3-14.突撃☆紅蓮隊!! ☆浮遊島の鳥肉を求めて☆(5)
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか。投稿お休み予定なんかも呟くので是非フォローをお願いします!!
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形勢不利と見たのかディフェンダーが防御を捨てて攻撃重視の姿勢で大きく棍棒を振りかぶっていた。
ガランッガラン!!
捨てた盾が床にぶつかり金属音が鳴る。
胴の辺りが隙だらけだ。
僕は小枝を真っ直ぐその胴に向かって止めの一撃とするように強い突きを繰り出した。
「ガァァァ!!」
その瞬間、僕の強打を待っていたかのようにディフェンダーが大声で吠えながら地面に捨てた盾を僕に向かって強く蹴りあげた!
回転しながら物凄い勢いで金属の盾が僕に向かって襲い掛かってくる!
「だぁ!!」
襲い来る盾を小枝で弾いた時、ディフェンダーが僕の目の前に移動していた!
デフェンダーが見せた大きな振りかぶりは罠だ!
見せた隙に敵が食い付くところへの地面から突き上げるような盾での攻撃で下に注意を引き付ける。
そして、盾に対処している隙に僕の死角に移動してから上から棍棒で強打を振り下ろしてきたのだ。
ゴガッ!
鈍い音が室内に響きわたる。
少しだけ静寂の時間が流れた。
足が少しふらつき、二三歩後ろに下がる。
「カケル!!」
ウェンディが心配して声をあげる。
少し遅れてシルフィの回復魔法が僕に掛けられる。
が、回復魔法は効果を発揮しなかった。
ディフェンダ―の攻撃は地面を打っただけに終わったから。
僕は瞬時に後方に跳ねて、ディフェンダ―の渾身の一撃を躱していた。
よろめいたのは後方に飛び避けた時の着地が巧く行かなかっただけ。
「ゴメン!!それは喰らった事があるから!!」
そう言いながらディフェンダ―の隙の出来た胸の辺りを軽く薙ぐ。
致命傷は与えられなかったが、それなりに深く切れたみたいで痛みに顔を歪めている。
いや、それよりも何だか、自分の必殺技が効かなかったことを凄く悔しがっているように見える。
多分、ヴォーグと戦う前の僕なら見せられた隙に飛び付いてカウンターを喰らっただろうな。
森でヴォーグと戦った時、自分が止めを指したくて盾の役割を忘れて飛び掛かってヴォーグの攻撃をモロに喰らった。
あの後でアルベルトと反省会で、そしてその後に何度も繰り返した修行の中で、盾役は何よりも仲間を守る事を最優先にしなきゃいけないと教えてもらった。
防御を忘れて止めを指しにいくなんて盾役が一番やっちゃダメなことなんだ!
ディフェンダーが後ろに下がった為、僕は即座にアタッカーに連続コンボを繰り出したが、全て棍棒で受け止められる。
「ギァッ!」
直後に断末魔のような声を上げてアタッカーが前のめりに倒れた。
ウェンディが僕の攻撃と同時に背中から影鉄砲を連射していたのだ。
でも、倒れたゴブリンの先に見える筈のウェンディの姿が見えない。
「これで最後にゃん!」
ウェンディの声が聞こえた方向を見ると、ウェンディが短い小枝をディフェンダーに突き立てていた。
そのまま背中から倒れるゴブリンは既に絶命している。
起死回生の盾による遠隔攻撃を躱されて、盾を失ったディフェンダーはウェンディの敵じゃなかった。
「肉盾が盾を手放して防御を放棄したらダメだよ。」
倒れたディフェンダーに向かってぼそりと呟く。
それは、自分自身への戒めの言葉。
呼吸を整えてから一度室内を見渡す。
ゴブリン達の遺体から黒い煙が上がり、その体が砂のように崩れていく。
彼らのように魔法で産み出された種族は、死ぬとその体を維持する魔力が無くなってあんな風に崩れるのだと聞いた事がある。
「やった~~!!」
アイリさんが大きな声ではしゃぎながら駆け寄ってくる。
「おめでとう!!みんな凄いよ!頑張ったね!その年で、PTを組んでいるゴブリンを倒しちゃうなんて!!」
シルフィをぎゃーっと抱きしめながら僕とウェンディにおいでおいでという仕草をしているが、当の僕はというと喜びよりも何とかやり切ったという安堵感で精一杯で呆然としていた。
「ウェンディも撫でてほしいにゃ!」
「ウェンディも可愛い強かったよ!!よしよし!!」
ウェンディはギュッと抱きしめられているシルフィが羨ましくなったのか、直ぐにアイリさんの胸に飛び込んで行ったけど流石に恥ずかしくって僕はその場に立ち尽くした。
「カケル、その魔晶石は拾っておいてね。」
困った僕の状況を察してくれたのか、アルベルトに声を掛けられた。
指差す所を見るとゴブリン達の遺体が消えた場所に黒い宝石のような石が転がっている。
そう言えば父様達に連れられて狩りに出かけた時もこれを集めていたっけ。
あの時は父様達の雰囲気が怖くって結局聞きそびれちゃったけど、結局これはいったい何だろう??
「これって何になるの?」
拾いながら聞いてみる。
アルベルトには何だか疑問やわからない事を凄く聞きやすいのが不思議だ。
「それは、魔法生物の核みたいなもの。武器や防具、生活道具とかを強化するのに使うんだ。消耗品だから需要も高くって良い金策にもなるよ。」
「お金になるにゃ!?」
故郷の村の金策を担っていたというウェンディが目をキラキラさせながら喰いついている。
「僕らが集めるのは?」
「もち金策!!」
「だよね。」
ふと手元の魔晶石をみると、ディフェンダーから出た石は透き通る黒の中に淡く青白い光が宿っている。
「ねぇ、これだけちょっと色が違うんだけど。」
「おぉ!!レアドロップじゃん!!」
そう言うとアルベルトは近づいてきて、僕の手元をまじまじと見つめる。
「強化系魔法の能力向上か。んー、でもやっぱり金策かな? レアの中でも特別凄いものは売らずにとっておいたりするんだけどね。」
強化系魔法の能力向上?
それって凄く使えるんじゃない?
「それって今回シルフィが最初に掛けてくれたダイレクトアタッカーが強化されるって事??」
「ん?そうだね。」
「じゃぁ、シルフィに使って欲しい!!」
僕は思い切ってアルベルトに提案した。
「え?わたし、、、ですか?」
シルフィがキョトンとした感じで僕を見ている。
「なんでそう思ったんだ?」
「さっきのゴブリンたちとの闘い、この小枝強化も奴らの動きを感じ取れたのもダイレクトアタッカーの力が凄く効いているんじゃないかって。なら、それが強化されるのはうれしい!!」
「え!?そんな、わたしの強化なんて。」
シルフィは謙遜しているようだけど、ウェンディも僕の意見に賛成のようでウンウンと頷いた。
「へぇ、ちゃんとわかってるな。」
どうやら僕は正解だったらしい。
アルベルトが嬉しそうにニヤリとすると、レア魔晶石をアイリさんの方に投げて渡した。
「アイリ、それをシルフィの装備のどれかに装着してあげてくれる?」
「はい!!」
アイリさんはそういうと、どこからかキラキラと光る裁縫道具のようなものを取り出した。
「どこにつけよっか?」
「えっと、、、身に着けているものならなんでもいいんですか?」
「うん、身に着けていなくても自分の傍にあれば効果は発揮してくれるけど、ちょっと離れるとダメだから身に着けるものがいいかな。あ、取り外したりもできるからあんまり考えすぎなくてもいいからね。」
「じ、じゃぁ、、、」
シルフィが腰に巻いているポーチを外してアイリさんに手渡す。
アイリさんは優しく微笑むと、器用にシルフィのポーチの蓋の真ん中辺りに魔晶石を縫い付けていく。
「これでよしっと!!」
「わぁ!!周りの刺繍も凄く可愛い。」
「うわぁ、いいにゃ!!いいにゃぁ~!!」
「ウェンディにもあとでちゃんとつけてあげるからね。」
「やった~!!」
そんな二人の様子を少し離れた位置からみてモジモジしていると、アルベルトが小声でつぶやいてきた
「カケルのは鍛冶系スキルが必要だから、僕らじゃ無理かな。良い石を見つけたらお店にいってつけてもらおう。」
「あ、う、うん。 ありがとう。」
アルベルトが僕も欲しいと言い出せなかったのを察知したのか、少し笑いながらアルベルトは僕の頭をポンポンと軽く叩いた。
「それにしてもカケル、よくやったな。ちゃんと盾役として動けていたよ。」
「ふ、ふん!!当然だ!!僕は紅蓮族のカケルなんだから!!」
僕は恥ずかしさを隠すようにアルベルトの手をパッパと掃う。
「じゃ、俺達は少し出掛ける用事があるから、この部屋を拠点にして頂上までの部屋の掃除をしておいてね。最上階は封印されてるっぽいからカケルたちはいける所にガンガン突き進んでいいよ。」
「そ、掃除??」
「うん、この塔の頂上迄の階にも同じように魔獣や魔物が巣食っているみたいだからさ。」
「い、一緒にこないの??アイリさんも?」
「うん、ちょっと気になる事があるから行ってくる。少し時間かかるかも知れない。」
そう言うと、アルベルトはアイリさんとなにやらこそこそ話をしはじめた。
最初は驚いたような表情を見せていたが、直ぐに事態わ呑み込んだように頷きはじめた。
「この部屋には強力な結界を張って、次元宿もセットしておくから。」
「次元宿を?」
僕はごくりと喉をならす。
つまり、少なくとも1日は掛かるってことだ。
「三人とも焦らなくていいからね。頑張ってね!」
「じゃ、アイリ。行こう。」
「はい。転位します!」
そう言うと、直ぐにどこかに転移して行った。
ぽつんと残された僕ら三人。
「え?これ、マジで?」
不安が一気に押し寄せてくる。
さっき迄は立派な武器として活躍していた手元の小枝が突然貧弱そうな只の小枝に成り下がる。
「折れたらどうするんだよ!」
さっきまでアルベルトとアイリさんがいた場所に向かって吠えたが、虚しく室内に響き渡る。
「カケル!何してるにゃ?早く他の部屋も見て回るにゃ!」
そう言って手を握り、僕を引きずって他の部屋に向かうウェンディとそれに続くシルフィ。
二人の神経の図太さを羨みながら、流れに身を任せるのだった。
ただ一つ、いつも通りの優しい受け答えだったけど。
アルベルトからあんなにピリピリと張り詰めた空気を感じたのは初めて。
いや、そう言えば似たような空気を感じたことはある。
そう、少し前にゼエルという冒険者との出会いの場で似たような空気感を出していたっけ。
次回はアルベルト視点に戻ります。
粗筋にかいている『その時』は刻一刻と近づいています。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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