリアル・ワイバーンの骨を見つめる。

おれはカケルの肩をポンと叩いた。


「よく頑張った。ここまで来れただけでも凄い事だよ!ただ、ここは俺に任せてくれ。」


俺の服を掴むカケルの手を優しく放させると、再びデュランダルに切っ先を向ける。

その首を落とそうとデュランダルを振り上げた時!


「やっぱ駄目だ!!」


カケルが俺とブラッディ・ワイバーンの間に割り込んできた。

振り下ろし始めていたデュランダルの軌道をあわてて変えてカケルを避ける。


「おわっ!!カケル危ないだろ!!」

「やっぱりこいつは僕らがやる!」

「カケル、さっきもいったけど」

「どっちが強いの!?紅蓮を襲った魔獣とこいつ。」

「それは、、、紅蓮砦のやつだけど。」


多分、カケルは戦いの中で感じていたんだろう。

紅蓮砦の魔獣の方が遥かに強いと。


「一年後にはあれ以上のやつと戦って勝てるようにならなきゃいけないんだ!だから、、、負けたままじゃ、ダメなんだ!」


真剣な眼差しで俺を見つめるカケル。

意気込みは買う、、、だけど。

俺は首を横に振った。


「駄目だ、今のお前じゃ只の餌だ。焦らなくてもしっかり準備して強くなってから別の奴で。」


カケルは、その場で膝をついて頭を下げた。


「お願いします。師匠(せんせい)!負けたままは嫌だ!」

「くっ!?」


こんなところで、はじめての師匠(せんせい)呼びとは卑怯な!

でも、、、さすがに今戦ったところで返り討ちにされるだけだ。

これだけやる気を出しているから、何とかしてあげたいけど。

放置したら街に被害が出るから駄目だし。


「御主人様?暫く封印してしまえばいいんじゃ?」

「それは、、、そうだけど。」


また、あいつらがきたら?

あいつらなら封印を破壊するのは造作もない筈だ。


「お願いします!」

「わ、私も悔しいです。」

「ウェンディも次こそ勝ちたいにゃ!」


全員の目が俺に集中する。

こういう攻撃に俺は弱い。


「あー!!わかった!わかったよ!!」


はぁ、俺ってチョロいよな~。

ま、この国の問題だし!

ゼエルからホワイトドラゴンを守り、ブラッディ・ワイバーンを封印しておいただけでも恩は売れるさ!


デュランダルをしまい、ブラッディ・ワイバーンが昏倒している隙にワイバーンの周りに魔法陣を展開し、封印式を展開した。


「おまえ!待ってろ!直ぐに強くなって倒しに来るからな!」


カケルが拳をブラッディ・ワイバーンに向けて付き出した。


「グァァァ!」


意識を取り戻したブラッディ・ワイバーンは何かを察し、応えるようにカケルに向かって一鳴きする。


お互いに何かを約束したかのように視線が交差する。


そして、ブラッディ・ワイバーンは魔方陣の中に吸い込まれるように消えていった。


横目にカケルの表情を見る。


(男子三日会わざれば刮目してみよ、、、か。)


困っている筈の自分の口端が僅かに上がるのを感じて慌てて表情を作る。


(嬉しそうですね!御主人様!)


アイリが俺の思念に割り込んできた。

さすがアイリめぇ!目敏いな!


その目はいつも以上に真っ赤な焔を宿して、封印の中心を見つめ続けていた。

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