3-5.レイグランドの女王:ミレーリア(3)
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
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「確かに私達を人族に引き渡す事で敵対の意思が無いことを人族の国家に知らしめる事は出来るでしょうが、レイグランド王国の利にはなりません。」
根拠が薄い主張なんだけどしっかりと言い切り、自信有りの印象を植え付ける。
少しでも不安を見せたらダメだ。
「なぜかしら?」
「帝国をはじめとした人族主体の四大国は競うように軍拡を進めています、大義名分としては勇者支援による魔王と魔族への対抗ですが、実際には違う狙いがあるからです。」
「違う狙い?」
ミレーリアの表情に疑問の色は見てとれない。
当然知っていると言うことか。
「レイグランド王国を筆頭とする、亜人三大国をおさえつけ人族の覇権を狙っています。」
「それは、確証が有って言っていますか?」
「私自身の経験からです。勇者支援の名目で拡張された軍事費の恩恵を感じた事はありませんでした。別の何かに使われているとしたら。」
これは本当の話だ。
カルナの無駄遣いがあったとは言え、常に金欠に苦しまされていたからな。
「それが対亜人の軍事費に流れていると?」
俺は頷いてミレーリアの言葉を肯定する。
「魔王と言う共通の脅威が無くなれば、レイグランド王国に対して強硬姿勢に出るでしょう。悪い場合は戦争に発展する事も考えられます。」
「ルシフェルやイオルムが彼らに負けるとは思えないのだけど。」
ミレーリアが今度は本当に理解出来ないと言った感じで聞いてくる。
「彼らと事を構える事になるのであればそうでしょう。しかし、実際は彼らは人族にとって脅威じゃない。」
「私の知る限り、彼らが倒された事はなかった筈よ?何故脅威じゃないの?」
「手を出さない限り彼らは静かなものですから無視してしまえばいい。時折発作のように強者のところへ来て暴れますが、地震や洪水といった天災のようなものと思えば良い。それが人族国家の考えです。」
「人族は彼らを無視すると言うこと?時々暴れて被害者が出るのは仕方がない事だと?」
「とっくに無視していますよ。あの二柱の魔王討伐は必ず最後に回されて討伐出征前に身辺整理の時間も与えてもらえます。」
「そんな事になっていたのね。」
これは勇者制度に関わっていないと知り得ない事実だ。
人族国家連合会議は、あの二柱を倒す事をとっくに諦めている。
それでも勇者をけしかけるのは、時折彼らのガス抜きをして天災のごとく暴れる二柱の被害を出来る限り抑えるためだ。
だから勇者を出した家とその従者に選ばれた殿で者は、その命と引き換えにそれなりの優遇措置を得られる事になっている。
それが例え奴隷という身分であっても。
「人族は神の啓示を無視すると言うのか!?」
評議員の一人が立ち上がり声を荒げた。
「勘違いがあるようですが今の勇者は人族の国家連合会議で人が決めます。神の啓示を受けた勇者なんてそもそもいませんよ?神から預かった魔王の障壁を打ち破るスキルも人の神官が代行して与えてくれますから。」
「なんだと!?」
外野にいると、そんな事も知らないのか。
「落ち着きなさい。前にカルナが出て行くと駄々をこねた時にも言ったでしょう?勇者はただの人族の兵器に成り下がっている。アルベルト殿を除いて、勇者は人族が決めているわね。」
「はい。勇者をあの二柱に挑ませるのは単なる魔王のガス抜きですよ。勝てるなんて最初から思われていない。」
「馬鹿な、信じられない、、、」
未だにショックを隠しきれない評議員の面々を置いてきぼりにして話を進める。
「そして軍備拡張が、整った暁には。」
「ウチに攻めて来るって主張したいわけね。」
「はい。」
「それと、貴方達と手を結ぶ事がどう繋がるのかしら?」
「はい。これまでの二柱以外の魔王は力押しの面が強く組織だった行動もあまりありませんでした。だからこそ勇者達の個の力で抑える事ができました。そこで私が組織的な勢力を伸ばせば。」
「人族国家は貴方に注意を払う必要が出てきて、亜人支配どころでは無くなると?」
巧く話は出来た気がするがどうだろう。
「全部仮定の話ではないか!」
先ほどのミレーリア信者の一人が立ち上がり、俺を指差して憤る。
「仮定ですが、信憑性は高いと感じて頂けたのでは?後はリスクマネジメントをどう考えるかと言うことになります。」
「リスクだと?我らが人族の国家に劣ると言うのか!」
「既に帝国は軍事力では並んでいる。貴殿方がのんびり仮初めの平和を謳歌している間に彼らは牙を研ぎ続けていたのだから。」
「貴様!!」
「落ち着きなさい。」
「しかし!陛下!!」「私は落ち着きなさいと、言いましたよ?」
「申し訳、、、ございません。」
落ち着き払った様子で場を鎮めたミレーリアに焦りの色は伺えない。
ここで落とし切れればと思っていたけど、そう簡単にはいかないか。
「アルベルト殿も、狙いはわかりますが不用意に彼らを挑発なさらないでくださいね。」
「大変失礼いたしました。」
深く頭を下げる。
ミレーリアが声を荒げた議員を睨むと、しぶしぶと言った感じで軽く頭を下げて乱暴に席に座る。
その様子を見ていたリオーレアが何かをメモに記載していたが、あれは評議員達の査定表だろうな。
冷静な分析を阻害するために場を荒らさせようと、一番血の気の多そうな信者君に燃料投下したんだけど、、、悪い事をしてしまったな。
彼の将来が心配になってきた。
「アルベルト殿の話は、既に全亜人国家が懸念している事ですが、既に懸念しているという事は対策も進めているという事です。デメリットとメリットを比較した時にどちらが大きいか、、、お分かりですね?」
人族国家の脅威論はさっきの議員が言った通り仮定の話で、かつ対策は進んでいる。
一方で魔王と手を結ぶ事による人族国家との軋轢は新たに発生する問題で、かつ戦争の口実にもなりかねない。
俺を倒す事のメリットも確実なものだから比較するまでもない。
だから、『確実なおみやげ』が必要になる。
このままでは先に進めない雰囲気を感じ取り、次のカードを切る事にした。
まだ、暫くはホノボノとした旅やバトルが続きます。
でも、粗筋にかいている『その時』は刻一刻と近づいています。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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